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後三年で池袋を改造、四大公園を軸に大きく生まれ変わる

2017.03.12 00:05

【社会考察】 日本の映画界最高峰のイベント「東京国際映画祭(TIFF)」のマーケット『TIFFCOM』が本年より池袋に移転する。サンシャイン シティを大きく使う(既報)。『TIFFCOM』では映画やTV、アニメ、出版等を取扱い国内外からバイヤを集める。池袋を有する豊島(区長:高野之夫)は、四大公園により後三年で変貌を遂げ、「国際アート・カルチャ都市としま」を推し進める。


池袋四大公園とは昨年リニューアルした「南池袋」、来年リニューアルする「池袋西口」、再来年リニューアルの「中池袋」、そして五輪時にオープンする「造幣局跡地(名称未定)」。それぞれの面積は順に八千、三千、二千、一万七千平方㍍(百単位を四捨五入)。四大公園の役割がポイントだ。それは広さではない。

※写真最上は池袋・改の背骨となる「グリーン大通り」と環状第五(明治通り)の一号線(写真上)との交差点。五の一の脇に新庁舎があり、再来年度末に開通予定。




<四つの特色>

 リニューアル済みの「南池袋」は芝生。仮説の野外ステージがあり、能・日本舞踊等の伝統芸能を発信。敷地内のお洒落なカフェがポイントだ。取材時には学生や子連れの主婦を多数、確認した。静かで穏やかである。


「池袋西口」では、公園全体を屋外劇場と捉え、文化拠点とする。既に「フラフェスタ」等が有名だ。隣接する東京芸術劇とも連携を図る。公園周辺は国家戦略・都市計画建物等 整備事業予定エリアで池袋最大の再開発対象だ。西口からマルイの手前までの複数ブロックとなる。来年度から周辺のビルを一新させる計画が始まる。


「中池袋」は野心的。年間で一千万人の集客を八つの劇場で目論む。ここは庁舎の跡地。新庁舎は東池袋駅の方にある。劇場の中身は宝塚をはじめ、ミュージカルやシネコン、ライブ劇場を計画。アニメの聖地を目指し、コスプレ イベントを企画。八劇場との連携イベントも展開予定だ。五輪後にはオフィス棟も開業予定。国家戦略・都市再生プロジェクトに指定されている。


最後は池袋最大規模の公園「造幣局跡地」。近くに総合体育館があり、隣接地には大学を誘致予定で防災機能を備える。野外イベント、所謂、フェス開催を予定しており、屋外対応可能なコンベンション、ペットやスポーツのイベントを開催していく。



毎週イベント開催

 四大公園の売りは以下の通り。またエリア全体の回遊性向上策として、各公園を結ぶ歩行者優先空間の充実、多言語でイベント情報の発信、LRT構想(バス)がある。


  1. 土日祝日には必ずイベントを開催
  2. 原則無料
  3. 出演者の控え室有り
  4. 清潔なトイレ
  5. 民間的マネジメント
  6. 安心な施設管理


ハードの面で追記すべきは、池袋駅南側の「ビックリガード上空デッキ」だ。直結する「西武鉄道池袋ビル」と合わせて、二千平方㍍の新たな領域が再来年に誕生する。




国際アート・カルチャ都市の裏に都知事

 高野区長(丁丑)は『TIFFCOM』の記者会見で「公園の活用によって街が変わっていく。かつては映画の街だった。取り戻す。」と鼻息が荒い。報道現在の十七から三十九スクリーンへと再来年までに増やす。新宿は三十九、渋谷は二十五スクリーン。差別化としては、選べるスクリーンや芝居、アニメ・漫画、併せて八劇場の一体イベントで内外にアピールしていく。歌舞伎の招致も視野に入れる。



四大公園とビックリガードを取材した結果、気付いた点がある。公園の周辺では必ず何がしかの食の香りが漂う。これは大きい。綺麗な飲食店は他の街にもあるが、香り漂うとなると、そうでもない。然し池袋の四大公園等の周辺は歩いているだけで食欲がそそられるだろう。隠れた成功要因となりそうだ。


そして都との連携も欠かせない。高野区長は積極的に都へ売り込む姿勢だ。小池百合子(壬辰)都知事は、十七年に豊島・練馬(一部)を地盤とした東京十区で小選挙区を三回当選。二十一年は比例。現在は若狭勝(丙申)衆議が勝ち得ている。詰まり、都知事になる前に十年もそこに居た。


† 国際アートカルチャー都市構想 平成27年6月増刷版

撮影記事:金剛正臣