エミルー・ハリス、”幻“のコンサート音源が30年もの時を超えて発売!
グラミー賞受賞14回を始め、数々の音楽賞を受賞する、名実ともにアメリカを代表する女性ヴォーカリスト、エミルー・ハリス。1969年に発表したデビュー・アルバム以降数多くの名作を世に送り出した彼女は、70年代以降のポップ・カントリー・シンガーの草分け的存在です。その彼女の”幻“のコンサート音源が発売となりました。
70年代半ばから約15年間に亘り、ホット・バンドと共にツアーを行ってきたエミルー・ハリスですが、1990年、新たにサム・ブッシュ(フィドル、マンドリン、ボーカル)、ロイ・ハスキー・ジュニア(ベース)、ラリー・アタマヌイク(ドラムス)、アル・パーキンス(ドブロ、バンジョー、ヴォーカル)、ジョン・ランドール・スチュワート(アコースティック・ギター、マンドリン、ヴォーカル)の5人からなるアコースティック・オールスター・グループ、”ナッシュ・ランブラーズ“を結成しました。そしてエミルーはこの新しいバンドとともに1990年9月28日にテネシー・パフォーミング・アーツ・センター(TPAC)でナッシュヴィル・デビューを果たすまでの数ヵ月間、ツアーを行っていたとのことです。ナッシュヴィル・デビューへのウォーム・アップ的な意味もあったのかも知れません。
その記念すべきテネシー・パフォーミング・アーツ・センターでのデビュー・ライヴは録音されたものの、残念ながら棚上げされ、発売されることはありませんでした。そして翌年の春、同じナッシュヴィルの歴史的会場ライマン公会堂(Ryman Auditorium)で行われたライヴは『EMMYLOU HARRIS AND THE NASH RAMBLERS AT THE RYMAN』 としてリリースされ、グラミー賞を受賞するなど高い評価を得ただけでなく、長年愛されてきた音楽ホールの保存にむけての社会的関心を高めるきっかけにもなったのでした。
それから30年以上も経た2021年――“幻”とされていたテネシー・パフォーミング・アーツ・センターでのナッシュヴィル・デビュー・コンサートの音源が、遂に陽の目を見ることになりました!RHINOレコーズのジェイムス・オースティンが長年埋もれていたライヴ音源を発掘し、9月3日、新たなライヴ作品『RAMBLE IN THE MUSIC CITY: THE LOST CONCERT』としてリリースされることが決まったのです。
このライヴ・アルバムで注目されるのは、『EMMYLOU HARRIS AND THE NASH RAMBLERS AT THE RYMAN』に収録されたライマン公会堂との公演とはまったく異なる曲が収録されていること。同時期のライヴですが、演奏された曲はそれぞれ違っており、今回発売となる『RAMBLE IN THE MUSIC CITY: THE LOST CONCERT』には、A.P.カーター、ロドニー・クロウェル、ルース・フランクス、ルービン・ブラザーズ、ドク・ポマスとモート・シューマン、ポール・サイモン、タウンズ・ヴァン・ザントの楽曲や、彼女自身のオリジナル楽曲が含まれています。
こちらはアルバムからの「Hello Stranger」。
この時のライヴ映像は残念ながらありませんが、1993年、エミルーがナッシュ・ランブラーズとともに老舗音楽番組「Austin City Limits」に出演した時の映像はこちらから。
Roses In the Snow
『RAMBLE IN THE MUSIC CITY: THE LOST CONCERT』について、エミルー本人は次のように語っています。
「私からすると世界最高の音楽考古学者であるジェイムス・オースティンが、この失われたコンサートのテープを発見した時、私はその存在に驚かされた。まるで忘れさられていた大切な写真を見つけたような感じがしたの。そしてナッシュ・ランブラーズとの想い出、最初のツアーから帰ってきて、ホームグラウンドでいつも通りの最高のライヴをみせようと気合十分で挑んだ記憶が次から次へと蘇ってきたわ。一聴しただけで、一音たりともおかしなところはなく、才能豊かなミュージシャンたちによる素晴らしい演奏であることが分かった。彼らと一緒にステージに立てたことを本当にうれしく思う」
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