『鼬を噛んでくれ』出演者インタビュー③野村亮太
野村亮太さんです。よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
野村さんは露と枕の作品をご覧になったことがありますか?
『春俟つ枕』を観て、そこからお名前だけはずっと知っているという状態でした。
露と枕の印象についてお聞かせください!
一作しか観てないのでなんとも言えないですが、「重っ。暗っ。」って感じ。良い意味で閉塞感のある環境を表現するのが得意なのかな、という印象です。
台本を読んでみていかがでしたか?
今回も「重っ。暗っ。」って感じでしたね(笑)。
自分自身はエンターテインメント的な作品を好む傾向があるのですが、これはこれで面白いなと思いました。東京に来て間もない頃にはこういうテイストの作品によく出ていたので、久しぶりの感覚です。
演じる役(菊池朔良)について教えてください!
菊池は、シェアハウスの中では年長者ポジションですが、会社ではあまりうまくいってなさそうですね。後輩からも下に見られてるようなタイプなんじゃないでしょうか。自己肯定感があまり高くない印象です。
それは菊池が「視える人」だということに関係しているんでしょうか?
そうですね。菊池は「視える人」である自分を肯定できず、「自分はどこかおかしいんじゃないか」という感覚を抱えながら生きてきたのだと思います。だから自分と同じ「視える人」を切実に求めていただろうし、そういう人々が集まったあの家は、菊池にとってはある種逃げ場のようなものなのかな、と。
今回は「幽霊が視える人々」のお話ですが、野村さんには霊感ありますか?
まったくないです。心霊番組やホラー映画は大好きですが、「視えた」経験は一度もないですね。
周囲に「視える人」はいますか?
実は結構います。お寺の娘さんとか、霊とコミュニケーションが取れる住職さんとか。
あと、共演者の方と、本番終わってお話していたら、突然「今日もたくさん見に来てくれましたね」って。お客さんですか? って聞いたら「いや、後ろの方に」その方すごくまじめな人だったんで、それって・・・って尋ねると「そうですね。いつもいますよ。嬉しそうにしてました」
だから、視える人には視えるんだな、って。
最後に一言、お願いします!
この作品はある意味、今の情勢と重なる部分があるんじゃないかと思っています。
登場人物たちは先の見えない状態で、日々「生きているのがしんどい」と感じている。
そんな人たちが、後ろ向きながら「生きてみようかな」となる瞬間を見て、ちょっとだけ前向きになって帰っていただければいいなと思います
露と枕Vol.6『鼬を噛んでくれ』
作・演出 井上瑠菜
《日時》2021年9月15日(水)~19日(日)
《会場》下北沢「劇」小劇場
《詳細》http://tsuyu-makura.amebaownd.com/pages/1329398/next