キャプテン翼の南葛SCがバリュエンスと知財活用、世界を狙う
【ビジネス・スポーツ報道】 リユース事業を中心に展開するバリュエンスHD(9270.TM)は、令和三年八月三十一日にオンラインにて「キャプテン翼」の作者・高橋陽一(庚子)が代取を務める「南葛SC」と共同でキャプテン翼の知財(IP)を活用した新規海外事業の発表会を実施した。
同HDの嵜本晋輔(壬戌)代取は元・ガンバ大阪のサッカー選手。高校卒業後に加入。元・Jリーガーとしては初の上場企業の代取。売上高は三百八十億円(同二年八月期)。十期目。報道現在で日本以外に米中英仏、香港、シンガポールとUAEに支店を有す。従業員数は八百八十人(五月末時点)。主力はオークションでC2B・B2B・B2C業態。
昨年よりアスリートの為の「デュアルキャリア採用」、本年六月よりスポーツチーム公認オークション「HATTRICK」を開始。後者ではサッカーの他に野球やバスケ、格闘技等の九カテゴリから五十一団体が参加している。選手の使用済みアイテムを委託販売している。同HDはスポーツ事業を強めていく。
<上場企業の関連会社化で知的資本増>
今回の南葛SCとは三月から公式パートナとしてクラブ活動を支援。同SCはJリーグ及びなでしこリーグを目指している。七月には株式を取得して出資比率は三十三.五㌫となり、同HDの関連会社となった。八月に嵜本代取は同SCの取締役となった。今までとは異なる全く新しいクラブ経営モデルを構築していく。
通常の収入の柱は「スポンサ」「チケット」「グッツ」「放映権」の四本。この四本の収入に依存しない経営モデルを構築したい。具体的には知財活用である。国内外の企業とパートナ契約を締結する。同SCの知財はキャプテン翼。全世界で最低五十ヵ国以上も放映されてきた。違法分を含めると、更にキャプテン翼の認知度は上がる。
九月十七日からは対戦型サッカー シミュレーションゲーム「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」の世界大会も開かれる。
サッカーは世界のスポーツ競技人口の中で常に五位以内に入る。正確なスポーツ競技人口を測定した公的調査は存在しない。世界に拠点がある同HDは既にパートナ獲得へ開始済み。二ヶ月で二十社以上と交渉に入っている。飲料メーカーや医薬品メーカー、アパレル、⾷料品等。
嵜本晋輔という男
嵜本代取は、サッカー界から引退した後に父親の会社で経営を学んでいた。氷河期世代。今回の同SCへの出資・取締役就任も「自分の中で沸々湧いてきた想いというのが、単にお金を出してスポンサードするだけでなく、もっと自分自身が深く経営に関わり、そして選手やクラブの価値をもっと高めていきたい。また、もっと多くのお客様に勇気を希望を与えていきたい。」と述べた。
口調は控え目で慎重。淡々と語りつつも、内に情熱の炎が垣間見えた。
取締役就任でSC経営に関するリテラシを上げる。現役時代、ポジションはミッドフィルダであった。実業家に転身した元・日本代表の中田英寿(丁巳)等もミッドフィルダであった。ミッドフィルダはフィールドの中間に位置し、攻守においてゲーム展開を左右する。時として自らもシュートを打ちに行く。
嵜本代取は南葛SCをJリーグだけでなく、正にキャプテン翼の様に世界で活躍するSCに押し上げたい。世界のゴールネットを揺らすのか。
記事:金剛正臣
画像:バリュエンスホールディングス㈱