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薬効と用途

2018.09.17 02:34

https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003382.php 【ミカンRutaceae

サンショウ】より

別名 ハジカミ,アツカワザンショウ,イボザンショウ

英名 Japanese pepper

中国名 No Information

花期 4~5月

生薬名 ①山椒(サンショウ)【局】

薬用部位 ①果皮,②葉

成分 モノテルペン((±)-limonene, citronellal),辛味成分(α-sanshool)

化学構造式

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サンショウ 化学構造式1サンショウ 化学構造式2サンショウ 化学構造式3

産地と分布 北海道から九州,および朝鮮,中国に分布する.

植物解説

落葉低木.変異が多い.樹高3 m.枝には対生するトゲが見られる.葉は互生し,奇数羽状複葉で小葉は11~19個,長さ1~3.5 cmで広披針形か卵形.雌雄異株で,緑黄色花を多数,円錐状の集散花序に付ける.

薬効と用途

健胃,整腸,駆風(腹のガスを除く),止痛,駆虫などの作用があり,食欲不振,胃下垂,消化不良,回虫駆除などに用いる.山椒の芳香と辛味の刺激が内臓を活性化する.漢方処方では,大建中湯,当帰湯などに配合されている.出来物の吸出しには葉の汁をガーゼに浸して患部に当てる.うるしかぶれや水虫には葉の煎液や葉の汁を揉んで患部に塗る.

葉や果実は食用にもなり,幹はすりこ木の材料になる.


https://horti.jp/8745 【山椒(サンショウ)の実の効能とは?種類や花言葉はあるの?】より

監修専門家| 和ハーブ協会 理事長 古谷暢基

国際補完医療大学(WHO およびユニセフ指定学府 I.O.U.C.M)日本校学長。 博士(医学) (一社)和ハーブ協会理事長 日本ダイエット健康協会代表理事 日本ルーシ...

山椒の実には独特な風味があります。葉をそのまま彩りとして添えたり、果皮を粉にしてうなぎの蒲焼きに振りかけたり、七味唐辛子の薬味に使われることでも知られる植物です。「山椒は小粒でもピリリと辛い」ということわざをご存知の方も多いのではないでしょうか?ただ、花や木の姿はあまり知られていません。

今回は、そんな山椒の実の効果や花言葉、種類についてご紹介します。

山椒(サンショウ)の学名・原産国・英語

学名 Zanthoxylum piperitum  科・属名 ミカン科・サンショウ属  英名 Japanese pepper

原産地 日本 開花期 4~5月 花の色 黄、黄緑 別名 ハジカミ(椒)

山椒(サンショウ)とは?どんな花や実をつける植物?

サンショウ 実 山椒 効能 効果

サンショウ(山椒)は、日本から朝鮮半島、中国に分布する落葉低木です。雌雄異株で、樹高は2~5mほどに生長し、枝にはトゲがあり対生します。

4~5月に黄緑色の5mmほどの小さな花を咲かせ、花が咲いたあと、雌株だけに球形の青緑色の果実をつけます。その後9~10月頃に赤褐色に熟すと裂開して、黒い種子が飛び出ます。

サンショウは花や芽、若葉、蕾、果実が食用され、舌が痺れるような辛味と、柑橘のようにさわやかでスパイシーな香りが特徴です。

名前の由来は?

サンショウ(山椒)の「椒」の字には芳しいという意味があり、「山にある香り高い植物」から和名が付けられました。別名の「ハジカミ」は、古くから辛いものに対して使われる言葉で、ショウガのことを指す場合もあります。またサンショウの若葉を「木の芽(キノメ)」と呼ぶ地域もあります。

学名の「Zanthoxylum」にはギリシャ語で「黄色い木材」、「piperitum」には「コショウのような」という意味があります。

山椒(サンショウ)の実の効果や栄養は?毒もみ(根流し、毒流し)に使われた?

サンショウの実には、タンパク質や炭水化物、ビタミンB1やB2、その他カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄などのミネラル類が含まれています。葉や果実にはシトロネラール、リモネン、ゲラニオールなどの精油が含まれており、これらがサンショウ特有のさわやかな香りを特徴づける成分です。

またサンショオールやサンショアミドなどの辛味成分は、大脳を刺激し、内臓器官の働きを活発にさせる作用があるとされ、胃腸の働きが弱くなった消化不良、腹の冷え、腹部のガスの停滞やそれに伴う腹痛に効果があります。

山椒を使った「毒もみ(根流し、毒流し)」

サンショウに含まれるサンショオールは、魚にとって麻痺効果のある毒性成分です。

かつてはサンショウの木の皮などを臼でついて細かくしたものを、木灰とあわせて川の中に入れて流し、魚をしびれさせて漁をする「毒もみ」という漁法に使われていました。現在では、水産資源保護法によってこの漁法は禁止されています。

山椒(サンショウ)の種類や品種は?

主な種類

イヌザンショウ(犬山椒):Zanthoxylum schinifolium

サンショウ同様に日本各地の山野に自生しますが、果実や葉、幹に特有の臭いがあり食用には向きません。サンショウに比べて小葉が細長く、開花期も7~8月頃と遅く、トゲが互生するのが特徴です。接ぎ木苗の台木として使われます。

カラスザンショウ(烏山椒):Zanthoxylum ailanthoides

明るい場所にまっ先に育つパイオニアプランツのひとつで樹高は6~8m、大きいものは15mほどに生長する高木です。葉や果実に独特の強い臭気があり食用には向きません。葉軸や枝、幹にトゲがあります。

ヒレザンショウ(鰭山椒):Zanthoxylum beecheyanum var. alatum

本州南部~沖縄に見られる常緑低木です。葉はツヤがあり先端が丸いのが特徴で、互生し、薬用になります。葉や果実には柑橘のような爽やかな香りがあります。

カホクザンショウ(華北山椒):Zanthoxylum bungeanum

中国原産で、中国に広く分布しています。「ホアジャオ(花椒)」と呼ばれる果実には強い辛味と風味があり、特に四川料理のしびれるような辛味のもととなっています。ミックススパイス「五香粉」や、薬用にも使われています。

主な栽培品種

アサクラザンショウ(朝倉山椒)

トゲのない品種で雄雌株に分かれておらず、1本で果実を付けることができます。果実は、大粒で香りがよく、果皮から種子を簡単にはがせることが特徴で、主に生果で流通利用されます。兵庫県(旧・養父郡)養父市八鹿町朝倉が原産とされ、ほか各地にも分布が見られます。

ブドウザンショウ(葡萄山椒)

アサクラザンショウを親とする品種です。樹高は低く、小さなトゲがあります。大粒の果実をたたわにつけることが特徴です。果実を乾燥させてうなぎなどにふりかける香辛料や生薬として使われます。

山椒(サンショウ)の花言葉、由来は?

『健康』『魅惑』『好意』

「健康」という花言葉は、お正月に飲む「お屠蘇(おとそ)」に山椒が使われることに由来し、お屠蘇は1年の邪気を払い、身体を蘇らせるために、無病長寿を願って飲まれる風習にちなんでつけられたといわれています。

「魅惑」は、食欲のないときでも、山椒の花や実がもつ独特な香りにひきつけられることからきているといわれています。

山椒(サンショウ)の木を栽培して、実を味わい尽くそう

山椒 サンショウ

画像提供: 一般社団法人 和ハーブ教会(『和ハーブ図鑑』200頁)

サンショウの若葉は「木の芽」と呼ばれ、和食料理の彩りに欠かせない食材です。苦味が少なく香りや食感の良い「花山椒」も珍重されており、雄木の開花前のつぼみを摘みとって利用します。そのほか、太い幹や枝は、すりこぎの材として使われてきました。

このようにサンショウの木は葉・花・果実と、まるごと食に利用でき、美容や健康の機能性にも優れていることが魅力です。ぜひ、山椒の木をおうちで栽培してみてくださいね。


https://www.tenpo.biz/tentsu/consumer/cate_health/2019-05-09-100000 【山椒と花椒の健康効果・効能。しびれる辛さは毒?薬?クセになる辛さの秘密!】より

山椒(さんしょう)・花椒(かしょう/ホワジャオ)・花山椒(はなざんしょう)の違いと効果・効能とは。山椒の葉、花、実の特徴と食べ方、樹皮を佃煮した辛皮なども紹介。生薬や漢方薬として使用されてきた山椒・花椒のサンショオールの整腸作用や内臓粘膜強化も、食べ過ぎると下痢などの症状を起こすことも。おすすめの山椒、花椒と麻辣味(マーラーあじ)の調味料を紹介します。

「辛いの好きですか?」「激辛好きですか?」と聞きますけど、辛いものってたくさんあります。唐辛子、ハバネロ、ジョロキア、山葵わさび、からしと、さまざまで皆さん得意不得意があるのではないでしょうか。また、辛いものは身体に良くないのでは?という疑問やカプサイシンは基礎代謝向上に良いなど、さまざまな話を聞きます。

そんな辛いものの中でも、縄文時代にも使用されていたという、痺しびれる辛さの「山椒さんしょう」があります。有名ラーメン店「鬼金棒きかんぼう」さんも『辛くてシビれる』を省略した表現「カラシビ」を商標登録したり、4月11日の日本経済新聞では「花椒ホワジャオ」の2018年の市場規模は1億円、この4年で需要が2倍に上昇したと報じたり、パクチーに続く食材ともいわれています。今回は、痺れる辛さ「山椒」についてご紹介します。

「山椒」と「花椒」の違いとは?

山椒の別名は「ハジカミ」、英名では「japanese pepper」 や、「Japanese prickly ash」と言います。「ミカン科・サンショウ属」の落葉樹の雌雄異株しゆういしゅで、雄株と雌株があり、実がなるのは雌株だけです。雄雌の見分け方は黄色い花粉の雄しべがあるのが雄株、丸い雌しべがあるのが雌株で、花が咲くまでどちらかはわかりません。

ただし、雌雄同株しゆうどうしゅの品種「朝倉山椒あさくらさんしょう」は、トゲも少なく一本でも実がなるため、一般家庭でも栽培しやすいといわれています。この朝倉山椒は400年以上前に徳川家康に「薬」として献上されていたという記録が残されています。

花椒(ホワジャオ/かしょう)とは?

花椒(ホワジャオ/かしょう)

花椒ホワジャオとは? 山椒、花山椒との違いは、紛らわしいですが、中国の華北山椒カホクザンショウの実で、花山椒とは別物。日本では「かしょう」とも読まれ、四川山椒・中国山椒・中華山椒などとも呼ばれています。

日本の山椒と同じ「ミカン科・サンショウ属」ですが、山椒よりも痺しびれる辛さと強い香りが特徴で、坦々麺や麻婆豆腐などに使われています。

花椒の痺れる辛さ:麻味(まみ / マーウェイ)と、唐辛子のヒリヒリする辛さ:辣味(らつみ / ラーウェイ)による「辛くて痺れる味」が2019年のトレンドと噂される、「麻辣味マーラーあじ」。食品メーカー各社からは麻辣味の調味料やスナック菓子、ラーメンやインスタント食品が開発され、外食業界でも麻辣味のさまざまな新商品が提供されています。

(略)

山椒の雄花

花山椒

山椒は5月ごろに数日間だけ花が咲きます。この花をいただくのが「花山椒」です。雌株は実を作るため、主に雄株の花を収穫します。

収穫できる期間が短く希少ですが、山椒の独特の辛みと爽やかな香りと清涼感あふれる味わいが魅力。佃煮によく使われますが、そのまま薬味にしたり、酢の物や汁物にしたりします。お肉と一緒にしゃぶしゃぶにするというぜいたくな食べ方もあるそうです。

山椒の実

実山椒

初夏になると、雌花が「青山椒」とも呼ばれる青い実に変化します。この時期は実も種も柔らかいので、そのまま水煮にすると「実山椒」になります。

実山椒は、密封して冷凍したり、塩漬け(使う時に塩抜きして使用)にすると、風味を損なわずに保存できます。実山椒を醤油に漬けた「山椒醤油」を調味に使ったり、ちりめんじゃこと炊いた「ちりめん山椒」や「実山椒の佃煮」でご飯のお供に使われます。

粉山椒

秋になって成熟すると「赤山椒」とも呼ばれる赤い実になります。さらに完熟すると実が割れて「割山椒」となり、黒い種が出てきます。種を取り除き、硬く乾燥した果皮をミルやすり鉢などすり潰して「粉山椒」にします。

卓上スパイスで、うなぎに振り掛けるイメージが強い「粉山椒」ですが、さまざまな料理に使用されています。粉山椒の辛みや風味は抜けやすいので、使用する際にスパイスミルなどで粉末にすると良いです。

山椒の木のすりこぎ

山椒の樹皮

山椒の若い枝の硬い皮を剥いだあと、薄皮を細かく刻んで佃煮にしたものを「辛皮(からかわ / からか)」といいます。実の数倍辛いといわれ、強く痺れる辛さが珍味とされています。

また、昔から山椒の木の固さと殺菌・解毒作用から、すりこぎは山椒の木の枝から作られています。

山椒・花椒は体に良い?悪い? 山椒・花椒の健康効果・効能

種類がたくさんあり市場も成長している山椒ですが、そもそも体に良いのでしょうか。

山椒の樹皮および果皮は、昔から生薬として使われてきました。実に含まれるサンショオールという成分が、整腸作用や内臓粘膜強化に。また辛み成分からの発汗作用による代謝の改善、そして脳の活性化も図れるそうです。

民間療法では、8月下旬頃に採取した果皮を乾燥させて粉末にしたものを食後に服用したり、焼酎やウォッカなどの蒸留酒に漬けてサンショウ酒として飲用されています。

また、花椒の中の黒い種子は「椒目ショウモク」と呼ばれ、苦みがありますが、水分を排出する働きにより、むくみ改善、利尿作用、鎮咳効果があるとされ、20~30分煎じたものを飲用します。

漢方では「花椒」は蜀椒ショクショウとも呼ばれ、大建中湯ダイケンチュウトウ、烏梅丸ウバイガンなどに使われています。健胃けんい、利尿、駆虫、殺虫、抗菌、抗真菌、局所麻痺、鎮咳チンガイ作用があるとされ、食欲不振、消化不良、胃炎など胃腸の不調、むくみ、咳に効果があるとされています。

山椒に含まれる毒と人体への影響

痺れる原因であるキサントキシンは、麻痺まひ成分が含まれた痙攣毒けいれんどくで、魚類に強い痙攣を起こさせますが、動物に対する毒性は弱いといわれています。

人間には、よほどの量を摂取しなければ影響はないとされますが、過剰摂取は控えたいですね。また、先ほどのサンショオールの整腸作用も、食べ過ぎれば下痢などの症状が引き起こされることがありますので、何事も適量で楽しむのがいいのでしょう。

(略)