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退屈と惰性と 改

GP メイドロイド・ミャオ レビュー

2021.09.03 04:43

 今回のレビューは、ノンスケール PLAMAX より、

“GPー01 ギルティプリンセス メイドロイド・ミャオ” です。

 

 “太陽の牙 ダグラム” に登場するコンバットアーマーや “魔神英雄伝 ワタル” に登場する魔神のフル可動キット、あるいは非可動の美少女キャラクターやセクシー女優のキットをリリースしてきた、マックスファクトリーのプラモデルシリーズ、“PLAMAX(プラマックス)” 。

 そのラインナップに、とうとうフル可動タイプのオリジナル美少女キットシリーズ、“ギルティプリンセス” が登場。

 第1弾となるネコミミメイド、“ミャオ” が発売されました。


 群雄が割拠するガールキット界隈に、また新たな勢力が登場しましたよ。

 マックスファクトリーというと、やはり真っ先思い浮かぶのがfigma。

 あらためて語ることのない、アクションフィギュアの一大シリーズですが、このギルティプリンセスも、当初はfigmaで展開するつもりだったようですね。

 それが、今の流行はプラモだ! と舵を切ることになったそうです。

 もしfigmaで発売されていたら、たぶん買わなかっただろうなぁ。

 そういう意味では、個人的に幸いでした。

 いや、また支出が増える状況になったことは、単純に幸いと言えるのか・・?(笑)

 マックスファクトリーといえば、兄弟のような間柄の会社にグッドスマイルカンパニーがありますが、たとえばfigmaは、マックスファクトリーが開発し、グッドスマイルカンパニーが販売する、という流れが基本のようですね。

 そんなグッドスマイルカンパニーには、すでに界隈にて一定の地位を築いているチトセリウムというガールキットシリーズがあります。

 だったらうちも! と、マックスファクトリーが思ったのかどうかはわかりません(というか、チトセリウムの開発にマックスファクトリーはかかわってないのかな?)が、ともかくも新シリーズの始動であります。

 チトセリウムがブラック☆ロックシューターなどで有名なhuke氏をキャラクターデザインに迎えたのに対し、ギルティプリンセスはシャイニングシリーズなどで知られるTony氏を起用。

 もう、それだけでもガタッと椅子を倒して立ち上がってしまうほどのインパクトがありますよね。

 正直なところ、Tony氏には世代的にはむしろ往年のアダルトゲームの絵師さんというイメージが強いのですがww

 もちろん、ベースとして可愛らしい、美しい絵を描かれる方ですし、実際のところ、すでに多数存在するガールキットシリーズ、そのキャラクターたちのなかに投入しても決して埋もれない唯一無二のビジュアルはさすがです。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みしたのみです。


パッケージ

 新シリーズ最初のアイテムについては、まずパッケージから見てもらうのが恒例になりつつある・・

 ミャオの全身イラストが大きく前面に描かれており、一見してプラモデルの箱とは思えません。

 まぁ、最近のガールキットシリーズはほぼそんな感じのものばかりなんですが、それぞれに特徴というか、カラーがありますよね。

 このギルティプリンセスの場合は箱の形態も独特で、いわゆるキャラメル箱という形態の外箱に内箱が入っています。

 縦向きに立てて置くのが基本となり、外箱6面すべてにイラストや製品(塗装済み)画像がレイアウト。

 裏面なんかは、やはりfigmaのパッケージに近い雰囲気ですね。

 そして肝心のミャオのイラスト・・というかデザイン。

 ネコミミ水着メイドというのか、けっこう要素は詰め込んである印象ですが、それぞれ的確に記号化されていて、非常にシンプルにまとめらていると思います。

 言うまでもなく、破壊力抜群です(笑)。

 伊達にギルティとは謳ってないね。


素体モード

 すっきりと無駄のない、シンプルな造形でTony氏のデザインを完全再現。

 立体としてもやはりfigmaに近い感じで、とくに膝裏から脛のラインなどにその印象が強いです。


 アンダーウェアは軟質素材の1パーツ成型で取り外し(脱がし)可能(ただ、外すとY時の股関節ジョイントがあるだけ)というところも、figmaからのフィードバック(?)ですね。

 コトブキヤとはまた違った変た・・もとい、情熱を感じます。

 なお、可動に関しては初期のFAGにも劣る程度で、それこそチトセリウムなどとは較べるべくもありません。

 しかし、そのぶんビジュアル面でのこだわりは強く、とくにそれを感じるのは背中からお尻、そして脚のほうへと流れる燕尾部分。

 モールドを見てもらえばおわかりかと思いますが、造形が左右対称ではないんです。

 モールドだけではありません。パーツそのものが、微妙に非対称になっています。

 もちろん衣装本来のデザインとしては左右対称なんですが、実際に着ることによって生じるわずかな歪み、そして皺が丁寧に再現されているんですね。

 これには本当にびっくりしました。普通はそのまま対象にモールド彫るでしょうよ。

 1パーツだけなら成型不良か? とも思ってしまいそうなところですが、2パーツに渡ってちゃんとラインは繋がっているので、明らかに意図したものです。

 推測ですが、パッケージイラストにもなっているポーズでまず立体物を作り、当然そのポーズに合わせて衣装のよれ、皺などを再現し、そこからプラモとしてのパーツ割りなどを進めていったのではないでしょうか。

 一応フル可動キットではありますが、特定のポージングがもっとも綺麗に、自然に決まるような造形を目指したものなのではないか? と思っています。

 とはいえ、ポーズによってはこの燕尾部分の歪みは厳密に捉らえると不自然になってしまうのも事実。

 もっとも、よくよく見ないと気付かない程度のことでもありますし、そこは大目に見てよ、ということなのか・・矛盾してますが。

 まぁ、すべて僕の勝手な想像ですけどね。

 ちなみに燕尾部分は若干ですが後方に可動。

 本当に若干です。


 あらためて背面。

 背中からお尻にかけてのラインが実に美しい。

 可動を犠牲にしているだけのことはある?

 キットとしてはパーツ構成も比較的シンプルで、パーツ数自体少なめということもあり、非常に組み易いです。

 素材の感触はチトセリウムに似ていて、コトブキヤのキットと較べるとかなり柔らかい感じです。

 精度はそこそこ。チトセリウムよりは貼り合わせ時のパーツ同士の合いはいいかなぁ。

 でも、前腕や脛など、可動軸と繋がる部分は動かしているうちに徐々に緩んで浮いてくる感じはあります。

 また一方で、可動部は一部異様にキツい部分があります。

 個体差もあるでしょうが、足首や後述のスカートアーマー基部のジョイントはかなりキツかったので、それぞれの軸をカンナがけしました。


 フェイスパーツは3種類が付属。

通常顔

叫び顔

通常顔その2

 ギルティプリンセスのキャラクターたちは、“バトルメイデン” という存在だそうで、デザインのモチーフは童話や神話が選ばれているそうです。

 このミャオのモチーフは判然としませんが・・

 また、そんなバトルメイデンのなかでもメイドロイドというカテゴリは、名称が示す通りの量産型のメイドロボとしていろいろな仕様違いが存在する、という設定なのだと思います。

 そんなわけで、デフォルトのデザインとは瞳の色と眉毛のかたちが違う通常顔その2が付属するわけですね。

 でも、そこはデカールを使ってお好みで、ということでよかった気がするなぁ。

 3種類とも違う表情にしてほしかったのが正直なところです。

 というか、パッケージイラストで描かれている笑顔がないのはイカンだろう。

 そしてそもそも肝心の顔ですが・・可愛いけど、ちょっとTonyデザインは再現しきれてないです。

 まぁ、難しいよね。ここは今後に期待かな。

 なお、無塗装状態のフェイスパーツ3個(通常顔2個、叫び顔1個)と瞳のデカールも付属します。

 ただ、デカールのパターンは通常顔その1の目線違いが増えてるだけ・・


 ほかに、先に言った仕様違いを再現可能なオプションパーツが頭部周りを中心に多数付属します。

 前髪はデフォルトのもの以外にぱっつんタイプが付属。

 横髪のボリュームによって顔全体の輪郭も丸くなるほか、眉毛が隠れることでかなり印象が変わります。可愛い。


 後頭部のアクセサリは左右と中央の3つすべて取り外し可能で、

代わりにテール髪や、

シニョンを取り付けることができます。

 テール髪はリボンを外して付けることも可能。

 基本はツインテールですが、中央に1つだけ取り付けることで短めのポニーテールにもできます。

 もちろん球体ジョイントで可動します。

 なお、ネコミミは取り外し不可です。


 首輪にもリボンのほか、

錠前っぽいパーツが付属。

 なるほど、ギルティ。

 ちなみにこの首輪パーツ、胸部との接合部で接着推奨となっています。

 小さなダボで噛み合わせるだけの構造なので、しっかり固定できないんですね。


武装モード

 という表現は合っているのかどうか・・

 腰にスカートアーマーを追加し、専用武装を持たせた状態です。

 スカートアーマーの接続軸は3㎜。ガールキットとしては定番の腰裏の穴に取り付けるかたちになります。

 スカートアーマーは基部で回転、展開可能。

 前方の白いパーツもわずかに可動します。

 尻尾についてはもちろん素体モードで直接取り付けることもできますが、まずは説明書通りに。

 尻尾自体は3分割されており、それぞれでロール可動。

 様々な表情を見せてくれます。


付属品

機動砲器 ブルームストライカー

 箒を模した武装(?)。

 穂の部分は円柱型のパーツを複数組み付けていく構造になっており、全体のパーツ数は意外に多いです。

 基本の箒形態のほか、組み換えでランス形態、

搭乗形態に変形させることが可能。

 搭乗形態では後部(穂先)にエネルギーカートリッジを取り付けます。

 必要な数は7つですが、ランナー都合で8つ付属します。

 ちなみに、先に画像を挙げたデカールの、青い長方形はこのカートリッジに貼るもの。

 カートリッジパーツ自体はモールドもなにもない、両端に3㎜軸と3㎜穴があるただの筒です。

 さらに11月に発売の姉妹機、メイドロイド・クロエに付属する掃除機型武器、“エクスターミネイター” と合体させることで大型武器、“合体重電子砲サイクロンキャノン” にすることが可能です。


 また、透明クリアパーツ製のディスプレイスタンドが付属。

 支柱は長短2種類が付属し、長さを調節できます。

 ただこの支柱についても、可動部がけっこうキツめなので少し調整したほうがよいと思います。


 なお、先のエネルギーカートリッジ以外にもいくつか余剰パーツがあります。

 第2弾のアリス、あるいはクロエ用のパーツだと思われます。


比較画像

 他社のガールたちと並べてみました。

 というか、ほぼコトブキヤ勢になってしまいましたね。

 バンダイ製ガールはちょっと手許におりませんでした。あと、VFGは普通に忘れてましたね・・

 ちなみに、今話題の30MSについては現状静観の構えです。

 で、サイズですが・・意外やこのなかではミャオが一番の長身でした。


 チトセリウムのアダマスと可動比較おば。

 ・・うん、まぁ、勝負になりませんな。

 端からそこでは勝負してませんけれども。

 せっかくなのでfigmaとも・・と思ったのですが、生憎とすぐ近くにいるのはゲテモノばかりだった(こら)。

 まぁ、全員人外という意味ではちょうどよかったかも。

 先に言った脛の感じが似ているのは、なんとなくわかってもらえますかね。


 挿げ替えいろいろ。

 頭部の接続径はFAGや創彩少女と共通なので、彼女たちとは無加工で頭部交換が可能です。


 マガツキ 橘花と。

 これはどちらも可愛い。

 ちょーっと橘花(というかマガツキ)ボディにミャオヘッドは肉感的過ぎるかもしれませんが、ミャオボディに橘花ヘッドは素晴らしいですね。

 ※マガツキ 橘花のレビュー予定は今のところありませんのでご了承を。


 まどかと。

 ・・うん、なんでまどかは創彩ボディ以外だといつもこんなに面白い感じになってしまうのか(笑)。

 創彩ボディにミャオヘッドは違和感なし。ただこれは中学生くらいか?

 まぁ、まどかも中学生と言われても・・

 ホーさんと。

 メガミボディのほうは首ジョイントをFAG用に交換することでミャオヘッドも取り付け可能ですが、ミャオのほうにそういったパーツはないので、ホーさんの頭は乗っけてるだけです。

 しかし・・意外とええやん、ホーさん。ちょっと意地悪なメイド長っぽい感じ。

 メガミボディのミャオは・・これはこれで悪くないな。尻尾も付ければよかった。

 なお、チトセリウムについては頭部接続径はメガミとほぼ同じですが、それぞれに互換用のジョイントがないため割愛します。

 

以下、画像

 可動はほどほど。先のアダマスとの比較画像が限界です。

 腕の付け根は軸接続で肩の引き出しもできないので、胸の前で腕を交差させたりはできません。

 体幹は胸部と腰部で多少の捻りができる程度。

 脚の付け根も引き出しやスライドはできず、PVC製のアンダーウェアも、とくに可動に貢献するわけでもないので、これは本当に趣味・・もとい、質感重視のこだわりです。

 腿上げもほとんどできない状態なので正座はもちろん、立て膝も不可能。

 腕部や脚部そのものの可動については、多くのガールキットとほぼ同じ仕様です。

 というわけで、イメージカットをいくつか。

 ブルームストライカーの箒形態で。

 お掃除はメイドさんのお仕事の中でも再重要(?)ですからね。

 箒のサイズ感もちょうどよいです。


 ランス形態で。

 箒形態にしても、片手での保持は厳しいですが、両手なら安定。

 しかしまぁ、あまり派手なアクションはできませんね。


 搭乗形態で。

 こちらも、肩周りの柔軟性がほぼないので、例えばこの状態で箒の柄を両手で持つの難しいです。

 肘を曲げればなんとか・・というところですが、そうじゃないんだよなぁ。

 なお、穂先(およびエネルギーカートリッジ)の後端には3㎜穴があるので、余所からエフェクトパーツなど借りてきて取り付けることも可能です。

 画像はメガミデバイス✕アリスギアシリーズに付属の噴射エフェクト


 ロケットランチャーっぽく。

 同様に柄の先端部分にも3㎜穴があり、そもそも合体武装時には銃口となる部分でもあるので、こちらにもエフェクトパーツを付けてみたり。

 画像は多くのメガミデバイスに付属するマズルフラッシュエフェクトです。

 

 また、背中にも3㎜穴があるので、スカートアーマーを移設することでポンチョっぽい雰囲気にもできます。

 けっこうイメージ変わりますね。


 冥土将軍 鬽揶嗚(みゃお)

 あの世の沙汰も金次第・・ということで、メイドカフェに出稼ぎに来ていた黄泉の国の女将軍。

 どうやら衣装が気に入ってしまったらしい(笑)。

 ランス持ちということで馬に乗せたくなった・・というだけのことです。

 HGFCマスターガンダムに付属の風雲再起がよいサイズ感でした。色味も合ってる。


シリーズ第1弾アイテムということでまだ相方がいないので、他社(というかコトブキヤ)のコたちと絡ませてみます。

 サイズ的に創彩との相性はけっこういいかも。

 こっちもいいかな。

 やはりメイドですからね。お嬢キャラと絡ませなければ。

 というか、どっちもミャオは立ってるだけ・・


 以上、“ギルティプリンセス メイドロイド・ミャオ” でした。


 もうこれ以上手を広げるのはよそう・・と思っていましたが、Tonyデザインのネコミミメイドとかスルーするの無理だろ! と。

 すでに複数のメーカーから様々なシリーズが展開しているガールキットですから、構造面では今さら目を惹くようなものはほとんどありませんし、そうなってくるとやはりビジュアル勝負という部分もありますよね。

 で、個人的にこのシリーズは外せないと、まぁそういうわけです(笑)。

 ただ、お顔については、正直なところTonyデザインを再現しきれていません。

 でもボディの再現度は素晴らしいです。

 可動については、端から勝負するつもりはないくらい割り切ったシンプルなものになっていますが、可動部を最小限に抑えることで全身のラインが非常にすっきりと綺麗になっています。

 衣装の自然なよれや皺に対する深いこだわりはもちろん、軟質素材のアンダーウェアとか・・まぁ、それについては大丈夫か? とちょっと心配になったりもします。

 いや、造形の細かさでいうと創彩少女のもののほうがはるかに凄まじいものがあるんですが、柔らかいということだけでむしろダメな気がするのはなんでだろう?(笑)

 あと、狙ってのことなのかどうかはわかりませんが、FAGや創彩少女(バンダイ製ガールもいけるのかな?)と無加工で頭部が交換できるなど、そのポテンシャルは想像以上でした。

 各社のガールたちがバイトするメイドカフェとか、すぐ再現できてしまいますよ。


 さて、現状で予約が可能な第3弾のクロエまでは、今回のミャオのバリエーションキットとなっています。

 もちろん、頭部のほかアーマー類や付属品などは変更されていますが、ベースとなるボディはほぼ同じ。

 さすがにほぼ同じもの3連続はどうなの? と思ったりもしたのですが、こんなメイドさんなら何人いてもいいわ(笑)。

 というか、まだチラ見せ段階の第4弾がいきなりアクセルベタ踏みしてきた感じで、シリーズの今後がどうなっていくのか大変楽しみであります。

 どんどんギルティになっていくのだろうか・・?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。