ミス・アメリカーナ テイラー・スウィフト・ドキュメンタリー
デビュー以来、瞬く間にアメリカを代表するカントリーシンガーソングライターとなり、絶大な支持を集めるスターへと君臨したテイラー・スウィフト。
しかし、彼女の心は大きく揺れていた。
大衆に求められているテイラー・スウィフトと、自分がなりたいテイラー・スウィフト。あらゆる抑圧から解放されようとする彼女は「嫌われること」も怖がらない。
アルバム「ラバー」を制作中のテイラー・スウィフトが、幼い頃から書いていた日記を振り返り、「良いことをして認められたい。それが全てだった」と語るシーンから、このドキュメンタリー映画は始まる。
カントリーシンガーとして自分の経験を曲にすることでファンに共感され、支持されてきたテイラー・スウィフトは、ブッシュ批判したことで誹謗中傷されたディクシー・チックスの例があって政治的な意見を主張することを避けてきた。
だが、ラジオDJデヴィッド・ミューラーにセクハラ被害にあったことをたった1ドルで告発したことをきっかけに、テイラー・スウィフトの心に大きな変化が起きた。
テイラー・スウィフトの故郷ナッシュビルの中間選挙に、ストーカーなど女性に対する暴力から女性を守る法律や男女同一賃金や同性愛者の権利保護に反対するマーシャ・ブラックバーンが出馬したことにテイラー・スウィフトは怒り、「彼女はキリスト教信者として政策を主張しているが、こんな主張はキリスト教信者としては相応しくない。中間選挙で民主党に投票して欲しいと呼びかけたい」とテイラーをサポートするチームを説得した。
マスコミのテイラーの体型や男性関係などについての中傷にひどく傷ついたこともあったが、今はテイラー・スウィフトは摂食障害を克服し、「病的に痩せているくらいなら、太っていた方が健康的よ」と言えるくらいの強さを持つようになった。
カニエ・ウェストにMTVアワードで乱入されても、大人しくしてやり過ごそうと男性が期待する「おとなしい良い子」を演じていた女性から、「口に貼られたテープを剥がして、ピンクの服を着て政治の話をする時が来た。ピンクの服と政治の話両方とも好きでも構わないでしょう」と信念を持つ女性に成長したテイラー・スウィフトの変化から、「ミス・アメリカーナ」アメリカの女性の変化が見えてくる音楽ドキュメンタリー映画。
Netflixで、配信中。