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▲a piece of cake 4u▽

非常時のことば

2017.03.06 14:47

高橋源一郎(朝日文庫)

今年2冊目の源ちゃん。

相変わらず選ぶことばが素敵すぎて、

読後はしばらく文章が書けなくなる(夫も同じ症状に陥っていた)。


東日本大震災以降、ことばはどう変わったのか。

詩や小説、活動家や政治家の演説を自在に引用し、ことばの本質に迫る。


2月からテレビの国会中継を見るようにしている。

そこにもたくさんのことばがあふれていて、

聞くに耐えない、と思うこともしばしばだ。


国の方針。反対意見。疑惑の追及。その釈明。

誰かへのアピール。ただの時間稼ぎ。ただの繰り返し。ただの棒読み。

国民の代弁?


ただ、ときどき、本当にときどき、これは本物のことばだなと思うこともある。

そこにその人の本当の想いが乗っていると感じられることが。

国会中継の見方としては不純かもしれないけど。


非常時には本物のことばが必要になる。

東日本大震災からもうすぐ6年。

私たちはいくつ、そんなことばを紡ぎ、なにを変えることが出来ただろうか。


 ことばも同じなのかもしれない。

 なにも問題がないなら、ぼくたちを抑圧するものがなにもないのなら、ぼくたちに不満がなにひとつないなら、ぼくたちは、ことばを使おうと思うことさえないかもしれない。

 なにかを(ことばで)表現したいと願うのは、どうしても埋めることができない欠落が、ぼくたちの中に生まれるからなのかもしれないのである。