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エスペラントのこと

イシガ・オサム と 柳宗悦

2021.09.19 23:48

『柳宗悦全集, 著作編. 第21巻: 書簡』( 筑摩書房, 1989.7-11)に、「石賀修」宛の書簡が4通収録されており(上巻に2通、中巻に2通、下巻に宛名索引あり)、この二人に交流があったことがわかる。(柳宗悦については、Wikipedia等参照ください)


昭和8年1月18日(通し番号:862)

「・・・「工藝」木喰號を悦しんで頂き編纂する者の身になれば出し甲斐を感じます。・・・」


昭和8年5月2日(915)

「東上中不在失禮致しました、別便上人傳お届け致します、・・・」


昭和13年9月10日(1339)

「・・・お問い合わせの和紙の件、左記で取扱っております・・・」


昭和13年12月15日(1361)

「御近業一部御恵贈に預かり感謝に堪えません・・・」


 この「御近業」は、スウェーデンの作家セルマ・ラーゲルレーヴの作品をエスペラント訳からローマ字に重訳した『Betulehemu no Osanago』(昭和13年11月刊)のことで間違いない。あとは推測でしかないが、柳宗悦が和装本で出していた機関紙『工藝』と同じ和紙を使いたい、と問い合わせたと思われる。『Betulehemu no Osanago』は原作者ラーゲルレーヴに献上する目的でもあったため、紙にもこだわったのだろうか。