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daiyuuki 全身当事者主義

ジョーカー アメコミ映画でアカデミー賞初受賞した衝撃作

2021.09.12 00:16

「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見て病院の慰問などして頑張っている、孤独だが心優しいアーサー(ホアキン・フェニックス)。

都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィー(ザジー・ビーツ)に秘かな好意を抱いている。

だが、ゴッサムシティでは貧富の格差が広がり、暴動や犯罪が多発しピエロの大道芸人をしていたアーサーは不良少年のリンチに度々被害に遭い、バスで会った親子に戯けて見せれば変人扱いされ、社会保障費の削減のせいでカウンセリングなどの医療サービスを打ち切られ、アーサーの母親が昔家政婦をしていたゴッサムシティ一番のセレブに手紙で助けを求めても返事はこない。

笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーは、徐々に社会に絶望していき狂気が増していく。

そんなある日いけすかない証券マンからリンチにあったのをきっかけに、アーサーは正気のタガがはずれていき狂気溢れる <悪のカリスマ> ジョーカーに変貌していく。

バットマン最大の敵ジョーカーの誕生秘話を描いた作品。


コメディアンになるためにピエロの大道芸人をやってもイジメられ嗤われ、カウンセラーの指導に従っても前向きになれず、社会保障費の削減で市民カウンセラーや医療や介護のサービスを打ち切られ、母親の介護と生活で疲れ果て、母親が家政婦をしていたゴッサムシティ一番のセレブに経済的援助を求めても知らぬふりどころかテレビのインタビューで「ピエロ」呼ばわりされ、発作的に笑いが止まらなくなる障害のせいでステージでまともにネタが出来ず、アーサーの生きがいの大道芸人の仕事を奪われて、正気を徐々に失っていったアーサーが、地下鉄で証券マンからリンチを受けたことをきっかけにタガが外れて、富裕層に不満を持つ人々に後押しされ悪のカリスマ「ジョーカー」として覚醒していく過程が、富裕層に不満を持ち暴動を起こす人々や貧困層をゴッサムシティ一番のセレブが「彼らはピエロにすぎない」とせせら笑うシーンやアーサーが社会から受ける仕打ちやジョーカーを富裕層に不満を持ち暴動を起こす人々がカリスマとして祭り上げる過程など格差社会が激化する現実の風刺を絡めつつ、社会の格差や制度の不完全さや無関心に踏みにじられる人々の怨念と狂気がジョーカーを生み出しジョーカーがあるヒーローを生み出すきっかけを作るという負の連鎖、アーサーからジョーカーに変貌する心情の変化や狂気を演じ切ったホアキン・フェニックスの鬼気迫る演技に背筋が凍るアメコミ映画の皮をかぶった社会派サイコサスペンス映画。

「狂気というのは重力みたいなものさ。たった一押しで真っ逆さまさ」

〜「ダークナイト」でのジョーカーの名言より。