迷った時の裏技
夏から秋に移行するにつれ、ご注文が「No Shoes」からインソールに移行して
きました。
寒くなれば靴を履く。
何なら普通は年中靴を履くのが普通ですものね。
私も15年以上靴に入れるインソールを作ってきた職人ですから、「No Shoes」
のフッドペッド製作から、靴に入れる普通のインソール製作に戻ってきた感じ
です。
靴に入れるインソール製作
厚み
厚すぎる→靴が窮屈になる、踵が浮く
薄すぎる→靴の中で足が動く
靴の内部形状に、インソールを合わす必要がある。
靴のドロップを考慮してインソールの設計が必須。
足が靴のアッパーに干渉する。
平べったいインソールから土踏まずなどのサポートが入ったインソールになるため
、靴との相性がシビア。
などなど、靴によってインソール形状に制限が出ることが多々あります。
ですからインソールを製作して歩いてもらわないとわからないことは多々ありま
す。
だから、インソール製作は奥が深い。
「No Shoes」のフッドペッド製作。
靴による制限がない。
厚み→クッション性、強度から選択。フッドペッドの形状には影響なし。
フッドペッド形状は足型や身体の動かし方から判断して製作。
靴による影響を排除できるのでどちらかというと素直に製作できる。
靴に入れるインソールと「No Shoes」の価格差が少ないのは、この辺りの設
計の違いが大きくあります。
材料費だけ見ると「No Shoes」の方が格段に高いですから。
そんな頭を悩ますインソール製作がこれからは多くなってきます。
週末もそんなインソール製作を多く行いました。
まずは、ボーリンングシューズ用のインソール製作。
皆さんもプレーしたことのあるであろうボーリング。
片手で重たいボールを持って、ボールを投げるときは片足に全体重を乗せます。
下半身の安定がプレーに大きく関わってくるのは想像しやすいですよね。
そんなボーリングシューズにもきっちりと製作します。
お客様は足長差もあり、靴の内部も少し特殊な形状だったため、受注時からヒ
アリングをしっかりと行い製作にかかりました。
お客様の素直な感想。
・慣れていないが、違和感も少なく特に右足は自分の足そのもの。
・踵周りの安定感は全然違う。
・左足は少し違和感があるとのこと。しかし痛みがある方の足なので、あって
もいい違和感だという説明をして、様子をみて頂きました。
慣れも必要ですが、感触としては良好なので、慣れるまでプレーしたいとのこ
とでした。
次は登山靴にインソール。
ずっと重い荷物を背負って歩き続ける登山。
そして、一番疲労が溜まってきた時におとずれるのが下り坂。
足への負担は大きく、悩まれている方は多くいられます。
今回のお客様は、指の付け根の中央部分が右だけ痛くなるお客様。
やはり歩き方にも左右差があるのでもちろん設計は左右で異なります。
左右で少しずつサポートの位置や大きさが違うのがわかると思います。
こちらのお客様の素直な感想。
・痛みもなくなり最高です。
このようにボーリングや長距離の登山といった特殊なインソールで良好な感触
を得られたのには理由があります。
それはズバリ「仮合わせ」をはさんだから。
ずるいでしょ。
ボーリングのお客様には、MKボウルで2ゲームほどプレーして頂きました。
その感触を元に微調整して納品さして頂きました。
登山のお客様はほぼ完成の状態でお渡しして、後日実際に山でテストしてもらい
そこからの完成でしたので、それは最高との評価がいただけますよね。
ボーリングのお客様は、私自身がボーリングの方への納品数が少なく、またお客様
も表面に貼る素材を決めきれなかったため、仮合わせを提案しました。
登山のお客様の場合は、靴の中での足の位置が掴みきれず、指先のサポートの位置
が決めきれなかったため、仮合わせを提案しました。
インソールは実際に履いてみないとわからないことも多くあります。
Fit Insoleではほとんどの場合、仮合わせは行っていません。
しかし、お客様が不安であったり、私自身が仮合わせが必要だと思った場合は
今回のように「仮合わせ」を行うようにしています。
私から提案する場合もありますし、お客様から言って頂いても全然大丈夫です。
手間や時間を取らしてしまうことになりますが、お付き合いいただける方はそ
のように対応しています。
足と地面の間に靴がある以上、履いてみないとわからないことも多々ありますか
らね。
1回ですぐ見分けられれば素晴らしいのでしょうが、私自身も力不足で。
ということで、私はわからないことはわからないと言います。
ですが、わからないなりに色々と提案さしていただきます。
インソールのフィッティングに自信が持てない時の裏技。
素直に言って協力してもらう。
これしかない‼︎