花ふきんを縫いたい
図書館から借りた、「嫁入り道具の花ふきん(近藤陽絽子・著)」。
ページをめくりながら、ほれぼれ見入ってしまいました。
30番の絹糸や木綿糸をさらしに縫い込んでゆくと、すこしずつ浮かびあがる模様。美しさと優しさの滲む、花ふきん。
私も、こんなふきんをつくってみたいと、夢ばかりが広がる。
今までに縫ったふきんは、5枚ほど。さほど難しくない模様。
刺してみたい模様には、まだまだ挑戦できそうにありません。
著者の近藤陽絽子さんは、大好きなおばあちゃんから刺し子を教わったのだそう。
おばあちゃんが亡くなり、悲しみに暮れていたところ、ご主人が「おばあちゃんから教わったことを形にしてみれ」といってくれて、本格的に刺し子をはじめたとのこと。
今は教室を開いていて、長く通っている生徒さんとおしゃべりに興じつつ、花ふきんを縫われているのだとか。
それにしても、細い糸でこんなに綿密に縫えるだなんて、すごい。憧れる。
刺し子には家庭糸よりも太い刺し子糸を使いますが、同じ刺し子糸でも太さはさまざま。
近藤さんのように、刺し子糸を用いず、家庭糸で刺す人もいます。
家庭糸は細いので運指に力がいらず、すっと刺せるけれど、太さがない分、綺麗に刺さなければ粗が目立ちます。しかし、ていねいに作業すれば、繊細な美しさに満ちたふきんに仕上がります。
花ふきんを縫いはじめた時、自分はどの糸が好みなのだろうと、さまざまな糸を取り寄せたことがありました。
飛騨刺し子の糸は、色が美しく、艶がある。和色が豊富。
小鳥屋商店の糸は、太い糸と細い糸とがあって、細い糸がとても好み。たくさん入っているのに安価で、お財布に優しい。ネットで買い求めたのですが、お店の人の対応がとてもよかった。
オリムパスの糸は、色が豊富。手芸店やネットで気軽に手に入れられるのもいいところ。太さはちょっと太め。初めて刺し子を刺した時や、一時期通っていた花ふきん講座の課題でよく使っていた、私にとっては馴染みの深い糸です。
ダルマ家庭糸は、すでに糸巻きに巻かれており、収納しやすい。ずらっと並べると、色とりどりのクレヨンや色鉛筆の詰められた箱をほうふつとさせて、眺めつつ嘆息してしまう。
ナスカの糸は、小巻サイズがダルマ家庭糸同様、糸巻きに巻かれていて便利です。糸巻きに描かれた小鳥が可愛らしい。小鳥屋の細糸と同じくらいの太さですが、やわらかいので、縫いごこちが違うように感じました。
小鳥屋の細糸がいちばん好きです。
しかし、ダルマ家庭糸の艶々とした糸の照りや、糸巻きを裁縫箱に収めた時の佇まいもいい。
私の場合、色とりどりの糸をならべて眺めるのも楽しみのひとつなので、ダルマ家庭糸に心が傾いています。
小鳥屋と同じくらいの太さの糸を取り揃えている津軽工房社というお店も気になっていて、あれこれ迷うのだけれど、それがとてもしあわせ。