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マスコミ登場の方法  Ownd

メディアから取材される飲食店になる方法

2017.02.25 01:17

飲食店の経営者でメディア取材を誤解している人がいます。

大盛り、メガ盛り、変わった食材の組み合わせなどが取材されると思っているなら、

一過性の取材があるでしょうが、長続きはしません。


私はいつも、メディア取材(新聞やテレビ登場)からブランディングを考えています。

あの店で食べたい。あの料理人に調理してもらいたい。あの店主のお勧めを食べたい。

そんな料理店、飲食店になれたら素敵です。


しかし、目先のことばかりのメディア取材、マスコミ取材のことばかりを考えていては、

マスコミが「手っ取り早く取材する輪」から抜け出せません。

それではブランディングできないのです。


本題に入ります。

野菜を扱うお店なら、農家へ。

魚介類を扱うお店なら漁業者の現場に足を運んでください。

その現場でしか分からないことが山ほどあります。




例えば、農家に足を運べば「農家が自家用に作っている野菜」があります。

農家は売り物と自分が食べる物を分けて栽培しているからです。

農家が自家製に加工している伝統料理があります。

市場に出回らない料理で、市場に出回らない食材を使っています。

そうしたことを知っている飲食店の経営者がもしいたら、

現地の農業者ときちんと「美味しいもの」について語り合えたら、

自分の店のメニューに加えることができるでしょう。


これが「オリジナル」なのです。

マスコミの記者が取材したくなる王道、本筋で、ブランディングできます。


もう1つ。

魚介類を出すお店が小さな漁港に足を運んで食材を探したら。

ものすごい逸品を手に入れることもできます。




漁業者は必ず、季節によって「狙いの魚種」があります。

それ以外の魚が混獲したら…どうすると思いますか?

自分の「まかない用」として持って帰るのを除いて、海にまた戻してしまいます。

既に死んでしまっている魚を海に捨てる場合もあります。


この時、問題なのは「漁業者自身も高級魚だと知らずに捨ててしまう場合もある」のです。

魚介類を調理するのは調理人の専門ですから、漁師さんには分からないこともたくさんあります。

もし、日本料理店(フレンチでもイタリアンでも良いのですが)の経営者自ら、

漁港に足を運んで食材を探し、自分の店で料理として出せば、

これは「ニュースの王道、本筋」なんです。


こうしたことをしないで、ただ気軽にメディア取材されたいと思う店主が多すぎる。

飲食店の経営者が、他店と同じ土俵で、同じ感覚で取材されようと思っているのが残念です。


付け加えると、こうしたことは消費者の責任でもあるのです。

農業者が「自分のために作る作物」を分けて栽培するのは、

消費者が「きれいな作物」ばかり求めているため。


漁業者が、目的以外の魚介類を海に捨てるのは「儲けにならないから」です。

つまり、流通させる市場関係者や使用する飲食店の勉強不足。


現場に足を運んだ飲食店が本当にブランディングできるのです。


元新聞記者、テレビ局デスク

メディアコンサルタント・荒川岳志