KURASHIをたのしむVol.12 DIYで家を成長させていく
人気ブロガーからDIYクリエイターとしての仕事を確立させたchikoさん。中学生の頃から、好きなインテリアに囲まれて生活するのが憧れだった。DIYで、住まいが自分好みに変わっていくのが楽しくて仕方ないという。自宅をカフェ風おうちにつくりあげたポイントやDIYの魅力について聞いた。
▲DIYクリエイター chikoさん
愛知県在住。インテリア商社に勤務後、26歳で結婚。同時に中古住宅を購入したが、欠陥住宅だった。一念発起してDIYで家を改装し始めてから、ブログやSNSで作り方を発信すると人気を博し、DIYクリエイターとして活躍するようになる。新築モデルルームのデザインを担ったり、企業や行政とコラボでDIYの普及に取り組んだりと多岐にわたり、活動の場は全国へと広がる。テレビやラジオにも多数出演。高校生2人の母。
ブロガーからDIYクリエイターに
DIYクリエイターのchikoさんは、20年前に築10年の中古住宅を購入したことをきっかけにDIY生活を始めた。
「結婚と同時に中古住宅を勢いで買ったら、まさかの欠陥住宅。冬が驚くほど寒いので、調べてみると床下に断熱材がなく、造りにも問題がありました。業者に頼みたいけれど、家を買ったばかりで修繕費が捻出できず、自分たちで何とかするしかありませんでした」と話す。
一念発起してDIYで家を改装し始めてから、ブログやSNSで作り方を発信したところ、そのスタイルが認められ宝島社から実用書『Let’sDIY!カフェみたいなお家をつくろう』を出版。DIYクリエイターという名称で活動するようになった。ワークショップの開催や中古住宅のリノベデザイン、新築のデザインやプロデュースと多岐にわたる。昨年はアサヒグローバルと組んで、「アトリエのある家」(chiko’shouse)のモデルハウスに携わった。chikoさんのアイデアが採用され、内装から外装まで仕様を全部決めた。
▲アサヒグローバルとコラボでプロデュースした新築モデルハウス「アトリエのある家」(chiko’shouse)。居心地良さを感じさせるダイニングキッチン
丸ごと収納でカフェ風に
DIYでおうちカフェ風に改装した自宅は、男前テイストで彩られている。
「アンティークが好きで、本物のアンティークと自分が作ったアンティーク風雑貨を混ぜ込んで使っています。本物のアンティークを混ぜることでアンティーク風に作ったものもなじんでくるので、どっちが本物かわからなくなります」。
「カフェ風インテリアにするポイントは、収納家具をおしゃれにして、日常使っているものを全部収納してしまうこと。例えば手作り収納家具を置いたり、キャベツボックスを組み上げて収納してみたり、見栄えのする収納ボックスを置いてもいい。生活感が出るものを置きっぱなしにしないで隠したほうがカフェ風にすっきり整ってみえます」とchikoさん。
自宅は、子どもの成長とともに暮らしやすいように日々DIYで変えている。暮らし方を住まいに合わせるのではなく、住まいを暮らしに合わせていく。「普通、時が経つと共に家の価値は下がりますが、DIYによってカスタマイズすることにより価値が上がっていく。おもちゃを収納していた一角を、子どもが小学校に上がったら教科書を置けるようにしたり、壁を抜いて文房具を置く棚に変えたりと、家族の生活スタイルに合わせて家を成長させることができます」。
▲自宅リビング。家具、雑貨、窓枠まで、その多くはDIYで作っている
▲リビングにあるDIY TVボード。2つのボックスを作り、あとは2枚の板を取り付けするだけ
DIYで空き家問題を解決
さまざまなDIY活動に取り組むchikoさんは、2年ほど前から行政とコラボで「空き家問題×DIY」に関わっている。愛知県の春日井市と知多郡南知多町で、ワークショップ形式で部屋をDIYでリノベーションするという企画があった。
「週末を使って、2か月一緒にその企画に参加した人は、DIYでその後も繋がっていきました。この事業で一つのコミュニティーが生まれ、それが何よりも幸せに感じました」。
空き家と聞くと暗いイメージに聞こえるが、その場所を活用することで、〝人と人が繋がる場所〞になる。
「ちょっとホットなイメージになるように、今後も『空き家問題×DIY』に取り組んでいきたい。今コロナ禍で地方移住を考える人が増えており、空き家をDIYでリノベーションしてどの様に素敵になっていくか、をお話しできる場が増えたらいいなと思います」。
▲自宅アトリエで作業するchikoさん。元は和室だった
▲自然光がきれいに入るアトリエの窓辺。高低差をつけて配置し、バランス良くディスプレー
▲自宅トイレ。最近ドアを外開きにつけ替えて、色もラベンダーにペイント
リフォマガ2021年1号掲載
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