文明の転換点
Facebook・清水 友邦さん投稿記事 「文明の転換点」
必要なものは、それを必要とする人のところにあればいい。
母なる大地から恵みをいただいて、わしらは生きている。
それなのに、すべての人が必要もないのに人と同じものを持ちたがるから、母なる大地は傷ついていく。
やがて訪れる大浄化の前に、人々はそのことに気づかなければならない。
(アメリカ先住民長老の言葉)
八戸の是川縄文館に国宝の合掌土偶が展示されています。
合掌土偶の時期は縄文時代後期後半(紀元前1600年)と推定されています。
その時代は夏王朝が滅ぼされ黄河流域に殷王朝が成立、ギリシア本土でミケーネ文明が起きて、旧約聖書でヘブライ人がカナンの地からエジプトに移住した頃です。
環状集落内の竪穴住居跡出入口から奥まった壁際の床で横倒しになって出土しました。
奥の棚に祭壇があって、そこから落ちたように左脚だけが離れていました。
天然のアスファルトを接着剤として使い修理されていたので大切に使われていました。
赤い顔料が残されていたので全身が真っ赤に塗られていたようです。
本体の手前には小さな焼け面があったので室内で火を使った祭儀を行っていたようです。
女性と火は深い関係にあります。炉の形は女陰であり、 古代日本の女性の女陰の呼び方はホト、ヒと呼びました。
火は女性の「ソコ」にあります。女陰の「ソコ」を火で焼かれてイザナミは亡くなりますが、その間に食物の神や土器の神が次々と生まれました。
女陰から命が生み出されます。
女性は生と死を司る霊力を持っていたのです。
火(ホト、ヒ)をおこして、火を絶やさずにすることは女性の大切な仕事で呪術的宗教行為でもありました。
天皇候補を意味する言葉の日嗣の御子(ひつぎのみこ)は火を継いでいく巫女、すなわち「火継ぎの巫女 (ひつぎのみこ)」でもありました。
合掌土偶は女性器があるので女性像でした。土偶のほとんどは女性と見られています。
秋は母なる大地が食べ物を豊富に恵み冬が終われば春に再び植物が芽を出します。
自然界のすべての存在は互いに深くつながっている円環構造をしていました。
大地そのものが女神の巨大な子宮であり、そこからあらゆる命と人間が生まれています。
大地と女性は命を生み出す偉大な女神の象徴でした。
チェロキー・ショーニー族は母なる大地を「われらの祖母にして偉大な創造者」と呼んでいます。
すべての存在は万物を生み育て養う偉大な地母神の子供でした。
縄文は女神の時代でした。地球が誕生したのが46億年前です。
生命誕生が40億年前と言われ、化石の生物が5億年前の古生代に見つかり、約700万年前に直立二足歩行をする猿人が現れたと言われています。
そして約20万年前に人類の共通の元母ミトコンドリア イブが誕生しました。
10万年前に人類はアフリカを出て世界中に散らばり、4万年前に日本列島に現れたというのがミトコンドリアDNAのシナリオです。
日本列島は大陸と陸続きで温暖化により1万4500年前に島となり、氷河が訪れ再び1万2700年前から1200年間再び地続きになりました。
最終的に大陸から離れて島国になったのが1万1500年前でした。
縄文時代が始まったのは縄文土器が発見された1万6000年前と見られています。
最初に日本に住み着いた古モンドロイドの縄文人は大陸から歩いて日本まで来ることができました。
その後に温暖化が訪れて東北に縄文文化が花開いたのです。
最近はすっかり姿を消してしまった茅葺き屋根の民家ですが、縄文時代から続いて来た自然素材の技術が使われています。茅葺きの屋根には百合の花も咲き、松も生えます。
茅葺き屋根の民家の火事で死ぬ人はほとんどいなかったと言われています。ガラス窓がなかったので玄関でなくとも戸板を外せばすぐに家から逃げ出せたからです。
真冬に北上山地の茅葺き屋根の民家に止まったことがあります。
室内で火を焚くため家の構造が煙を逃がす吹き抜けになっているので家の中も外と同様の気温になっています。
ところが14才の娘は真冬でも靴下を履かずに家の中の板間を歩いていました。
風邪を引いたことがないと言っていました。
たしかに犬や猫も靴下を履きませんがいつも風邪を引いているわけではありません。
昔は誰もがそのような暮らしをしていました。
現代では夜更かしを可能にする電気、冷暖房、汚染された大気を吸い、汚染された水を飲み、生命力のない季節外れの野菜を食べ、大地はアスファルトやコンクリートにおおわれ、騒音と振動に囲まれて暮らしています。
私達の脳は都市の人工的な自然に適応するよう条件づけられてしまっています。
北米インディアンは近隣の人々を招いて蓄積してきた富を惜しみなくふるまうポトラッチ(potlatch)という祝宴を開きます。
主催者は贈り物を気前よく贈り、客は受け取り、今度は別な機会にお返しをします。
もし、それをおこたり、自分の利益だけを溜め込むと力を失い自分の魂も失ってしまうのです。
先住民は富の蓄積に魂の危険を感じていたのです。縄文時代は落葉広葉樹林が広がっていました。縄文はブナ林から恵みを得ていました。
狩猟から農業に移り変わり、富の蓄積が起きて支配階級が現れると、豊かな富を求めて凶暴で暴力的な男性原理の人々が現れはじめて侵略を始めるようになりました。
貨幣経済は貧富の差をもたらし、争いをもたらしました。
お金のために長時間労働で拘束されるようなり、幸福で自由な時間は失われるようになったのです。
富と資源の奪い合いにより生存競争は激しくなり生は危険なものになりました。
母系社会を築いていた縄文は一万年以上争いのない社会を築いていました。
今までの人類は自己中心的で自分が属する集団だけが助かろうとして奪い合いと争いを続けて苦しんできました。
人類は精神的に未熟な状態でしたが地球全体に影響を及ぼすようになった現在、根本的な変容を迫られています。
深刻な感染症、森林破壊のせいで増加
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/112600684/
人類が登場したせいで地球上の樹木が半減
https://nge.jp/technology/116073
あと20年で日本全国のゴミの埋め立て場が満杯
https://22nd-century.jp/environment-issues/solutions/
新型コロナの死亡率、大気汚染で悪化
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/041000226/
地球は人類文明史上、例のない速度で温暖化している
https://www.afpbb.com/articles/-/3358844
ブラック企業と「旧日本軍」の類似点
https://news.careerconnection.jp/?p=1655
Facebook・日本経済新聞(日経新聞)投稿記事
衰退か、新たな繁栄の道か――。連載企画「人口と世界」は、爆発的に増え続けてきた人類の歴史が変わる瞬間に迫ります。
人口と世界 成長神話の先に(1)2021年8月22日 11:00 [有料会員限定]
人類の爆発的な膨張が終わり、人口が初めて下り坂に入る。経済発展や女性の社会進出で、世界が低出生社会に転換しつつある。産業革命を経て、人口増を追い風に経済を伸ばし続けた黄金期は過ぎた。人類は新たな繁栄の方程式を模索する。
世界人口は2064年の97億人をピークに減少する――。米ワシントン大は20年7月、衝撃的な予測を発表した。
https://minkan-zei-cho.jp/news/%E6%88%90%E9%95%B7%E7%A5%9E%E8%A9%B1%E3%81%AE%E5%85%88%E3%81%AB1%E3%80%80%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%80%81%E8%BF%AB%E3%82%8B%E5%88%9D%E3%81%AE%E6%B8%9B%E5%B0%91-%E7%B9%81%E6%A0%84%E3%81%AE/ 【成長神話の先に(1) 人類史、迫る初の減少 繁栄の方程式問い直す】より
えっ、本当と思った日経の記事
人類の爆発的な膨張が終わり、人口が初めて下り坂に入る。経済発展や女性の社会進出で、世界が低出生社会に転換しつつある。産業革命を経て、人口増を追い風に経済を伸ばし続けた黄金期は過ぎた。人類は新たな繁栄の方程式を模索する。(関連記事総合・政治面、特集面に)
2064年にピーク
世界人口は2064年の97億人をピークに減少する――。米ワシントン大は20年7月、衝撃的な予測を発表した。
50年までに世界195カ国・地域のうち151が人口を維持できなくなる。国連は「2100年に109億人となるまで増え続ける」と試算していたが、出生率が想定以上に落ち込む見通しだ。
30万年の人類史で寒冷期や疫病により一時的に人口が減ったことはあるが、初めて衰退期がやってくる。ワシントン大のクリストファー・マレー保健指標評価研究所長は、出生率が回復しなければ「いずれ人類は消滅する」と予言する。
危機は目の前にある。1960年代後半に世界の人口増加率はピークの2.09%に達したが、2023年には約80年ぶりに1%を割る。17年には15~64歳の働き手(生産年齢人口)の増加率が1%を下回り、すでに世界の約4分の1の国で働き手が減り始めた。
▼「母親になりたかったけれど……」。イランの首都テヘランの子供服店経営者アザデさん(37)は子供がいない。父は11人兄弟だったが、いまやイラン女性の大学進学率は日本を上回る6割超で、少子化が進む。
▼17年に高齢化社会に入ったベトナム。1月から定年を段階的に引き上げ、28年までに62歳にする。高齢化の暗雲が途上国を覆う。
▼「反移民」を掲げる東欧ハンガリー。人口減で労働力が足りず、排除したはずの外国人の労働許可を緩和した。19年の外国人就労許可数は4年前の約6倍。もはや移民なしで社会は回らない。
最も顕著なのは中国だ。来年にも人口が減り始め、2100年には現在の14.1億人から7.3億人に激減するとワシントン大は予測する。同じ年に日本など23カ国の人口が半分以下に縮む。
「米中の国内総生産(GDP)は逆転しない」とウィスコンシン大の易富賢氏は予測する。複数の調査機関は2030年前後に中国のGDPが米国を上回ると試算しているが、易氏は中国の人口統計が1億人以上水増しされているとしてGDP逆転は起きないとみる。
コロナ禍で拍車
新型コロナウイルスが退潮に拍車をかける。20年の日本の出生数は前年比3%減の84万人と1899年の調査開始以来最少。雇用や医療などに不安が広がり、米国も361万人と41年ぶりの低水準だった。米ブルッキングス研究所は「失業率が1ポイント上がると出生率は1%下がる」と分析する。
人口は繁栄の基盤だった。1800年の英国。産業革命により経済成長と食糧の大量生産を実現し、医療・衛生環境も大幅に改善した。100年後の人口を約4倍に増やし、英国が世界に覇権を広げる原動力になった。
1800年に約10億人だった世界人口はいまや78億人。人口が爆発的に増えたのは人類史で直近の200年間だけだ。急膨張した人類は、破綻を危ぶんだ。ローマクラブは1972年、人口増と環境汚染で100年以内に「成長の限界」を迎えると警告した。
流れを変えたのは女性の教育と社会進出が加速したことによる出生率の低下だ。女性1人が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)は17年現在で2.4と、人口が増えなくなる2.1の目前だ。
人口減時代は新たな難題が待つ。人口増が前提の年金や社会保障制度は転換を迫られる。労働者が減れば過去の経済成長モデルは通用しない。
ただ見方を変えれば、人口爆発の副産物だった環境問題や資源枯渇の危機は和らぐかもしれない。雇用を奪うとの抵抗もある人工知能(AI)などのデジタル技術は、生産性を引き上げ労働力不足を補う武器になる。
いち早く人口減に突入した日本にとっても改革のチャンスだ。従来の発想を捨て、人口減でも持続成長できる社会に大胆につくり変えられるか。歴史人口学者の鬼頭宏前静岡県立大学長は予言する。「次の文明システムへの転換期。乗り切るか没落するかの分かれ目だ」