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4歳6ヶ月のアートセラピー

2021.08.26 14:39

Aちゃんは絵が好き。時間があると、「紙」と言って絵を描くそうです。お母さんが心理相談で話しているうちに、姿勢を正し真剣に色鉛筆で描きあげました。集中力が凄く終わるまで動かないそうです。この絵は、言葉に代わって流暢にAちゃんのこころの世界を、語ってくれているようです。幼稚園の先生によると、「Aちゃんは言葉を聞けるけれど、発話に問題を抱えている」そうです。他の同年齢の子よりも語彙が少ないそうです。お母さんは心配しています。お母さん自身20歳の時に日本にお嫁に来ましたから、抱えているものがあります。今では努力した日本語を使って、Aちゃんに話しかけています。Aちゃんとお母さんの関係で、愛着は問題ありません。見つめ合うとき、二人の表情が溶けそうな笑顔を見せていました。日々、お母さんの強い愛が注がれているのが伝わって来ました。

子供の絵はレントゲンと言われますからその意味で見ると、上の絵がAちゃんの心を表している事になります。構成も色使いも良く練れていますね。年齢以上に自分の心を深く見つめられる力を感じさせます。縦横の方向で、こころのエネルギー、その動きを静止させているようです。自分を律しようとする意志を感じさせます。この絵をAちゃんは描きあげた時、お母さんに見せるため嬉々として持って来ました。ニコニコと別人のような満面の笑顔で手渡しました。

Aちゃんはピカチュウも描きました。これは前にサッと描いた絵です。

観察力が素晴らしい事がわかります。言葉に比べて視覚的な成長は順調で、知的に優れているのがわかります。こうしたピカチュウの具象表現に終わらずに、一番上の抽象的、概念的な表現が出来ているのです。でも、現実の幼稚園、集団生活では、一人浮いています。色々言葉で伝えられないので、「イヤ」で止まっているのです。「イヤ」のレジスタンスは、先生を困らせています。お母さんも、毎朝、幼稚園に行く時「行きたくない」と泣かれて、困っているそうです。これから日本社会と言う環境で大きくなるAちゃん、色々な課題が山積みです。言葉の勉強は必須ですが、アートを忘れてはいけないでしょう。アートの力が救える事、支えてくれる事は大きいからです。アートが発達に寄与し、癒してくれる事は大きいと思われます。これがアートセラピーの力です。