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日本人・アイヌ・地球人

2018.09.01 14:21

Facebook・清水 友邦さん投稿記事 「日本人・アイヌ・地球人」

アイヌは独自の文化を有する先住民ですが明治政府による同化政策により土地、言語、神話、生活手段、名前の全てが奪われました。

アイヌを名乗れば差別による虐待をうけました。差別から逃れるためにアイヌである事を隠して生きようとしました。

アイヌ部落は少なくなり、混血が進み住民登録はアイヌ語ではなく日本語で登録されたために客観的にアイヌを証明する手段は困難になってしまいました。

アイヌと同様に言語と神話を奪われた東北の蝦夷は消滅してしまいました。

そんな絶滅にされかかったアイヌでしたが1994年に司法の場で初めてアイヌ民族を先住民族と認定されることになりました。

そして2008年6月6日国会において「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が全会一致で決定されました。

けれどもアイヌの人々をめぐる差別の問題がなくなったわけではないようです。

アイヌと和人と分けますが和人(倭人)つまり日本人を一つの単一民族だと思い込んでいる人が多いと思います。

ところが歴史を遡ると日本は異なった言語と文化を持つ多民族の國だったのです。

日本列島に最初にやって来たのは古モンゴロイド系の縄文人でした。そのあとに新モンゴロイドの人々がやってきたのです。

『日本文化の深層を探る』(沖浦和光、岩波新書)によると日本人のルーツは、次の通りです。

1、古モンゴロイド系の縄文人の末裔のアイヌ系と沖縄

2、稲作農耕と漁をして暮らす倭族

3、マレーなど黒潮に乗って北上したフィリピン人、インドネシア人の源流に連なる南方系海洋民

4、朝鮮からの渡来人

5、中国の江北地方から北九州に渡ってきた新モンゴロイド系・漢人系

6、北方系騎馬民族(新モンゴロイド系・ツングース族)

母系社会を築いていた縄文の人々は海を越えて渡来して来た新モンゴロイド系の人々を受け入れて行きました。その混血で日本人ができたのです。

日本は単一民族と思っている人がいますが、かつての日本は隼人(ハヤト)熊襲( クマソ)肥人(クマビト)土蜘蛛(ツチグモ)国樔・国栖(クズ)八束脛(ヤツハカギ)佐伯(サヘキ)古志・高志(コシ)粛慎(ミチハセ)蝦夷・毛人(エミシ)と呼ばれた数多くの異なった言語、文化、生活習慣を持った集団で構成されていました。

国とは概念であり、そもそも日本という国はありませんでした。

『後漢書』によると1世紀の倭国は百余国があったことが記されています。

卑弥呼がいたように最初は女性リーダーを中心とした緩やかな部族連合を築いていたようです。

お隣の多民族国家中国では中華民族をこのように言っています。

「我が国は漢族を主体とする多民族国家であり全国各民族は一つの共同の民族複合体「中華民族」を構成している。

各民族は今後もさらに各学び合い吸収し、共通性が次第に増し、ついには融合し漢族でも満州族でもチベット族でもない、一つの新しい民族共同体となる。この新しい民族共同体の名称は中華民族という」中国民族理論学会(岩波書店「民族の創出」より)

この中華民族の共通言語は漢語です。

多民族国家といっても結局は漢族に都合がよい同化政策を取られ、チベットとウィグルは過酷な状況にあります。

少数民族独自の文化は漢民族に吸収同化されて消えようとしています。

実は中華民族を大和民族と置き換えると日本もまったく中国と同様のことをしてきたのです。

古代は「口」だけでクニを意味していました。

クニとクニが争うようになると、武器である「戈(か)」を取って争うようになりました。

そうして「戈」と「口」が合わさって「或」となり、さらに大きな口が合わさって國という字ができたのです。

現在、国家(こっか)とは、武器をとって争った国境線に囲まれた地域の政治機構を指しています。

つまり境界線を境に武器で争うことで國ができたのです。

私達は自己中心的に私の国、私の民族と言う視点から世界を見ています。

そのために自分の境界線の外側にある民族、人種、国は敵とみなし排除する傾向にあります。

國という概念ができて以来、たくさんの国境線が現れては消えていきました。

人間は偽りの境界線上で暴力を振るい殺しあって来ました。

男性原理は違いを強調し分離敵対し争いますが女性原理は包み込み融合します。

母系のミトコンドリアDNAを遡るとたった1人の女性、人類共通の大祖母ミトコンドリアイブが現れます。

「はらから(同胞)」という日本語がしめすように、人類はみな同じ先祖から出ている仲間だということをあらわしています。

先祖を何万年もさかのぼれば、日本人、中国人、朝鮮人、という違いは消えてしまいます。

国境線で争いを続けるのは頭の中で作り上げた境界線を実体のあるものと思い込こんでしまっているからです。

人々は共同幻想から眼を醒ます必要があります。

もし江戸末期に現れた黒船のように、宇宙船に乗った宇宙人が人類の前に堂々と姿をあらわしたのならば、国や民族を超えた地球人というアイデンティティが急速に芽生えるでしょう。

人々の意識に根本的な変化が起きて思考の条件付けから自由になった時、地球人という地球共同体意識が芽生えます。

その時、世界各国の政府は解体し国境線が消え、軍隊は銃をスコップにもちかえて災害救助隊として活躍するでしょう。