『鼬を噛んでくれ』出演者インタビュー⑦澤あやみ
澤あやみさんです。よろしくお願いします!
よろしくお願いします。
初の下北沢進出ですが、お気持ちを聞かせてください!
露と枕を以前から応援してくださった方々に対しては「下北沢です」って胸を張って言いたいような、誇らしい気持ちです。
私自身の意識はそんなに変わってないかな。いつもと同じような気持ちで稽古場にいます。
澤さんは露と枕の作品すべてに参加していますが、今回の作品の印象はいかがですか?
ルームシェアの生活を淡々とお届けするような印象なので、生活感の表現というか、お客さんが「生活を覗いている」という感覚になるために、この作品とどう向き合ったらいいかな、と考えています。
なんていうか、そういう「生活を覗く」みたいな形は、今までの露と枕の作品にはなかったような気がしていて。これまでは何らかの事件を追っていく過程で、物語の中にお客さんを巻き込んでいくといった形のものが多かったように感じているので、そういった意味で今回はかなり毛色の違う作品なんじゃないかなと思います。
ただ、会話の雰囲気には井上作品らしさが残っているので、今まで露と枕の作品を観てくださっていた方々にも楽しんでいただけると思います。
今回は「幽霊が視える人々」のお話ですが、澤さんは幽霊を見たことがありますか?
まっっったく見えないんですが、小学生の時、貧血を起こすたびに「幽霊に片側から押されてる」って思って怖がっていた時期がありました。
私、小学生の時めちゃくちゃ怖がりだったんですよ。消えてるテレビ画面とか見ると「何か出てきちゃうんじゃないか」って想像力を働かせて、一人で怖がってました。今は大人になったんである程度は大丈夫になってきたんですけど、いまだにお化け屋敷は入れないですね。マジで、怖い!
演じる役について教えてください!
吉瀬は乱暴な言葉遣いですが、根が真面目だなという印象です。幽霊が視えないで、もう少し良い人に囲まれて育っていたら、面倒見のいいお姉さんになってたんじゃないかな。そういった切なさも出したいなと思っています。
「幽霊が視える」ということが、吉瀬を変えてしまったんでしょうか?
これはシェアハウスの住人達に共通していえることなんですけど、みんな「自分を他人に理解してもらう」ためにうまく言葉を選んで伝えるというのがすごく苦手な人たちなんだと感じます。特に吉瀬の場合は、根が真面目なだけに「ちゃんと伝えたいけれど伝えられない」と苦しんで、割と早々に諦めちゃったんじゃないかな、と思います。
最後に一言、お願いします!
結局みんな見ている世界は違うけれど、みんな違ってみんな良いですよね、という気持ちです。
さて、劇団員として露と枕に参加するのは、今回の公演が最後になります。今まで露と枕に所属している役者として、私を応援してくださった方々には深く感謝しております。ありがとうございました。
自分の中では一区切りのつもりですが、気持ち的にはいつもとあまり変わりません。
楽しみに観に来ていただけると嬉しいです。お待ちしています。
露と枕Vol.6『鼬を噛んでくれ』
作・演出 井上瑠菜
《日時》2021年9月15日(水)~19日(日)
《会場》下北沢「劇」小劇場