空き家特例が使えない!
お父さんが亡くなった後、何もしない。
こんなケースはよくあります。
相続税が基礎控除以下の人は、
遺産分割をしない場合があり、
原則相続税申告も不要で、
相続登記をしなくても問題ありません。
今のところ相続登記は義務ではありませんから。
(2021年4月21日法改正により3年以内に相続登記義務化されます)
お母さんがいま住んでいるから、
お母さんが亡くなった時に、
全部一括で遺産分割と相続登記をする。
お父さんから長男へ直接1回で相続登記
これはこれでOKです。
相続登記の登録免許税も1回で済みます。
お母さんが住んでいた自宅を売却しよう。
問題はここからです
空き家特例が使えない!
空き家特例とは、
被相続人の居住用財産(空き家)に係る
譲渡所得の特別控除の特例のことで、
相続又は遺贈により取得した
被相続人居住用家屋又は
被相続人居住用家屋の敷地等を、
平成28年4月1日から
令和5年12月31日までの間に売って、
一定の要件に当てはまるときは、
譲渡所得の金額から最高3,000万円まで
控除できる制度です。
要件はいろいろとあるので
内容は省略しますが、
「自宅名義が被相続人名義」
ではければいけません。
今回の例ではお母さんです。
お父さんから長男へ
直接移転登記してしまうと
空き家特例は使えません。
では、どうすれば良かったのでしょうか
まず、
1 亡お母さん名義に相続登記をし、
2 お母さんから長男へ相続登記をする。
そうすれば、空き家の要件を1つクリアーできます。
なお、令和3年現在、いまのところ期間限定ですが
土地に限り、
亡母名義への相続登記は登録免許税がかかりません。
お父さんから長男へ相続登記をした後
相談しても、既に遅しの可能性が高いです。
空き家特例の要件は複雑なので、
税理士又は税務署に相談をお勧めします。
なお、
所有権全部お母さん名義にするのがいいのか、
子供との共有がいいのか、
又は最初から子供が相続するのがいいのか
は、もちろん税金だけでは決められません。
最終的に誰が相続するのか?
売却するのか?
売却をお母さんの生前にするのか?
亡くなった後にする予定なのか?
お母さんは老人施設に入る予定があるのか?
認知症のすすみ具合はどうなのか?
等
総合的な判断が必要になろうかと思います。
なんにも考えず、
お母さんが相続していいかといったら
そういうわけでもありません。
ご参照ブログ
お母さんの2次相続を含め
総合的な遺産分割等相続の相談事務所
川崎市麻生区新百合ヶ丘
司法書士田中康雅事務所がお届けしました。