ダイバーシティが社会を変える
なぜ、女性の活躍が必要なのか、明確に説明しろと言われたらスラスラと答えられる人はどのくらいいるでしょうか。
男性と女性では生物学的に作りが違うのに、役割が違って当然ではないのか?それでも求める男女平等のカタチとはいったいどんなものなのか?
この根本的な問いに対する答えは早いうちに明記しておきたい、と思ったので、今日はこのテーマで書いてみます。
APU学長の出口治明さんによれば、日本経済がかつての勢いを失っている要因は、この30年で世界を牽引する新しい産業を生み出せなかったことにある、それは産業の構造がイノベーションを生む構造になっていないから、とのこと。そしてこれが肝心、イノベーションを生む土壌はダイバーシティの中からしか生まれない、といいます。
そう、ダイバーシティ!
女性を含む多様な働き方を受容する考え方が、これからの日本の経済成長には不可欠だ、と出口さんは明言されているのです。
男性主体で作られた商品やサービスではこぼれ落ちてしまうものであっても、多様な立場のひとびとであれば拾い上げることができる視点、というのがあります。
さまざまな立場の人が集うことでイノベーションが生まれ、イノベーションが生まれることでより良い商品・サービスが生まれるのであれば、これまで何らかの理由で働くことを制限せざるを得なかった人たちこそ、社会で活躍するチャンスがあります。
これは、性差に基づく役割を求めてきたこれまでの社会の在り方とは、逆をいく考え方です。だから、生物学的にカラダの構造が違うことも「女性は家庭に」の理由にはなりません。むしろ「だから社会で意見を」ですよね。そして、それを支える社会全体の在り方の変化がやはり望まれます。
経済成長のためのダイバーシティ。子どもたちにより良い未来を残したい私たちとしては、スッと入ってくる理由ではないでしょうか。私たちには、まだまだ活躍の場があります。
参考:出口治明「自分の頭で考える日本の論点」(幻冬舎新書)