[2017. 2. 13]UNICEFラウィヤ氏による発表の要旨「シリア危機における人道状況及びそれへの対応概念」
2017.03.13 14:21
2017年2月11日に東京にて実施されたシンポジウム「シリア危機への実効的アプローチに向けて」において、UNICEF中東・北アフリカ地域事務所の緊急事態専門官であるラウィヤ氏の発表の要旨を公開します。
(*シンポジウムの報告についてはこちら)
シリア危機における人道状況及びそれへの対応概念
ラウィヤ・アッタウィール
本レクチャーでは、6年に及ぶ戦争を経たシリア国民の現下の人道状況を概観した。この戦争により、数十万のシリア人が家を負われ、シリア国内のより安全な場所、ないしはトルコ、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノンといった隣国、さらには地中海をわたるという危険を冒して欧州へと避難することを余儀なくされた。
また、シリア国民のニーズに応えるために行われている人道面での対応についても解説。これは、国連によって導入された各セクターの規則に従って行われているもので、これらのセクターのほとんどにおいて大手のINGOとの連携が行われている。シリア国内の避難民や被災者への対応の性格や視点は、近隣諸国の難民、ないしは欧州などへの移民への対応と当然異なっている。
特に、危機に苛まれた過去数年間でシリアの児童を苛んできた苦難についても着目する。ほとんどの児童は戦時下の暮らし以外の生活を知らず、UNICEFがこうした児童に対して行っているいくつかの人道的な対応について解説した。