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一号館一○一教室

日本のランドセルと中国の「書包」

2021.09.19 15:09

                                黄 文葦

21年前、筆者は日本に上陸したばかり際、日本の小学生が同じ赤いランドセルを背負うことを新鮮に覚えた。まさに、ランドセルは日本の「文化」と「慣習」になっていると思う。でも、「なぜ日本で小学校入学となるとランドセルですか」「なぜ、小学6年間同じカバンを続けて使うのですか」とも思った。 

 中国では、学生のカバンを「書包」だと言う。つまり、本を入れるカバン、勉強のための鞄である。昔の「書包」は軍隊の兵士が使うようなグラスグリーンのキャンバス地のバッグであった。昔の「書包」は軽かったのが、その後「書包」は、だんだんと重くなってきて、学生の負担が重くなってきたと言える。 中国小学生の「書包」には問題視されているのは中身のことだ。

毎日、勉強する授業と内容が多すぎるので、重すぎるカバンを背負う小学生がかわいそうだという声が上がっていた。専門家によると、小学生の鞄の重さは体重の10%に過ぎないようにしたほうがいい。現在、親たちがよく子供の鞄の重さを注意するようになっている。 

 日本のランドセルはほとんど日本製だが、中国の小学生が色々と国内と海外の「書包」を使う。小学生の「書包」がさまざまな形のものがあって、しかもカラフルだ。 在日中国人の友人が、中国にいる親戚の子供のために日本製のランドセルを買ったことがあるのが、その子供は「日本のランドセルはうまく使えない。やはり柔らかい鞄がほしい。大きいけど、入れられるものが少ない」と言っていた。友人は、やはり、日中の「書包」文化が相違だと悟られたらしい。 

 ランドセルの外観はとても洗練されたデザインだと言える。しかし、小学生の荷物の形状がバラバラの場合、柔らかいリュックの方が収納しやすいではないか。 言うまでもなく、ランドセルは高級品である。ランドセルのブランドが少なくない。6年間使い続ける前提として作られている。激安のものなら1万円台からあるのが、高いものでは10万円以上するランドセルもある。しかも、ランドセルの相場は上昇傾向。普通の金額帯は40000~60000円が最も多い。小学生には必ずしも高級品を使う必要がないけれど… 

中国では、男の子は学期に1回、女の子は1年に1回、「書包」を変える人がかなりいるはず。日本の合成皮革や本革で作られる箱型のランドセルは、高耐久だ。しかし、ランドセルの品質は6年間保証であっても、子供の体は6年間著しく成長するだろう。そういう意味でも、鞄を変わったほうがいい。1年生時の体と6年生時の体は当然大きく違うのに、なぜ同じランドセルを使い続ける必要があるのか。 日本のランドセル文化を変えられないだろうか。子供にもそれぞれの好みがある。毎日持参の鞄は自分の勉強道具の一つ、自分で選んだらいいではないか。学校で特別な指定がない限りは、自由に選択して良いではないか。 

 ランドセルは固くて丈夫な反面、融通の効かない面も見られる。ランドセルから一種の同調圧力が見えるかもしれない。小学生に好きな「書包」を選んでもらうことで、子どもたちの豊かな個性を育むことに繋がるかもしれない。