勉強を「やる気」に頼ってやってはいけないのはなぜ?ホメオスタシスの秘密
また本日も言ってしまいました。
「勉強はやる気に頼ってやっちゃだめだよ」
話の前後がないと、なんだかよくわかりませんね。説明しましょう。
たまに、何かに触発されて急にやる気になって勉強を頑張り出す子がいます。これはもちろん悪いことではありません。だけど、注意点が一つ。そのやる気はずっとは続きません。だからこそ、やる気が出た時にそのやる気に頼ったままの勉強をするのは危険です。
人間には「ホメオスタシス(恒常性)」と呼ばれる機能があります。これは簡単に言ってしまうと「元に戻ろうとする」機能のこと。
例えば、風邪を引いた時や怪我をした時に元気になろうとしたり、体温調節(暑い日に体温が上がりすぎない、寒い日に体温が下がらない)をしたり、水分が足りないなと思ったら喉を渇かしたり、お腹が減ったら空腹感を出したりするのがホメオスタシスのお仕事です。働き者なんです。
そしてこのホメオスタシスは、もちろん「やる気」にも反応します。
急激にやる気が上がると、ホメオスタシスは「おいおい、待て待て。落ち着け落ち着け」とやる気の制御を始めます。結果、急激に上がったやる気は、次の日辺りにはちゃんと落ち着いてしまうのです。
テストが返ってきた。点数がやばい!次回は頑張るぜ!本気だぜ!やったるぜー!
→朝起きたら、ちーん。頑張る気が起きない…
これはホメオスタシスが頑張ってくれたおかげなんですね。
ですから、「勉強はやる気でやってはいけない」のです。もちろん、持続的なやる気、長期的なやる気は大歓迎ですが、それはそのうち「やる気」という名前から、「慣れ」や「習慣」へと変化を遂げます。
やる気が出たら、早速そのやる気を使って、この「慣れ」や「習慣」づくりに励みましょう。
やる気が出た際に、適切な難易度の問題に取り組み成功体験を積むことで、「わかる!」「できる!」が増え、「楽しい!」や自信の種がどんどん手に入ります。するとだんだんその科目が好きになり、勉強する時にやる気が必要なくなります。そうなれば、習慣ができるのはもうすぐです。
顔を洗うことやトイレ等、日常の習慣になっていることをやるときにはそんなにパワーは使わないですよね。勉強も習慣にすると、そんなにパワーがかからずにできるようになるので、勉強がどんどん楽になります。次のステージ(難易度を上げたり新しいところ)に進みやすくなるのです。
勉強に対して折角出たやる気を、成績アップに直結しないことに使って無駄にしないように。エア勉強に割かないでくださいね。
「勉強は、習慣でやる」
これが勝利の鉄則です。ね、ホメオスタシスさん。そうすれば、今度はホメオスタシスが習慣を守ろうと、体調や気持ちをコントロールして勉強を応援してくれますよ。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
人間だから、人間の仕組みを上手く使ったほうが楽ちん。