HGAC レオス レビュー
2021.09.22 03:10
今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードアフターコロニー より、
“HGAC レオス” です。
“新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー GーUNIT” より、
OZプライズのエース、星屑の三騎士(スターダストナイツ)のリーダー格、ロッシェ・ナトゥーノが駆るリーオーのカスタム機、
“OZー06MSーSS1 レオス(LEOーS)” が、
プレミアムバンダイ限定のHGACで発売されました。
プレバン限定で展開さえているGーUNITのHGシリーズ。
てっきり旧シリーズでも発売されているガンダムタイプばかりになるだろうと思っていたら、まさかのレオス発売ですよ。
まぁ、原型機のリーオーがHG化されているとはいえ、見ためにはかなり変わっていますし、そもそも知名度もほとんどない(それを言うならGーUNIT自体ww)機体ですから、今回のHG化・・というか初キット化には驚きを隠せませんでした。
しかもジェミナス1号機、2号機と同様にパッケージと説明書はフルカラー。
なんだこの気合いの入れようは?
主人公機のジェミナスがカラーパッケージになるのは、けっこう大々的にシリーズスタートを宣伝したてまえ、わからなくはない。
2号機までカラーになったので、お、けっこうやる気だな、と思いましたが、さすがにレオスなんかは普通にいつもの二色刷パッケージ、説明書も機体解説のない黒一色刷りになるものとばかり・・
こうなるともう、GーUNIT関連は少なくともMS本体のキットはすべてフルカラー仕様になるのではないかな。
そこそこの役職によほどのGUNIT好きが入るんでしょうか?(笑)
レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールのみでの仕上げです。
まず先にも言ったパッケージを。
なにこのイケメンMS。
本当にリーオー?
OZの量産型MS、リーオーをベースに総合性能が引き上げられたカスタム機。
まず目につくのが両肩から背面を覆うように纏う巨大なマント。
デフューザーマントと呼ばれるもので、ただの装飾的なオプションではなく、遠距離ビーム攻撃を防ぐ防御装備となっています。
キットではうねった造形のプラパーツで再現。
両肩と背中で3分割され、それぞれ可動するようになっていますが、
もちろん本来は繋がった1枚のマントなので、ちょっと見せ方には工夫が要りますかね。
後ろから見るとこの通り、ほぼ全身を覆うボリュームがあります。
なんか、こっちが正面を言われてもあまり違和感ないかも。
もちろんマントは取り外すことも可能です。
というわけで取り外した状態。
原型機のリーオーからは外装の多くが変更されています。
もちろんそれらの部分はキットでも新規造形され、星屑の三騎士の名に相応しい中世の騎士を彷彿とさせる胸部の装飾などもパーツ分割で色分けされています。
基キットから流用されている外装パーツは腕部(上腕から前腕)と太腿、腰部前面パーツのみ。
しかし、頭部を除くシルエットは原型機から大きく離れたものではなく、三騎士の機体のなかではもっともリーオーの面影を残しているとも言えます。
ほかの2機は、機動性重視でかなり細身になり、女性的な外見になったレオールに、パワー、防御重視で極端に大柄になったレオンですからね。
むしろマントがなければレオスが一番地味かもしれません。
まぁ、機体色は真っ赤なので一番派手ではありますが。
頭部は長いトサカの生えた兜を被っているようなデザインに変更。
フェイス部分はトールギスⅢに似たバイザータイプになっています。
このアップ画像だけだと、とても基がリーオーだとは思えませんね。イケメン。
しかし、外装およびバイザー、マスクを取り外すと、
そこにはリーオーヘッドが。
MGのトールギス系キットでも盛り込まれていた仕様ですね。HGでもちゃんと取り入れてくれて嬉しい。
なお、バイザーには表面に貼るシールも用意されているのですが、せっかくのクリアグリーン成型なので、今回は貼らずにおきました。
貼らなくても本来の目であるリーオーカメラ用のシールおかげである程度光って見えますからね。
バイザーとマスクを付けずに外装だけ被せることもできます。
背面。
背中の中央にはマントを取り付けるための3㎜穴があるのですが、原型機と共通のカバーパーツで蓋ができます。
腰部リアアーマーもトールギスと類似のものに換装されているので、そのぶん機動性も向上しているのだと思われます。
というか、もはやリーオーというよりもトールギスに近い機体なんだろうな。
ここからさらにトールギスには・・結局ほとんどパーツ新造しなきゃダメか。
また、背中、そして太腿のハードポイントはそのまま活かすことができるので、リーオー用の各種オプションを取り付けることも可能です。
宇宙用パックや、
飛行パックも。
ただ、太腿のブースターはサイドアーマーやリアアーマーと干渉します。
肩アーマーのビラビラ(?)はすべて独立して可動します。
そしてこの部分の組み立て工程がまた、さすがバンダイと唸らせるものになっているので紹介しておきましょう。
まず、5枚のビラビラは太いフレーム状のランナーで繋がった1パーツとして成型されています。
この状態のまま、中央部分を上下からパーツで挟んで固定。
それからフレームをカットし、ビラビラを1枚ずつ切り離す、という流れになります。
MGのザクVer.2.0の動力パイプなどと同じように、組み立てやすさを考慮した設計になっているんですね。
また、基キットのリーオーではFine Buildと銘打った簡易構造が取り入れられていましたが、今回のレオスでは肩や肘、膝の構造はそのまま流用されているものの、体幹部分などの構造は新造されており、可動性と保持力の向上が図られています。
胸部および腹部については新たに内部フレームが組み込まれ、
前後、
左右に可動範囲が拡大。
腰部も股関節の下方向へのスイング可動が追加されています。
ちなみに、サイドアーマーのジョイント部分には基キットの足首関節パーツが流用されています。
これは意外な再利用。
足もフレーム部分が少し引き出せるようになったほか、足首関節に左右スイングが追加されて接地性も増しています。
付属武器
ビームデュエルサーベル
大型のビーム刃を生成できる専用のビーム斬撃武器。
円形の鍔を持つデバイスのデザインは、やはり中世騎士が使うサーベルようで、ギャンの大型ビームサーベルを彷彿とさせます。
ただ、ビーム刃は平面的な造形になっています。
サイドアーマーへのマウントは別パーツで再現されるのですが、
鍔のサイズとか全然違うんですがこれは?
あと、おそらく本来は1本のみ装備(マウント位置は左腰)しているものだと思うのですが、キットではランナー都合でマウント用含め2本ずつ付属します。
で、そのランナー都合というのも、ちょっと首を傾げるところなのですが、それについてはまたのちほど。
ビームマスケット
これも中世に存在したマスケット銃をモチーフにデザインされた専用のビーム射撃武器。
よいデザインですね。
グリップの装飾部分にはシールを貼っていますが、もちろん立体的に造形されています。
保持には専用の持ち手を使用。ただし、例によって右手しか付属しません。
本体のどこかにマウントすることもできません。
武装はこの2種だけと非常にシンプル。
なお、久々にがっつり大量の余剰の出るキットだったので、ランナーから切り出していない状態でご覧いただきたいと思います。
まずは基キットから流用されているAランナー(左)とBランナー(右)。
外装パーツが主なAランナーでは先にも言ったように腕や太腿くらいしか使わないので大量のパーツが余ります。
関節フレームなどが含まれるBランナーでは、余剰は少なめです。
なお、Cランナーは新規のものに変更されているため、今回のキットだけでは真っ赤なリーオーを組むことはできません。
そして新規造形されたCランナーは多色成型で同じものが2枚入っているのですが、うち1枚は半分近いパーツが余剰になります。
あれ? でもこれ、青い線から左の部分は省けたんじゃないの?
右側でも必要とされて切りとっているのはビームデュエルサーベルのパーツだけで、それは先に言ったように本来は1つでよかったもののはず。
実はランナーの名称はCではなくC1。
実際にスイッチも入っているので青い線で分割できるはずなんです。
で、必要な左の部分だけでC2ランナーとするつもりだったのだろうと思うのですが・・
面倒臭くなったのかな?
いやまぁ、サービスというならべつにかまわないんですが、本来省くぶんのパーツも入れて、そのぶんもこっそり価格に反映させているとしたら・・ちょっとモヤッとしますよね。
確かめようもないことですけどね。
さて、ランナー都合とは・・?
積んでたリーオー フルウエポンセットから、足りないパーツを補って8割ほど赤いリーオーを組んでみました。
意外に悪くない。
赤の色味と配置はジョニー・ライデン機っぽいですね。世界戦が違いますけど。
比較画像
原型機のリーオー(一般カラー)と。
マントとトサカのせいでパッと見はまったく別の機体のように見えますが、本体部分の形状は大きく変わっていません。
ただし、脛が長くなり、頭部もトサカが生えたぶん、全高はレオスがかなり高くなっています。
ガンダムジェミナス01と。
機体のコンセプトがまったく違う・・もはや世界観が違うのかと思えるほど(笑)。
ちなみに、レオスのパイロットであるロッシェは仲間の裏切りに遭ってレオスを失い、それまで敵対していたMOーⅤ(主人個側)に身を寄せます。
のちにジェミナス01の改修機であるガンダムLOブースターに登場し、01の元パイロットであり、ガンダムグリープに乗り換えた主人公、アディン・バーネットとはよき相棒になっていく・・という、典型的なライバルキャラムーブを見せてくれます。
以下、画像
よくも悪くもマントに影響されるポージング。素材としては文句なく格好いい(あくまで個人的な嗜好ですが)のですが、ポージングのセンスがかなり問われるキットですね・・
正直、魅力を引き出せているかはわからない。
ともあれ、マント装備状態ではとくに背部のマントが支えになってくれるので、自立はさせやすいです。
立て膝も。
膝着いてませんけどね・・
こちらは左右のマントで支えている状態。
スタンドは股下、中央より少し後方にずれた位置にあります。
両肩のマントはボリュームに比例してけっこうな重さがあります。
当然腕部・・肩のジョイント部に負荷がかかるのですが、その部分の構造は元キットから変わっていません。
つまりはKPS素材同士のボールジョイント接続。
はい。一瞬でへたりましたよ(泣)。
もともと個体差があって、一方はかなり緩かったのですが、武器を持たせた状態で腕部、そしてマントとそれぞれ跳ね上げて(上画像のような状態)手を離すと、腕が下がるどころか抜け落ちましたわ。
最初に組んだときは右手がそんな感じで緩かったので、ひとまず左右を入れ換えました。普通にしているぶんには抜けたりはしなかったので。
こちらの画像の場合は、左肩のマントの端を背中のマントに乗せてギリギリ支えられているような状態ですね。
胸部魔るっと新造してるんだから、ここは絶対負荷のかかるところだし、せめて軸接続に変更してほしかったですね。
太腿は抜けにくい構造に改良されてたのに・・