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横須賀線の今後について

2021.09.05 07:10

1.はじめに

 こんにちは。今回は東京都心と三浦半島を結ぶ路線で、新型車両が導入されることで話題になっている横須賀線について書かせていただこうと思います。研究を書くのは初めてなので拙い文章になっていますが、最後までお読みいただけると幸いです。

2.新型車両E235系1000番台の導入

 新型車両E235系1000番台は12月21日から横須賀線・総武快速線などで現在走っているE217系を置き換える目的で導入される車両で、11両編成51本、4両編成46本の計745両が製造される予定です。普通車のトイレも車いす対応の大型洋式トイレが導入されます。また上部などにデジタルサイネージが設置されています。また空気清浄機も設置されるので、併せて使えばコロナウイルス対策も強化できます。11両編成では普通車(ロングシート)が9両、グリーン車が2両となり、E217系に3両連結されていた普通車(セミクロスシート車)がなくなります。2023年度までにE217系が引退し、全車両がE235系となる予定です。

△E235系1000番台 船橋駅にて撮影

3.横須賀線の課題点

ⅰ激しい混雑

 横須賀線は武蔵小杉駅~西大井駅の混雑率が197%で全国2位(混雑率、順位ともに2018年の数字)を記録しています。原因は武蔵小杉駅周辺が急発展したことで、タワーマンションがたくさん建てられ、またそれに伴って商業施設ができることにより、利用者が増加したからです。横須賀線武蔵小杉駅の8時台の上り列車は線路を共用する湘南新宿ラインや埼京・相鉄直通線も含めると18本で、15両や10両など長編成の列車が多く走っています。また、武蔵小杉駅を通り都心へ向かう東急東横線は8時台の上り列車が24本、東急目黒線の8時台の上り列車が20本となっていて横須賀線と並行する路線も本数が多く混雑に悩まされています。

ⅱ遅延が多い

 横須賀線は多くの路線と直通、線路を共用しています。総武快速線・東海道線・湘南新宿ライン・総武本線・内房線・外房線・鹿島線などがあります。また、長い距離、線路を共用する湘南新宿ラインも多くの路線と直通、線路の共用をしているため遅延を他路線から拾ってきてしまうことが多いのです。横須賀線は首都圏における、5分以上の遅延が多い路線ランキングワースト5位であり、平日20日中約18日も遅延が起こっているのです。また、遅延がラッシュ時に起きてしまうと武蔵小杉駅周辺の混雑がさらに悪化してしまいます。

ⅲ逗子以南について

 横須賀線は逗子駅を境に運行形態や利用者が変わってきます。

まず、運行形態については、総武快速線の東京駅~逗子駅間は15両編成と11両編成が日中毎時4本、逗子駅~久里浜駅は日中毎時3本でそのうち2本が4両編成、1本が11両編成となっています。また、西大井駅~逗子駅は湘南新宿ラインも線路を共用して走っているため、かなり異なっていることが分かります。なぜこんなにも差が出てしまうのでしょうか。それは乗車人数と京急が理由だと思います。逗子駅や鎌倉駅の乗車数は約3~4万人ですが東逗子や田浦などは5000人を切っていて逗子駅を境に急激に利用者が少なくなっています。

 また、田浦駅~久里浜駅で横須賀線と並走している京急線は横須賀線より横須賀市の中心部を走っており、横須賀線の終点の久里浜より先三浦市へと進み、元々の本数が京急の方が多いなど利便性の面で勝っていること、横須賀線横浜駅~久里浜駅間と京急線横浜駅~京急久里浜駅間で運賃を比べると京急の方が300円も安いという運賃面での優位性から三浦半島への乗客は京急へと流れているのです。

 横須賀線は1889年に開業して以来古くから軍用路線や三浦半島の足として三浦半島の発展に貢献していた路線でしたが、沿線の人口減少と京急の勢力の拡大によってローカル線化していくのは寂しいことだと思います。

4.課題を解決するためには

ⅰ激しい混雑

 武蔵小杉駅の混雑は数年前からJR東日本も対策をしており、南武線下り列車利用者だけでなく、東急東横線、目黒線と横須賀線への乗り換え客も多く利用する南武線下りホームの拡張、横須賀線ホームの新設、臨時改札の設置などを行っています。ホームが新設されることで現在使われている島式ホームを上り専用とできるためホーム収容人数は増え入場規制などは大きく減ると思われます。

△武蔵小杉駅の混雑対策を表した図(鉄道新聞の記事から引用)

 そもそも横須賀線ホームの設置が混雑を意識していない構造になっていることが難点ですが、横須賀線武蔵小杉駅が開業したての2010年度は東急線・JR東日本合わせた乗降客数は19万5285人で、2019年度は48万1644人と2倍以上になっており、急速な利用者数増加を見越せなかったのでしょう。

ⅱ遅延の多さ

 遅延の多さを解消するためには混雑する駅でのホームドアの設置、ホームの拡張や、ホームのドア前に下の画像のように詳しい乗車目標を貼ればいいと思います。現状JR東日本の大多数の駅は○○線、○○号車というステッカーがあるのみで、乗車する人も降車する人も多い駅だとホーム上の列が乱れて、乗降に時間がかかってしまい、それが遅延の原因にもなるからです。

△京急品川駅の詳細な乗車目標(京急HPから引用)

ⅲ逗子以南について

 横須賀線は横須賀市中心部を通っていないこと、三浦半島の人口減少などから利用者を完全に回復するということは難しいでしょう。しかし今後も路線を存続させていくために利便性を向上させていくということはできるでしょう。例えば日中逗子~久里浜で運行されている4両編成の列車を大船駅まで運行することや時間短縮のため日中毎時1本久里浜駅から運行される列車の逗子駅での接続時間を短縮することです。運賃面は安くすると採算が取りにくくなり、そもそもJR東日本全体での運賃規定があるため値下げなどは難しそうです。

5.最後に

 初めて研究文を書かせていただいたため考察等が不十分だったり資料が足りないところなどもあっりしたと思いますので次号からは修正しよりよいものを作っていこうと思います。横須賀線は東海道線の支線でありながら昔からグリーン車が連結されていたり軍事面で大きく活躍していた路線で今も関東有数の観光地の鎌倉や通勤路線としての役割を果たしていたりと中身が濃い路線だと思います。個人的に馴染みの深い路線なので今後も研究していきたいと思います。

6.参考文献

・横浜日吉新聞

https://hiyosi.net/

・JR東日本

https://www.jreast.co.jp

・横須賀市

https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp


おことわり:Web公開のため一部表現を変更させていただきました。掲載されている情報は研究公開当時のものです。現在とは若干異なる場合があります。