電子帳簿について
今日は、広島国際会議場にて久々のリアル研修会に参加してきました。一応設営側の一員として。来場者は40~50名で、ウェブ受講者は200名以上いたとのこと。テーマは電子帳簿保存です。
日本では諸先進国と比較すると、電子帳簿化は遅れ気味だと思いますが、その理由の一端は、電子帳簿保存にはとても手間のかかる事前申請と税務署の承認が必要であったことにあると考えます。
この電子帳簿保存法上の要件があるのでこれまで電子帳簿は普及せず、特に中小零細企業では、ほとんどの場合紙媒体での帳簿保存義務が未だにしつこく残っている状態になっていました。
この申請と承認の要件が、来年からようやく撤廃されます。つまり、申請や承認を経なくても、紙に印刷することなく、電子データだけ保存していれば、帳簿保存義務を満たすということになります。
しかも、電子帳簿として認められるために必要とされていた色々な厳しい要件も大幅に緩和されるので、来年以降、電子帳簿保存は一気に普及すると思われます。ようやく、とてつもなく時代遅れだった書類のペーパー保存から解放されるということです。
この施策の背景にはもちろん、帳簿書類を含め、あらゆる書類のペーパーレス化(電子化)をなんとしても進めたいという政府の方針があるのだろうと思います。まあそれ以前に電子化は世界のスタンダードであり当然のことともいえます。
これでようやく電子帳簿保存のハードルは下がり、先進諸外国並みになるのかも知れません。ただし、電子データの管理は自己責任なので、保存していたデータが消えたり壊れたりした場合、保存義務を満たさないことになります。
電子帳簿に移行することは当然としても、保存義務違反があると、青色申告の承認取り消しなどのリスクがあるので、データのバックアップなどの管理がますます大事になってきます。