銅スクロドフスカ石　Cuprosklodowskite

銅スクロドフスカ石　Cuprosklodowskite　Cskl　

Cu(UO2)2Si2O7·6H2O；三斜晶系 (スクロドフスカ石グループ)　

IMAステータス："Grandfathered" (IMAが設立された1958年より前に発見された有効な種)　

別名：銅スクロドウスカ石　

鉱物名：　

模式地：　

模式標本：University of Liµege, Liµege, Belgium, 16.655.　

原記載：

• Vaes, J.P. (1933) Sur un minéral de Kalongwe (Katanga). Annales de la Société géologique de Belgique, 56, B331-B332 (in French). https://popups.uliege.be/0037-9395/index.php?id=6396&file=1&pid=6394

　鉱物名は放射性物質の研究で著名なキュリー夫人 (Maria Salomea Skłodowska-Curie，1867-1934) にちなんで命名されたスクロドフスカ石 (sklodowskite) の銅アナログであることによる．本鉱物の原記載は1933年にベルギー地質学会年報に掲載されている (Vaes, 1933)．

岡山市南区 剣山 (Kenzan, Minami-ku, Okayama City, Okayama Prefecture)．FOV ~1.4 mm．

　銅スクロドフスカ石の標本は，DRコンゴ (旧ザイール) 産の美麗な鮮黄緑色の結晶がよく知られているが，日本でも剣山からごくわずかながら見出された (肥田ほか，1961)．本産地ではカビのような淡い黄緑色の皮膜 (SEMでは針状結晶が認められる) をなして花崗岩の割れ目に産するため，DRコンゴ産の標本を想像しているとまず見逃すだろう．日本では剣山がいまだに唯一の産地である．

文献

1. Vaes, J.P. (1933) Sur un minéral de Kalongwe (Katanga). Annales de la Société géologique de Belgique, 56, B331-B332 (in French). https://popups.uliege.be/0037-9395/index.php?id=6396&file=1&pid=6394
   
2. 長島乙吉・長島弘三 (1960) 日本希元素鉱物．長島乙吉先生祝賀記念事業会，京都，125．
3. 肥田　昇・坂巻幸雄・五十嵐俊雄・井上秀雄 (1961) 日本におけるウランの産状 その1．岡山県劔山の含ウラン鉱床．地質調査所報告，190，253-261．
4. Plášil, J. (2018) Mineralogy, crystallography and structural complexity of natural uranyl silicates. Minerals, 8, 551 (IMA第二文献).