ネスレ高岡代取「イノベーションとは」、小池都知事「東京をサスティナブルに」と|サステナブル・ブランド国際会議
【ビジネス・社会ニュース】 博展(代取:田口徳久)と米サスティナブル・ライフ・メディア(CEO:コーアン・スカジニア)は、平成二十九年三月八日と九日に東京・六本木にて、『サステナブル・ブランド国際会議二〇一七東京』を開催。日本では初となる。九日には小池百合子(壬辰)都知事がスピーチした。
同国際会議は世界十ニ都市で展開。「サスティナブル・ブランド」とは、経営の根幹に「サスティナビリティ(持続可能性)」を取り入れ、自社の競争力とブランド価値を高める取り組みの事だ。十八年にスタートし十年を数える。本年度の年間テーマは「存在意義を揺り動かせ(Activating Purpose)」。四十超のセッション、九十人超の登壇者、八十五の企業・団体が集まった。最上位のスポンサはネスレ日本(代取:高岡浩三)、BMW(BMWG.DE)、3Mジャパン(代取:デニース・ラザフォード)、富士通(6802.T1)、日産自動車(7201.T1)、日立製作所(6501.T1)。
<イノベーションは、チームからは生まれない>
ネスレ日本の高岡代取は、「社員全体のMind Setを変える。」と意気込む。社内では年に一回「イノベーション アワード」を催し、全社員(報道現在で派遣社員はいない)を対象にビジネスの種(アクション)を募集する。このアワードによる社員からのアイデアで、過去五年の業績向上に貢献。「イノベーションは、チームからは生まれない。個人から起きる。個人のイニシアチブ、個人のリーダシップから。気付いてない事は、諦めている事。」とイノベーション創出のコツを伝えた。
また米・経営学者のフィリップ・コトラー(辛未)の仕事を三年間、高岡代取が手伝っていた経緯より、マーケティングを再定義した。「顧客の問題解決。問題解決能力ではなく、問題発見能力が難しい。」と述べ、イノベーションを気が付いてない顧客の問題解決と示した。同社はCSR(企業の社会的責任)からCSV(共通価値の創造)へ移行しており、事業戦略の一部にCSVを位置付ける。KPI(重要業績評価指標)は、国連SDGs(持続可能な開発目標)に則る。
瑞・ネスレ本体の売上高は昨年で十兆円。世界最大の食品・飲料会社。
S東京へ
小池都知事は、総額二百億円の「東京グリーンボンド(環境債)」や食品ロス、農林水産物(都内産)の認証取得の推進等の施策を説明。「サスティナブルというキーワード。これはですね、これからも大切にしていかなければならないコンセプトで御座います。東京をサスティナブルにする、という事は日本全体のサスティナブルに繋がってくる。」と、小池都政における持続可能なアクションを指し示した。五輪憲章にも持続可能性が盛り込まれている。例えば五輪関係(施設建設等)の調達である。
世界の人口増加は止まらない。化石燃料の弊害も悪化の一途を辿っている。地球の資源は有限で、今のままでは食や水、生活できる土地が枯渇していく。本来であれば、G8が率先して環境保全へ舵を切るべきであるが、国際条約「パリ協定」の弱さ等で分かる通り、各国の積極性は乏しい。同国際会議では名だたる企業・団体が様々な持続可能性について考える。各社の持続可能性への転換の積み重ねで、世界のあらゆる環境(仕事・都市・社会等)に貢献できる事だろう。
地球ファーストに切り替える時。
『サステナブル・ブランド国際会議2017東京/㈱博展、Sustainable Life Media, Inc』
撮影記事:金剛正臣