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マイナンバ=自分の人生

2015.10.01 16:12

【社会解説】 『マイナンバ法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)』により平成二十七年十月五日時点における住民票等を基に「マイナンバー」が付され順次に通知される(法人も含む)。大義は社会保障と税番号の一体制度だ。この法は国民にどの様に影響を与えるだろうか。

大目的は国民のDB化

 平成二十八年からは一先ず社会保障と税務関係からだが、平成三十年からは預金口座等にもマイナンバが連結される(改正「マイナンバ法」九月三日衆院可決・成立)。これにより国民の資産の完全把握と管理を目指す。高所得者というよりは富裕層が主軸であろう。財務省や厚労省の担当エリアだ。平成三十三年以降は義務化を検討している(公開現在)。個人や法人を特定できるので、総務省と法務省の範疇でもある。法の別表には、文科省や地方公共団体の名が情報の「照会者」として記されている。


日本で生活する以上は、殆どのデータを国に登録される

というコトだ。



<人生を把握する法>

また、この法には民間利用が検討されている。それは内閣官房のHPにも記されている。


 | 民間利用については、法律施行後3年をめどに、その段階での法律の施行状況等をみながら、検討を加えたうえで、必要があると認めた場合には、国民の皆様の理解を得ながら、所要の措置を講じることにしています


考えられる注意する範囲を挙げると、以下の項目がある。

① 仕事(本業・副業)
② 家庭(単身や結婚等)
③ 消費(衣食住等)
④ 交友・交際
⑤ 健康(生死)


最早、人生そのものである。副業に関しては、記事『夜の街で働く「副業キャバ嬢」がいなくなる日/東洋経済』で本業に差し支えが生じる理由が示されている。風俗業等も含め、就業者のマイナンバの取得は税務的に義務付けられるタメ、採用の際にはマイナンバを提出する必要がある。そして職歴が絶対に漏洩しない保証はない。『マイナンバ法』は主に国等の責任を定めており、民間には刑罰が精いっぱいだ。現行の刑法等は金銭で解決できるので、マイナンバの斡旋業者が出てくるコトは想像に難くない。

詰まり、副業はバレて本業と共にマイナンバの記録に一生、残る。



<友人と愛人関係は危ない>

 家庭に関しては異論はないだろう。配偶者控除や子どもの就学の際にマイナンバが必要である。離婚歴は同じく残る。消費に関しては、どうだろうか。同法により確定申告者が増大するが故に、領収書が必要になる。以前の税法とは異なり、かなり広範囲の経費の適用がある。未来の税法改正によっては消費の経費化が推し進められる(毎年と云って良い程に税法系は改正する)。何にお金を使っているかが残る。

交友・交際は?どの様な友だちと一緒にいるかは意外と大事だ。どの様な異性・同性をパートナにしているかも大事だ。大事である以上、その情報を知りたいという需要は存在する。歴代の交友と交際相手が残る可能性がある。同法の未来での改正で入力欄が備えられるかも知れない。健康に関しては、当初の同法の目的であるタメ、問題はないだろう。遺伝子データを未来に国は蓄積できる。



<国民統制社会>

 マイナンバは記録でもあり、機会でもある。まともな記録をもつ国民であれば、様々な機会が与えられるだろう。逆に汚点が著しい記録だと、様々な機会が閉ざされるだろう。法は施行されたので、現実的に同法の停止・廃止・失効は政治学的にあり得ない。ピンチは常にチャンスと心に決め、清く正しく生きるコトに努める。

以前の様にハメは外せない。そういった社会が「国民統制社会」だ。十月はその到来を告げる。いわゆる非常識な国民は洗い出され、一生に亘って拘束を受けるだろう。


就業規則に違反し副業した者は損害賠償請求の対象になり得、汚点的な職歴は残り、愛人関係は露呈し不貞行為により損害賠償請求され、脱税者は資産の差し押さえや国税庁のリストに残りマークされ、人間関係の怪しい者には信頼性が劣りビジネスチャンスが減らされ、全てが記録されたまま人生を全うする。


恐れられたい。マイナンバという“人生”は、代えが利かないのだ。