かながわ芸能歳時記 相模国府祭の「鷺の舞」
相模最大の祭りを彩る平安貴族宴の舞
相模国府祭の「鷺の舞」
(大矢場/5月)
相模国府祭は、毎年5月5日に大磯町国府地区で行われます。今から一千年以上前、相模国の国司が、天下泰平と五穀豊穣を祈願したのが始まりとされ、相模国の一之宮から総社である六所神社までの神輿が一堂に集う相模国最大の祭典です。県の無形民俗文化財に指定されています。
神揃山では、相模国ができた時に一之宮の座を競った故事にちなんだ神事「座問答」が行われます。
大矢場(別名・小字高天原=現在の馬場公園)では、古式ゆかしき鷺の舞が奉納されます。平安朝の貴族達は宴の時、庭の池に船を浮かべ舞を舞わせ客をもてなしました。その流れを汲む舞で、国司によって伝えられたとされます。船の形をした舞台で奉納される舞は日本全国で大磯町 、中井町の二か所のみです。3種の舞によって構成され、鷺の舞は天下泰平を、龍の舞は五穀豊穣を、獅子の舞は災厄消除を祈願すると伝えられています。
◎相模国の六社:一之宮・寒川神社(寒川町)
二之宮(にのみや)・川勾神社(二宮町)
三之宮(さんのみや)・比々多神社(伊勢原市)
四之宮(しのみや)・前鳥神社(平塚市)
一国一社(いっこくいっしゃ)・平塚八幡宮(平塚市)
総社六所神社(大磯町)
*一之宮: 地域の中でもっとも社格の高いといわれる神社のこと。
*総社: 地域内の祭祀を一か所に集めて祀った神社のこと。
多くは律令国内で集めたものを指す。
監修:神奈川県民俗芸能保存協会会長 石井一躬
協力:六所神社
写真提供:大磯町産業観光課
住所:神奈川県大磯町国府本郷935
交通:JR大磯駅より神奈中バス・平43国府津駅行き、
または平47二宮駅行きで「国府新宿」下車 徒歩5分
日時:5月5日 9:30~17:00
お問合せ:六所神社 0463-71-3737
Photoキャプション(上から)
鷺の舞
龍の舞
獅子の舞
神揃山の座問答
にぎわう神揃山(五社神輿御成前)
にぎわう馬場公園
五社神揃山御成