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石川県人 心の旅 by 石田寛人

鼠多門橋

2020.01.19 12:51

 新年おめでとうございます。本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

 この正月、私は氏神様小松菟橋神社に初詣をして、破魔矢を戴き、7日には、尾山神社の七草健康祈願祭の末席に連なった。今年の健康祈願祭は50人ほどが集まって神前で健康を祈り、直会(なおらい:神事の後の会食)では、拝殿から金渓閣に退った一同が恒例の黒いお椀で七草粥をいただいた。私の丸テーブルには、前田土佐守家御夫妻や日銀支店長さんはじめ女性1人男性6人が席に着いていたので、私一人はいささかショボいものの、弁天様も大黒様も居られて、七福神に見立てることができ、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」と、この新春の健康食を楽しんだのであった。

 尾山神社は、昨年本殿が新しくなり、現在、神社と玉泉院丸を繋ぐ鼠多門橋と鼠多門の復元工事が進捗中である。子年(ねどし)の今年、このネズミの名が入った橋と門が完成すれば、県民の念願叶って小立野台上にこの夏オープンする国立工芸館、これまで多くの人々が親しんできた県立美術館、県立歴史博物館、加賀本多博物館、成巽閣、県立能楽堂あたりをスタートして、広い兼六園を巡り、石川門を通って、金沢城、玉泉院丸から尾山神社、そして香林坊、片町の繁華街へと楽に下りる順路がつながって、訪れる方々が、より効果的に、昔を偲びつつ金沢を味わうことができるようになろう。

 今年は東京オリンピック・パラリンピックの年、スポーツの年である。石川県出身のスポーツ選手、石川県関係のアスリートが、世界の有力選手に交じってメダリストの栄に輝くことを強く期待したい。そんなこの正月に、恒例となっている各種スポーツのテレビ放映が連日行われ、元旦のサッカー天皇杯をはじめ、2日3日の箱根駅伝やその後の都道府県対抗駅伝、2日と11日の大学ラグビー選手権準決勝戦と決勝戦、12日のラグビートップリーグの対戦開始、高校のラグビーとサッカーの選手権など、テレビ観戦に忙しかった。我々老人は、テレビ頼りだが、若い人達には、新しい国立競技場や秩父宮ラグビー場に出かけ、五輪直前の高度の競技を楽しんだ向きも相当あったようだ。

 そんな中、大相撲初場所で、東前頭筆頭の遠藤関、西前頭5枚目の炎鵬関、西前頭11枚目の輝関と揃った郷土出身の関取が大活躍して国技館を沸かせているのは誠に嬉しい。特に遠藤関が初日二日目と鶴竜、白鵬と東西の両横綱に勝った相撲は、角界に新しい風を吹かせるものと大きな反響を呼んでいる。

 石川県人会の定時総会と新年祝賀会が行われた19日の中日(なかび)、遠藤関と炎鵬関の直接対決があり、どちらも勝ってほしいので、テレビを見るのに目を閉じる心地であったが、好勝負の結果、炎鵬関が勝利したのはご承知の通りである。ただ、見るのが辛い石川勢同士の取り組みが行われるということは、それだけ、石川県出身の関取の活躍が目立つということでもあり、西前頭9枚目の豊山関や、東十両3枚目の大翔丸関のように石川県の高校などで学んだ関取も含めて、県関係者同士の取り組みがドンドン増えることは歓迎すべきかもしれない。これまで遠藤関が6勝2敗、炎鵬関が4勝4敗、輝関が6勝2敗で、小兵炎鵬関の大奮闘を含めて、石川県勢は優勝にも手が届くすばらしい勢いである。このような関取の皆さんの大奮闘が石川県人全体のさらなる活躍につながることを切に祈っている。(2020年1月19日記)