【ガイド山行】奥穂高岳
大雨により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
今日まで5日間の日程でお客様と共に北アルプスの最高峰である奥穂高岳に登ってきました。
初日は前日まで大雨により通行止めとなっていた上高地へ向かう道が久しぶりに開通しての入山。
天気予報が芳しい内容でなかったのか、上高地から宿泊する横尾山荘までガ~ラガラ…
なんとも異様な雰囲気の上高地でした。
2日目は降雨があるものの雨量的に問題ないと判断し、奥穂高岳に向けて、沢沿いの登山道を進んでみた。
進むにつれ、雨量が増す。
進むか退くか、悪天候であっても現場で冷静に判断できるか否かが問われます。
お客様の体力なども考え、この日の歩みは涸沢山荘までとしました。
雨で冷えてしまった身体を回復させて、翌日の登山に備えます。
3日目は
雨は止まなかったが、涸沢カール内は風があまり吹いてなかった。
とりあえずは山頂直下の穂高岳山荘まで登って、登頂のチャンスをうかがう方針で登ってみた。
名物である岩尾根の急登「ザイテングラード」。
濡れた岩場でしたが、お客様には頑張って登っていただきました。
そして穂高岳山荘に到着。
この日は
雨が止まない上に小屋のすぐ上は強風…。
登頂するには明らかにリスクが高い。
翌日は晴れ予報だったので、予報を信じて、朝まで穂高岳山荘でチャンスを待つことに。
そして4日目は~
下山のタイムリミットまで天候が回復しなかった…。
お客様には申し訳なかったが、天候には勝てません。(涙)
また出直して挑戦しましょう!
山からのせめてもの慰めでしょうか?下山中は天候が少し回復し、常念岳や八ヶ岳などの素晴らしい展望が!
涸沢まで下って、奥穂高岳側に振り替えれば、ガッスガス。(笑)
風も強そうでしたし、今回は登頂しなくて良かったと信じましょう。
そして最終日の5日目は
無事に上高地に帰還し、穂高連峰や焼岳の景色を堪能しました。
お客様の要望である、奥穂高岳の登頂は叶わなかったものの、無事に下山していただくというガイドとしての最低限の業務責任は果たさせていただきました。
せっかくここまで来たのだから、登頂しなければ!と安易に考えて突き進んでは遭難のリスクが高まります。
自身が置かれている状況を冷静に判断し、登山を楽しみたいですね。