魂のお相手と現実の私の話
2021.08.24 07:50
輪郭が
曖昧なまま
彼は
瞬発的な衝動で
私の唇に
自分の唇を合わせた
私に近付く
ほんの一瞬の衝動は
風を起こすほどの速さで
風圧を感じた
勢いのあるものなのに
衝動による
重なり合わせは
触れるか
触れないか
分からないほど
軽いもの
そして
彼は
私の前から
消えた
私は自分の
下唇に触れた
蝶の鱗粉の様な
粉が
ついていた
粒子
彼を創り上げる要素が
私に
ついた
初めて
見えない彼が
残した形
彼の名残に触れた
衝動が
彼を
形にした
これは
魂のお相手と
現実の私との
本当のお話