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10月第1週目instagram紹介本

2015.10.05 02:51

先週instagramにて紹介しました本をこちらでもご紹介いたします。

まずはこちらです。

その繊細な線と可愛らしさが同居する絵が魅力的なアーサー・ガイサートの「こぶたのABC」

七匹のこぶたの兄弟が木の上に自分たちの家を作ろうと駆け回って、働いて、ちょっと休んで、遊んで、そんな様子が描かれているのですが、ひとつの絵にはAからZまでのひとつのアルファベットで始まる言葉が添えられており、その絵の中にはそのアルファベットが幾つも隠されています。

お話を楽しんで、絵を楽しんで、またアルファベットを探しても楽しめる本ですね。それにしても絵が本当に素敵です。


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「こぶたABC」アーサー・ガイサート




次は

海野弘さん監修の「おとぎ話の古書案内」です。

19世紀から20世紀中頃までの世界の瀟洒な絵本を数多く紹介している本ですが、この本の作りが優れているのは、絵本についての本として学術的になり過ぎることもなく、かといって軽い本になってしまっていることもない点だと思います。

絵本の歴史や各絵本作家についての解説も交えながらも、全編カラーのアンティーク絵本の写真は美しく、とても愉しく読んでいけます。

古くて、可愛い絵本に興味ある方には間違いなく道標となる本だと思います。


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「おとぎ話の古書案内」海野弘


ロシアの絵本作家ユーリア・グコーヴァの「不思議の国のアリス」です。1989年にはブラティスラバ世界絵本原画展での受賞もしている作家さんです。

色々とアリス本はこのInstagramでも紹介してきましたがその中でもこの、チェシャ猫の笑いの不気味さはピカイチではないでしょうか。こわいです😨

ユーリア・グコーヴァの描く世界はシュルレアリスム的な世界観で、これがアリスのお話の不気味な側面を際立たせていますね。

このアリスの挿絵によりフランスのオクトゴン賞を受賞しているようですが、賞を取るのも納得の完成された世界観ですね。可愛いアリスよりこわいアリスが良いと言う方には是非。


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「不思議の国のアリス」ユーリア・グコーヴァ


こちらはユーリア・グコーヴァの別の作品「砂糖菓子の男」です。

ギリシアの昔話を絵本にしたもので、砂糖菓子で作られた男をふたりの王女が奪い合うお話です。

ユーリア・グコーヴァの絵が、この「砂糖菓子で作られた男」という、不思議な肉感性と儚さを併せ持った存在を、とても魅力的に描いています。

お話は単純ですのでお子さまにも問題なく読み聞かせ出来ると思いますが、大人の女性が読むとなんとも言えない魅力を感じるのではないでしょうか?節制された僅かに感じる妖しい空気感が感じ取れると、この本の魅力は格段に深さを増しますね。奥深い魅力を持った不思議な作家さんです。


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「砂糖菓子の男」ユーリア・グコーヴァ


ささめやゆきさんの「椅子 しあわせの分量」です。

椅子に座る色々な人々を描きながら、人々の人生を詩のように歌うように語ってゆく、淡い味わいのある絵本です。

すべてはすぎゆき

すべては倦み

すべてはこわれる。

そしてひとつのあいた椅子に

次の誰かがまた座る。

という言葉で締めくくられているこの本はその内容からして明らかに大人向けなのですが、そういうものに限って子どもは大人よりより深く理解したりするものですから一概にそうとは言えないかもしれませんね。

ささめやゆきさんのリズム感のある絵と言葉がクセになって、何度も読み返してしまう、素敵な本です。


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椅子 幸せの分量」ささめやゆき