はとバスの珍車シリーズ③ いすゞ・ガーラHD
はとバスに全長12m級の観光バスが初めて導入されたのは1976年でした。全高が標準タイプのバスが6台(三菱ふそう5台、いすゞ1台)導入されましたが、翌1977年からは全高がハイデッカータイプの全長12m級のバスの本格導入が始まりました。それ以降、はとバスの大型観光バスは12m級が基本となりましたが、1984年には8年振りに全長が11m級の大型観光バスが7台導入されました。しかし、翌1985年からは再び全車12m級のバスが導入され、1988年からは更に全車が背の高いスーパーハイデッカーとなりました。このような状況の中、1998年には再びハイデッカー車が4台導入されました。はとバスにとっては10年振りのハイデッカー車で、更に14年振りの全長11m級のバスでした。
1970年代後半からは高速道路も整備され、観光バスによる長距離旅行が増え始めました。長時間バスに乗車するので、居住性・走行性を重視した12m級の観光バスが徐々に主役となりました。しかし、高速道路を利用して遠くまで行っても、いざ一般道路に降りると走行環境が良いとは言い難いケースも珍しくありませんでした。今では考えづらいのですが、安房峠の様に12m級の観光バスでは通行が極めて困難な道路が数多くありました。従って、一定の台数の11m級観光バスを保有する観光バス会社も珍しくありませんでした。
はとバスも一定の割合で11m級観光バスを保有していましたが、1998年を最後に、それ以降は全車12m級の観光バスを導入しています。道路も整備され、狭隘区間も12m級観光バスで運行されるようになりましたが、国産メーカーも遂に2010年までに観光バスは全車12m級に統一してしまいました。
「ニュースケルトン」と命名され、1998年に導入されたいすゞKC-LV781N1は、12m級が主流であった当時としては珍しいバスでしたが、はとバスのスーパーハイデッカーと同等の装備で、充実した内装と優れた機動力を活かし、大活躍をしました。
写真①
1998年に4台導入されたいすゞ・ガーラHD。型式はいすゞKL-LV781N1で、「ニュースケルトン」のニックネームで大活躍しました。
写真②
はとバスが1976年に初めて導入した全長12m級の観光バス。三菱MS513Rで、富士重工のボディを架装していました。
写真③
当時のはとバスの貸切バスラインアップ。「ニュースケルトン」(右から2台目)は充実した装備と優れた機動力を両立させた大型観光バスとして大活躍しました。