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「短くて硬いポール」のススメ

2021.09.09 08:00

こんにちは。中京大学棒高跳コーチの榎です。

東京オリンピックでは、多くのドラマがあり、刺激にあふれていましたね!

今シーズンも残りわずかです。

そんな刺激を受けて、今シーズンも悔いの無いようにやり切りましょう!


今回は、私が中京大学でコーチをする中で感じている「短くて硬いポールを使用するメリット」を紹介します。いつものような研究に基づいた話というよりも、ボウルター榎としての経験談となります。


【短くて硬いポールで跳んでみた!】

ボウタカの代表を務める米原がRice大学(ヒューストン・アメリカ)に留学していた当時、私も2週間ほど春休みを活用し、ヒューストンに伺いました。そして、米原のコーチを務めていたコーチButlerの練習に参加しましたが、その練習では、驚いたことがたくさんありました。



そのうちの1つが「短くて硬いポールの使用」です。


YouTubeでも紹介している徐々に握りの幅を狭めていく練習、皆さんはご存じですか?

まだの方はこちらからどうぞ!



この練習をする時、最初に渡されたポールが、「Sprit, 13ft. 165lbs」でした。


私は、全助走では「16ft. 175~180lbs」を使っており、ポールワーク等でも16ft. のポール、実際に跳躍を行う際に使用するポールを使っていました。


13ft. のポールで跳ぶのは棒高跳を始めた当初以来、約10年以上ぶり。

実は、折れないか不安でした・・・



しかし!!
初めて挑戦する技術練習を行うのに、このポールがとても使いやすかったのです!!


【短くて硬いポールのススメ】

当時の実体験から、昨年、中京大学では選手の練習用に「ESSX 13ft. 170lbsと180lbs」を購入しました。そして、実際に、選手たちの練習でこのポールを使用しています。


今シーズン多くの自己ベストが更新されています!!

コーチとしては嬉しい限りです・・・


ここで、私が考える短くて硬いポールを使用するメリットをご紹介します。


1. ポール操作がしやすい

ポールワークの際に、ポールドロップを意識する時、ポールを立ててスタート姿勢をとりたいですが、長いポールで低い握りを持っているとポールの先端が地面に当たってしまいます。

そのため、6歩や8歩からポールドロップを意識するためには必須になるかもしれません。


2. 恐怖心が抑えられる

新しい動作をする時、特にポールドロップの練習をする時などは、ポールが立つのか?ボックスに入らなかったらどうしよう?など、不安はつきものです。

男子選手にとって13ft. ですと、短く感じて、恐怖心が抑えられると思われます。

その分、技術的な部分に集中できるのではないでしょうか?

また、踏み切れない病の克服にも使えるかもしれません。


3. 折れにくい

短くて硬いポールは、大きく曲げて使用する機会も少ないので、折れにくいです。そのため、長期間にわたり、また多くの選手の練習に使えることが期待されます。

コスパがいいです!!

また、折れにくいというのも恐怖心を抑えられているかもしれません。


4. 技術をごまかしにくい

短いポールは曲がりにくく、技術の誤魔化しがしにくいです。

そのため、何か1つ動作が不十分だと最後まで跳躍することが難しくなってしまいます。

技術を修得するためには最適だと思います!


棒高跳において高く跳ぶためには

ポールの長さに関係なく、やらなければいけない動きは同じ

です。


Pole Speed が速く、その中で反動を使った効率的な跳躍が理想的ですよね。

短い助走・短いポールで技術を洗練させて、徐々に助走、ポールの長さを伸ばしていく。

全助走になっても同じ動作ができる時には、自己ベストが更新できるでしょう!


今回の記事が少しでも皆さんの参考になると嬉しいです!


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