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リバー・ランズ・スルー・イット

2021.08.28 22:42


A River Runs Through It


1910〜20年頃のモンタナの壮大な自然(第65回アカデミー賞・撮影賞を受賞)を背景に、フライ・フィッシングを通して交流する家族の絆とそれぞれの葛藤を描く、ロバート・レッドフォード監督のヒューマンドラマ(1992年公開)。

※ この物語は実話に基づき、ノーマン・マクリーンの小説が原作である。




秀才だが面白味に欠ける兄ノーマン(クレイグ・シェイファー)はジェシー(エミリー・ロイド)と恋に落ち、自由奔放だが陽気で憎めない生き方を貫く弟ポール(ブラッド・ピット)は賭博や喧嘩と縁が切れず、やがて来る不幸を予感させる。

だが、そんな二人の間にはいつも牧師である父(トム・スケリット)から教わったフライ・フィッシングがあり、そこには確かに家族の絆を感じさせる時間が流れていた。




長じて、ノーマンは東部の名門ダートマス大学に進学すべくモンタナの街を離れる。

帰郷してみると、地元に残ったポールの釣りの腕前は芸術の域に達していて、実生活では危険な世界に足を踏み入れていた。




時は正にT型フォード全盛の時代。物語の随所にそれが登場するのはファンにとっては嬉しいことだ。

見栄っ張りで救いようのないジェシーの兄の事で、ノーマンとジェシーは険悪なムードになるが、ポールはジェシーの兄のことを「たぶん彼は誰かに助けを求めている」と言う。

今にして思えば、それはポール自身のことだったのかも知れない。
そして、ポールに最悪の結末が…。



題名である「A River Runs Through It」とは、人生いろんなことがあるが、何があったとしても川は静かに流れ続けるように、時もまた幾多の想い出をすり抜けるように過ぎて行くという意味である。




歳月が流れ、親兄弟や妻に先立たれたノーマンが、故郷のモンタナでひとり静かにロッドを振るシーンでエンディングを迎えるが、昔と変わらぬ故郷の川に、かつて愛した弟たちの姿を追い求めているのだろうか…。

この映画では、ロバート・レッドフォードの再来と言われた若き日のブラッド・ピットの輝くばかりの笑顔が印象的で、彼はこの作品で役者としての地位を確立したと言われる。

息を飲むばかりの美しい渓流釣りのシーンもあり、釣り好きやブラピ好きには堪らない映画だろう。