ライシ大統領就任へー外交による聖戦強調
ライシ新大統領に委嘱状を渡すハメネイ師
出席した支持者に対して手を振るライシ師
エブラヒム・ライシ第8代イラン大統領就任式典
9月10日イラン時間の正午より先の選挙で当選したセイィエド・エブラヒム・ライシ師の大統領就任式典が執り行われた。最高指導者のハメネイ師から委嘱状を受け取り。ライシ新大統領は就任に際して施政方針演説を行った。
この演説では。まず先に外交面が話題として取り上げられ、次に内政の順で話が展開された。
演説の内容
外交面
ライシ師は「アメリカの悪魔的な制裁により、イラン人の生活が不当に圧迫されている。」と述べ、「制裁の解除には手段を選ばず最大限尽力する。」とアメリカへの制裁解除を要求した。一方でイラン核合意問題に関しては重要度は低いとして「制裁の早期解除に望まない限りは合意は結ばない。」と強硬な姿勢を見せている。ライシ師はこの姿勢に対して戦争ではないが戦時と変わらない強行姿勢で臨むとし、「外交面における聖戦」を戦い抜くと表現。これを強調した。ライシ師はロウハニ時代の穏健的外交方針を茶番と呼び、本格的な外交方針の保守転換を宣言した。
内政面
「次世代に革命を引き継ぐ」事を一つのスローガンとして重視し、従来の法令の遵守を行う方針である。革命を知らない世代への革命の普及が急務で有ると語っている。さらにイスラム国家としての国家権力の拡大を上げ、法と秩序のさらなる発展を目指し、法執行能力を最大限強化する方針を述べた。
国民生活や経済に関しては理解ある国と緊密に連携し経済の立て直しと早期の制裁終了を模索するとし、「我々は不当な抑圧的権力と今まさに戦っている。外交的解決を尊重しつつも、国民にはこれら不当な権力に対する抵抗を求めている。」と発言した。
国民の期待
イラン国民におけるライシ師の期待点としてはなんといっても法学畑の彼に導かれ法務省やその影響を強く受ける各種警察組織の権力拡大に伴う治安や保安体制の改善が期待視されている。また黒いターバンを被る資格を持ったムハンマドの決闘を持ちまだ60代と若いエリート法学者が大統領職に就く事で次期最高指導者の候補を明確化し彼が大統領というポストに就くという事自体が革命以来のイスラム体制の保護という観点から大きな価値を持っていると言われている。
懸念点
現時点の各国の反応
今回の就任式には清華から祝電が贈られ、劉丹 在イラン大使や李厳敬 国務院総理が出席した。またトルコからもイラン大使が式典に参加した。日本からは建部義和総理大臣や日高進外務大臣が祝電を送り、インドネシアやメヒコといった国が祝電を送っている。一方で西側諸国には選挙制度への不満等が影響してか出席や祝電等を見送る国も多々あった。ライシ師はこれらの国に触れることは無かったが祝電や大使を先に送った清華を中心により各国との友好関係を強めていけるように努力したいと語った。対米、対イスラエル、核合意等のセンシティブな内容を除けば友好的な国家との関係維持に関しては原則実質的にはロウハニ前大統領時代の比較的寛容な外交方針を維持する見方が有力である。
今後のライシ新大統領の活動