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名曲喫茶ネルケンに行った。

2021.09.17 02:22

昨日は新しく買ったキャップを被って出掛けた。

すっぽり被るというより、軽く頭に乗せるくらいが良さそう。

おどるさんから戴いたマニキュアを塗った。

薄ピンク色で、つやつやしてかわいい。

お客様から戴いたリラックマのブレスレットは、ここの所出掛ける際に毎回付けている。

ゴム製のテグスでスポッとはめられるパワーストーンブレスと違って、きちんと金具がついている。

結婚式くらいでしかこういった類いの付け外しをしてこなかったので、最初はかなり苦労した。

すんなりブレスレットを付けたり外したりする自分の所作に女性らしさを感じ、その度、おおー、と思う。

淳という名前もあって、小さい頃から男と間違えられることが多かったし、そもそも男が欲しかったという親の話などもあり、私の性別感はすこし歪んでいるのかもしれない。

ランドセルは青色を欲しがったし、中学生になった時、制服のスカートがとても嫌だった。

もしかするといわゆるトランスジェンダーに分類されるのかもしれないが、厳密に突き詰めた事がないし、主張したいという程の欲求もない。

誇示するべく主張とか、アイデンティティーみたいなものをもつのが、昔から苦手だ。

なるべく柔軟であるために、枠や名称でまとめあげることは避けていたい。



新高円寺寄りにあるラーメン屋、タロー軒の横を通ったら、カップルがラーメンを食べていた。

あんなどんぶりいっぱいの麺類を、こんな小柄な女の子がたいらげるのか。

別のテーブルでは、仕事着のままラーメンをすする中年男性。

見ているだけでお腹がいっぱいになりそうだ。

食券の販売機を見て、この中で今の私が食べられるのは100円のわかめくらいではないだろうかと思った。

思っただけだし、100円も払ってトッピングのわかめを食べたいとは思わない。

食欲は引き続き湧いて来ず、こうなったらいっそのことどこまでいけるかやってみようという心持ちになった。

ひと思いに崖から飛び降りるのではなく、じわじわ首をしめてゆき、どこまで耐えられるのかを試す。

そういう心持ちもないわけでは無いが、負へ全振りしているわけでもない。

せっかくならストレッチも取り入れて、変貌への着実な一歩にしていければと思っている。

現存する自己を滅するという意味では、自害も変貌も同じことだろう。

後者の方が、圧倒的に選択肢は多くある。

人の決意というのは、大きければ大きいほどひっくり返り易いし、何より時間と共に薄れたり崩れたりしていく。

だから小さな決意を毎日ひとにぎり繋いでみようと思った。

根本的に執念深く根に持つタイプの私なので、日々じわじわと己に罪を与えてゆくというのは、相応しい手法なのでは。

果たして、いつまで続くのか。

無理して食べてないんじゃないし吐くなんて勿論していない。

ただ単にお腹いっぱいになっちゃうからで、料理もするし、量食べられない分品数を増やして栄養を取ろうともしているし、基本的には健全な域と思う。

脂肪は増えすぎると食欲を増幅させる作用があるというが、体重が落ちてから殊更、空腹に強くなった実感がある。

残念なのは、外食ができないところ。

しばらくひとりラムしゃぶはおあずけだ。

朝昼晩のストレッチを朝晩にして、片方は負荷の多いメニューにしてみた。

あまり詰め込みすぎると続かないし、ゆるゆるやろう。

目指せ、シスターポールのススムさん。

目標は高めに設定しておくものなのである。


中野まで足を伸ばし、買い物をして高円寺へ戻る。

以前から気になっていた、名曲喫茶ネルケンへ行った。

前を通ることはあったが、入店したのは初めて。

クラシックのコンサートに行きたいなと調べてみたが、このご時世で公演がなかなかない上に、有名な奏者や楽団だと、チケットが恐ろしく高い。

S席がうちの家賃くらいで、ビビる。

パッと調べて買うというのはちょっと、ということで名曲喫茶を調べた。

名曲喫茶とは、クラシック音楽を聴くための喫茶店である。

ジャズ喫茶のクラシック版というのが分かりやすいだろうか。

音響含め、質の良い音楽と時間を過ごせる場所だ。

ジャズ喫茶はバーのようにお酒を呑むイメージが強いが、名曲喫茶は純喫茶に近いイメージ。

渋谷のライオンには2回程行った事があるが、それ以外の名曲喫茶は全然知らなかった。

検索してみると、意外にも中央線沿いに多数あるとわかった。

東京の良さってこういうところだなあと改めて思う。

ライブハウスも、展覧会も、欲しいものは東京に行けば間違いない。


実家の横浜に居る頃、当時大好きだったアメリカのアニメ『サウスパーク』のグッズが欲しくてたまらなかった。

調べれば、大概が東京のお店。

行けないこともないが、当時中学生の私には金銭的にもなかなか難しかった。

友人達と池袋に同人誌を買いに通ったこともあったが、往復3時間程かかってすごく疲れた。

竹下通りも素敵だが、やはり遠かった。

ライブは熱情の方が勝って、なんのこれしき!と通っていたが、打ち上げを終電で切り上げ帰らなくてはならない運命を毎回呪った。

帰りの東横線でひとり号泣。

絶対トーキョーに住んでやる、と思っていた。

19やそこらでなんとなく転がり出てきたので、きちんとした引越しや転居の手続きをしなかったのもあり、東京に住めたという達成感は特に無かった。

泥酔して歌舞伎町の路上を這いずる度に、なんというか心にしっくりときて、ここが収まるべき鞘であったのだな、とぼんやり思ったりした。

そんな事を思い出した。

名曲喫茶が選べて当たり前の生活に気付いて、改めて私は今恵まれた環境にいるのだなと感じた。

横浜はいちいちおしゃれすぎるから、私は東京の方が好きだ。


ネルケンは、高円寺を南下したSEIYUの並びにある。

私が泥酔して、よく酒を追加購入するSEIYUである。

鬱蒼と茂る植物が印象的な店構え。

扉を引いて入ると、早速クラシック音楽が聴こえてきた。

ライオン程ではないが、人の話し声には被るかなという音量で、厚みのある音色が流れており、店内は絵画や年季の入った家具などがそれらしい雰囲気を醸し出している。

席は小分けに、対面にならないような配置になっていて、机の横には、衝立代わりなのか私の腕程の太さの木が3本刺してあって、いい具合に目隠しになってくれた。

音楽に浸り、ひとりの時間を味わうにはとてもよい、配慮ある店内。

夕方だったが、思いの外お客さんがたくさんいた。

女性の店主さんがおひとりで切り盛りなさっているようで、忙しそうにドリンクを作っていらした。

お声掛けするのが悪いような気がして、とりあえず空いている席に腰掛ける。

しばらく経って、

「ごめんなさいねえ、おまたせしてしまいまして。」

お店にぴったりな、高くてやわらかで優しい声。

とんでもないですと返し、持ってきて下さったメニューの中からブランデーコーヒーを選んで注文した。

店主さんの手書きと思われるメニュー表には、コーヒーが"コーヒ"と書かれていて、小さい頃、祖母が送ってくれた絵手紙の文章を思い出した。

名曲喫茶は音楽を味わう場所であるので、お店によってはおしゃべりや携帯電話禁止であったりもする。

ネットで調べたところ、ネルケンはそこまで厳しくないようだった。

それでも、やはりスマホをぽちぽちやりながら名曲喫茶というのは違うような気がして、白い紙とボールペンをリュックに入れてきた。

机の上にそのふたつを出して置いてみる。

何となく手持ち無沙汰であることと、それっぽいことをしようとしている人と見られるのは嫌だなあと思っていたが、席のつくりがその気持ちを和らげてくれた。

しばらくして注文のコーヒーが運ばれてきた。

ミルク入れの中に少量のブランデーが入っており、好みで入れて飲むよう。

冷めないうちにと全量入れた瞬間に、しまった、コーヒーそのものの味をみてからにするんだったと慌てたが、時は既に遅し。

ブランデーの効果か、通常のコーヒーよりも酸味が増して感じられた。

ごく少量なので、アルコールは感じない。

お砂糖を入れようか悩んだが、ここはそのまま飲むことに。

味も香りも、深みがあって美味しい。

前の席の女性が文庫本を読んでいて、私も読みかけの本を持ってきたらよかったなあと思った。

とりあえず、持ってきた紙に言葉を書き出してゆく。

途中、二度程音楽が止まって静かになった。

店主さんが新しいレコードに入れ替えると、再び音楽が流れ始める。

1時間とすこし、のんびりと過ごした。

A4の紙は一面文字で埋まったし、半袖で来て少し冷えてしまったので、会計をしてお店を出た。

「ありがとうございました。」

と丁寧なお言葉とともにお見送りして下さった。

ネットの口コミでは皆揃って店主さんのことをマダムと書き表していたが、まさしくマダムと称するに相応しい方だった。

とても良い時間を過ごせました。



今月の食費が、現時点で3642円。

ダムダム団のリハーサルと飲食1回分より低い。

節制作戦は、節約にも良いのではないか。

じみちゃんに、

「じゅんじゅんちゃんと食べてる?これから冬がくるんだよ!?冬を越さなくちゃだよ!?」

と言われた。

たしかに。

キャイさんも一気に20キロくらい痩せてからすごく風邪を引き易くなったと言っていたし、最近体温の低さを感じている。

冬が本格化するまでに、筋量を増やしておきたい。

ストレッチと運動を毎日がんばるぞ。

今夜はビール好きな女の日。

今日はなにを唄おうか。

無力無善寺にて、お待ちしております。