再現
こんばんは。
暮らし、味わう。
民藝と発酵をモノサシに
食を通して暮らしの豊かさを提案する
古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ
本日は臨時休業日!
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
今はないですが、サラリーマン時代に飲み過
ぎた翌日のお昼にカレーが食べたくなるとい
うことがありました。カレーに含まれる香辛
料が成分的にそうさせるのか、香りがそうさ
せるのか?
よく食レポなどでタレントさんが、匂いや味
をテレビの向こうの皆さんにお届け出来ない
のが残念です、みたい言葉を発したりします
が、3日ほど前の日経新聞で、で味やにおいの
成分をデータに変換して再現する技術開発が
進んでいて、そう遠くない未来に実現しそう
だという記事を読みました。
詳しくはこちらをご覧頂きたいのですが、
味についてはセンサーで分析して、五味であ
る、甘味、酸味、苦味、塩味、うま味の5つ
に分け味を数値化し、電気信号に変換し、微
弱な電波を棒状の機器に流しその機器を舌に
当てることで味を感じるということのよう。
においについてもセンサーで測定したものを
電気信号に変換するして「再現」するそうです。
こういった技術も使いよう、使われようだと
思います。たとえば何らかの理由で嗅覚や味
覚に障害がある方のサポートになるのなら素
晴らしいと思いますが、本物そっくりの偽物
を再現するために使われたりするとなんだか
なぁという感じがします。
記事の中にも識者の「味や香り自体を伝送
し、再現することは可能だが、食事の再現と
いう意味ではまだ初期段階だ」という指摘が
あり、より実体験に近い形で再現するには、
複数の感覚を組み合わせる技術の開発も必要
になるとまとめていますが、食の体験はその
五感全てだけでなく、誰とどこで食べるかと
いうシチュエーションとかも大事だったりす
るわけで全てをデータだったり電気信号で
再現することは出来ないでしょうし、する
必要もないと思うのです。
京大総長で霊長類学者の山極先生が、
人間の五感のうち、視覚・聴覚が科学技術で拡大され仮想空間で情報が共有されるようになった。残りの味覚、触覚、嗅覚がヒトが関係を築くのに大きな役割を果たしている。ヒトは一人では生きられない、つながりを求める生き物、自分と他者が世界を共有して生きるのがヒトだ。
情報を共有しているから分かり合えるというのは思い込みだが、完全には分からないからこそ、五感を使って分かり合おうとするのがヒトだ。
ということを述べてらっしゃるのを以前紹介
しましたが、こういった技術で人間同士が関
係性を築けたり、わかり合えたりするかと言
えば、僕にはそうは思えません。
うちの奥さん(テマヒマ店主)とこの話をしてたのですが、情報や技術を得ることで、例えば
想像力など大切な能力を失ったり、減ったり
ということもあるような気がしますね。
昨日のランチは味噌ベジキーマカレーの日で
店内とてもいい香りがしていて、通りに面し
てればその匂いに呼ばれてお客様がいらっし
ゃるということもあるかもしれませんが、奥
まった立地ゆえそんかことも無くとてもお客
様の少ない日でした。おかげ様で明日からの
蔵出し市の準備を早めに始めることが出来ました。。。
今日もほぼ一日ああでもないこうでもないと
色々試行錯誤しましたが一応準備整いました
。明日11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しております。
それでは、好い夜をお過ごし下さい。