家庭で効率よく電気とお湯をつくる エネファーム
家庭で高効率の発電と給湯
「エネファーム」は、自宅で電気をつくる機能と、発電の際に発生する熱でお湯をつくる機能を併せ持つ「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」です。都市ガスやLPガス、石油から取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて、電気をつくり出し、またこのとき発生する排熱でお湯を沸かし、貯湯して給湯や暖房に利用するというものです。
通常、電気は発電所で作られますが、その時発生する熱は排熱として捨てられてしまいます。さらに送電線を通って送られる間の送電ロスがあるため、各家庭には約40%の電気エネルギーしか届きません。その点エネファームなら、使う場所がエネルギーをつくる場所。だからロスが少なく、排熱も活用できるメリットがあります。エネルギー利用率は約87%~97%*と高効率です。(*機種により異なります)
エネファームで発電した電気を家庭で使用することで、電力会社から購入する電力を減らすことができます。また2016年から電力自由化により余剰電力の売電が可能となりましたが、買取り価格は固定ではなく、ガス会社の原料調達価格によって変動します。
商品選びのポイント
設置条件を確認する
燃料は都市ガス、LPガス、石油の3つから選択でき、どのタイプを選ぶかによって設置条件などが異なります。LPガスか石油の場合は、機器とタンクを設置するスペースが必要となります。しかし奥行スペースが500mmのミニサイズや、マンション向けの商品も登場して、以前に比べて導入しやすくなっています。価格は機器だけでも200万円程度と高額ですが、国や自治体の補助金制度が設けられているので確認が必要です(2020年現在)。
1分間で理解するエネファーム
チェック!
▶燃料電池とは
酸素と水素を反応させ電気と水を発生させる仕組みのことです。具体的には電解質をはさむ電極に都市ガス、LPガス、灯油のどれかから取り出した水素を、もう一方の電極に空気中の酸素を送り込むと電気化学反応が起こります。その結果、電気と水が発生します。
▶燃料電池で何ができる?
1 発電させた電気で通常の電気と同じように家庭の電化製品を使用できます。
2 発生する熱や排熱を回収してお湯を作ります。このお湯はシャワーやお風呂のほか、給湯や食器洗浄乾燥機などあらゆるところに利用できます。
トレンド
エネファームが発電中に停電が起こった場合でも、エネファームは発電を続け、自動的に停電時専用コンセントに電気を供給します。停電中にエネファームで使用できる最大電力量の目安は「約500W」です。さらに断水時には、貯水タンクのお湯や水を、雑用水として使用することができる商品も登場しています。停電時や非常時でも、生活を守る強い味方になってくれます。
リフォマガ2021年4月号掲載