Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

恐怖政治13-ロベスピエール処刑

2021.09.15 08:43

ロベスピエールは、「自由・平等・博愛」の原理主義者と言ってもよい。彼の信念では、革命はこの「徳性」を持った新しい人間によって達成されるのである。そのために苛烈に敵を滅ぼしてきた。しかし内外の敵が一応駆逐された段階で、まだ革命を前に進める必要があるのか、ロベスピエールの粛正予告ととられた。

7月27日にはもうロベスピエール派の粛正の陰謀が決まっていた。最初のサン・ジュストの演説は遮られ、ロベスピエールの演説はヤジられ、言葉に詰まると「ダントンの血がつかえているんだ!」と言った。サン・ジュストは罪なくして王になれないと言ったが、その同じ論理が返されたわけだ。

ロベスピエールらは、国民公会の動議で、公民権の枠外にすることが決議された。彼らがやってきたことを平等にやったわけである。外には国民衛兵が待機していたが、皆国家の敵と呼ばれることを恐れた。ロベスピエールらは深夜逃げ込んだ市庁舎で逮捕された。

翌1794年7月28日、その他と同じように簡単な裁判が行われ、ロベスピエールらの死刑が確定した。ルイ16世やアントワネットと同じように、革命広場でギロチンで処刑された。この「テルミドール9日のクーデター」で、フランス革命は終わった。しかしフランスの迷走は続く。