【凄腕インストラクター インタビュー 01】プログラム立ち上げへの想い
安全で楽しいドライビングを、映像とデータをもとにアドバイス
トヨタの交通安全センター モビリタは、富士スピードウェイの敷地内にあり、様々な安全運転実技講習を体験できる施設です。企業や個人ドライバーを対象に、安全運転への意識を向上させるプログラムを開催しています。
気軽に体験ができる「ちょこっとモビリタ」の中で人気のプログラム「走行データ計測プログラム」が、2021年秋より半日講習のコンテンツに加わります。
改めて「走行データ計測プログラム」の魅力を、プログラム創設に携わった凄腕インストラクター佐野さんに教えていただきました。
―「走行データ計測プログラム」のコンテンツを立ち上げたきっかけは?
クルマは日々進化しています。特に、電動化や自動運転の進化は目覚ましいものです。一方で、クルマを運転するドライバーのスキルは、クルマの進化の速さに追いついていないのでは・・・と思っていました。
多くの方は、自動車学校に通い卒業して免許証を取得します。免許証を取得した後、誰かに運転の仕方を教わる機会はほとんどありません。そういった現状を踏まえて、各ドライバーが自分の運転スキルをしっかりと理解したうえで、我々インストラクターのアドバイスを受けて、納得して、「改善していく」意識を持つきっかけになればと思い、「走行データ計測プログラム」を立ち上げました。
私は、運転するのが楽しくて、時間があると自分のクルマで走りにいきますが、運転する楽しさを多くの人に味わってもらいたい、そして車に乗っていただいているお客様には絶対に事故を起こして欲しくありません。少しでも運転や運転操作に対する意識が変わり、安全に快適に走っていただきたいと思っています。
「走行データ計測プログラム」は、よりクルマの特性を理解したうえで、自分の運転スキルやクセを認識し改善することで、安全意識の向上や、よりスキルの高い運転に役立ててもらうことを目的としています。
豊田章男社長が「愛車」という言葉を使っているように「クルマをもっと理解して好きになってもらいたい」という想いが根底にあって開発したプログラムです。
アドバイスさせていただくインストラクターも、トヨタのクルマを開発しているメンバーなんですよ。
―インストラクターはどんな方ですか?
インストラクターは、車両開発部門の評価ドライバーです。私も入社以来クルマの車両開発に携わっていて、社内での運転資格を持っています。この資格はクルマを正しく評価したり、安全に走行させることができる、というものです。舗装路だけでなくダート、雪道など様々な状況での運転経験も重ねています。
インストラクターの中には、日本各地のサーキットだけでなく、ドイツのニュルブルクリンク、アウトバーンといった海外での経験も豊富な評価ドライバーもいます。
―インストラクターとして大切にしていることは?
まずはクルマの構造、特性をしっかりと理解していること。あとは日常的な走行をはじめ、サーキット、雪道、ダートなど様々な路面状況を熟知していることが大切です。
経験で身に付けたノウハウを活かし、プログラムに参加いただいたお客様の運転スキルや理解力にあわせ、出てきたデータをどうやってお伝えするか、どこを捉えてどんな風にお話しすればいいのか考え、お客様にわかりやすい言葉を使ってアドバイスすることを心がけています。
クルマを安全に楽しく運転できるようになってもらいたいと思っています。