Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

腸内フローラをもっと知ろう

2018.09.20 07:15

https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/aboutchoflora/ 【腸内フローラをもっと知ろう】

『腸内フローラ』とは

私たちの腸内には、多種多様な細菌が生息しており、その数なんと、1,000種100兆個。

特に小腸から大腸にかけて生息しており、これらの様々な細菌がバランスをとりながら腸内環境を良い状態にしている。

顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「お花畑([英] flora)」のようにみえることから、『腸内フローラ』と呼ばれるようになりました。

①『腸内フローラ』は健康に関わる、3つの役割を担っています。

②消化できない食べ物を身体に良い栄養物質へ作り変える

③腸内の免疫細胞を活性化し、病原菌などから身体を守る(腸のバリア機能向上)

「腸内フローラのバランス」を保ち、健康を維持する

健康へ導く「腸内フローラのバランス」ですが、実は腸内細菌の種類が関係しています。

『腸内細菌』の分類

「腸内細菌」は、大きく3つに分類されます。

腸内細菌

体に良い働きをする『善玉菌』

代表的なのは、ビフィズス菌や乳酸菌のフェーカリス菌やアシドフィルス菌など。悪玉菌の侵入や増殖を防いだり、腸の運動を促すことによって、お腹の調子を整えます。

腸内細菌

体に悪い働きをする『悪玉菌』

ウェルシュ菌などが、腸内で有害物質をつくり出します。脂質や動物性たんぱく質を好み、悪玉菌が増えると、便秘や下痢などお腹の調子が悪くなることもあります。

腸内細菌

どちらにも属さない『日和見菌(ひよりみきん)』

腸内の善玉菌・悪玉菌の、優勢な(多い)方に味方します。

健康な腸内では、乳酸菌のような善玉菌が悪玉菌の定着・増殖を抑えています。

また善玉菌には、有害物質を体外に排出するのを助ける作用もあります。

何らかの原因で、腸内の悪玉菌が優勢に(多く)なると、悪玉菌がつくりだす有害物質も増え、便秘や下痢、肌荒れやアレルギーなどを引き起こすことがあります。

悪玉菌より善玉菌が多い『腸内フローラ』に整えることが健康への第一歩となります。

最近よく聞く「腸活」は、『腸内フローラ』を整え、維持する活動のことなんです。

話題の言葉「脳腸相関」を知っていますか?

(ヒトにとってとても大切な器官である)脳と腸が、自律神経やホルモンなどを通してお互いに密な関係であることを示した言葉です。

例えば極度に緊張したとき、お腹が痛くなることがありますが、これはストレスを感じた脳が自律神経を通して腸にも影響を与えているからです。

今では「脳と腸」だけでなく、「脳と腸と腸内細菌」の相互関係が、さまざまな分野で注目されはじめています。

太りやすい、痩せやすい体質は「腸内細菌」が決める!?

ワシントン大学の研究によると、同じ食事や生活習慣でも太りやすい体質、痩せやすい体質の人がいるのには、腸内フローラが関わっているといわれています。

腸内細菌には「デブ菌」と「やせ菌」があり、太ったマウスのデブ菌を痩せたマウスに

移植すると、痩せたマウスも太りやすくなったという実験結果が発表され、大きな話題となりました。

腸内フローラのバランスは崩れやすい

『腸内フローラ』のバランスが崩れる要因

『腸内フローラ』のバランスは、体調・食生活・年齢・ストレス・抗生物質などの薬の服用…といった、様々な要因によって日々変化します。

食事

もともと日本人は野菜や穀類中心の食生活で、善玉菌にとって良い環境でした。

肉類中心の食生活に変わると、脂質や動物性たんぱく質を好む悪玉菌が増え、健康な『腸内フローラ』を保ちにくくなります。

加齢

赤ちゃんの『腸内フローラ』はビフィズス菌などの善玉菌がいっぱい。成長するにつれて腸内は変化し、善玉菌と悪玉菌のバランスのとれた『腸内フローラ』になります。

しかし、老年期に入るとビフィズス菌が減り、ウェルシュ菌などの悪玉菌が急激に増加。中にはビフィズス菌が1%しかないというケースもあります。

このように腸内環境の変化は、老化や生活習慣病と関係していると考えられているのです。

抗生物質などの薬

抗生物質は、病原菌だけでなく、他の害のない菌まで排除することがあります。その結果、腸内の善玉菌が減って腸内環境が乱れることに。

抗生物質を使う場合には、合わせて善玉菌を摂ることや『整腸剤』が大切です。

ストレス

腸には消化管の機能を調整する複雑な神経系があることが知られています。腸と神経は密接な関係にあるため、精神的なストレスによって腸内環境が乱れ、下痢や便秘といった症状を起こしやすくなるのです。

特に、慢性的な下痢や便秘のうち、過敏性腸症候群(IBS)はストレスが大きく関係しています。

腸内フローラ』のバランスが崩れると…

『腸内フローラ』のバランスが崩れる(腸内の悪玉菌が増える)と、悪玉菌がつくりだす有害物質も増え、便秘や下痢、肌荒れやアレルギー、慢性的な身体の不調など、さまざまな悪影響が表れてしまいます。

そこで、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を優勢に(多く)する、つまり良い『腸内フローラ』を保つことが、若々しく健康的な毎日を過ごすためにとても重要になってきます。

理想的な『腸内フローラ』

良好なバランス×多様性

ダメージを受けた細菌があってもそれをサポートできる、多種多様な細菌が共生している状態。

善玉菌が優勢な(多い)環境が理想的です。

『腸内フローラ』は加齢などのさまざまな要因によって日々変化しています。

さらに『腸内フローラ』を整えるには2週間ほど同じ菌を摂り続けた方がいいという説などもあり、一朝一夕の改善策ではなく、「腸活」というように継続的に取り組む必要があります。

無理のない、自分に合ったライフスタイルで、理想的な『腸内フローラ』を目指しましょう。

腸内フローラを整える方法!腸活!

毎日の食生活で『腸内フローラ』を整える

肉類や魚介類、卵、乳製品などに含まれている動物性たんぱく質や脂質の多い食事に偏ってしまうと、悪玉菌が増える原因になります。

でも、その悪玉菌を増やす食品を摂らない・・・というのは難しいですし、厳しい制限は食事の楽しみを半減させてしまいます。

腸内に多くの種類の菌が存在する「多様性」というのも、整った『腸内フローラ』の重要なポイントの1つ。

いろいろな食品を楽しんで食べることは、腸内細菌の多様性を高めるため『腸内フローラ』にも良い影響をもたらします。

また、『腸内フローラ』を整える(=腸活)ために大切なのは、善玉菌を増やすものを積極的に摂ることです。

そして、食生活の面でもバランスのいい食事を摂り、適度に運動することで、肥満防止にも気をつけておきましょう。

善玉菌を含むもの×善玉菌のエサとなるものを一緒に摂る

理想的な『腸内フローラ』に整えるには、善玉菌を摂るのが良いといわれています。

また、善玉菌のエサとなるものと合わせて摂ることで、より効果を期待できます。

身体に良い善玉菌を含むものをプロバイオティクス、その善玉菌の栄養源となるものをプレバイオティクス、そして両方を合わせて摂ることをシンバイオティクスと呼びます。

善玉菌とエサをセットで摂ることで、より効果的に『腸内フローラ』を整え、健康を促進するといわれています。皆さんの「腸活」がよりよいものになりそうですね。

発酵食品

乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。継続的に食べるとより効果的だとされています。※塩分が多い食品もあるのでご注意ください。

<例>

ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズ

整腸剤

さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が凝縮されており、効果的に『腸内フローラ』を整えます。『腸内フローラ』を整え、便秘や軟便を改善します。

「腸内フローラを整える整腸剤とは」

食物繊維とオリゴ糖

善玉菌のエサとなる「食物繊維」と「オリゴ糖」で、腸内で菌数を増やす助けになります。食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」があり、どちらも便秘改善など腸にうれしい効果が期待できます。

便をやわらかくしたい場合は「水溶性」、便の量を増やすことで腸を動かしたい場合は「不溶性」が効果的です。善玉菌の増殖に特に効果的なのは、「水溶性」の食物繊維です。

<例> 水溶性食物繊維を多く含む食品

野菜類(ごぼう、にんじん、芽キャベツ、おくら、ブロッコリー、ほうれん草)

豆類(納豆) いも類(さといも、こんにゃく) 海藻・きのこ類  果物

<例> オリゴ糖を多く含む食品

野菜類(玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス)

果物(バナナ) 豆類(大豆)

無理せず、腸活を続けるポイント

3食ともにバランスよく…が理想ではありますが、あまり厳しく義務化してしまうとそれがストレスになり、『腸内フローラ』に悪影響を与えてしまうことも。

さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が含まれている整腸剤が、無理なく『腸内フローラ』を整え、便秘や軟便を改善します。

自律神経の乱れを整える

自律神経には、活動しているときに活発な「交感神経」とリラックスを司る「副交感神経」があり、身体のリズムを保ってくれています。

実は、腸の働きをコントロールしているのも、自律神経。交感神経と副交感神経がそれぞれ優勢になることによって、腸の弛緩・収縮が行われるため、自律神経のバランスが乱れると腸の動きも乱れ、便秘になったり、お腹をこわしてしまう可能性があります。

ヒトは活発に活動している時間が長いと、交感神経が優勢になりやすいうえ、加齢とともに副交感神経の働きが低下するという研究報告も見られます。

副交感神経を優勢にするためには、しっかり休息すること、リフレッシュのために適度な運動をすることなどが助けになります。

解消

睡眠不足の解消

眠っている間は、副交感神経が優勢になるため、睡眠不足になると自律神経の乱れに直結し、腸の動きも乱れがちに。

交感神経の影響が強くなると、寝つきが悪くなったり睡眠の質が低下するという悪循環に陥ってしまうことも。睡眠時間を長くとるだけでなく、就寝前からリラックスを意識しておいたり、お気に入りの寝具などで心地よく眠れる状態をつくっておくことも効果的です。

解消

疲れ・ストレスの解消

自律神経を乱れさせる原因には、体と心の疲労も大きく関わっています。

スマートフォンの見過ぎによる眼精疲労、働きすぎ、ストレスなどによる精神的な疲労は不眠などにもつながり、自律神経に悪影響を及ぼします。ストレスを発散する方法を探したり、深呼吸をしたり。全身の力を抜いてリラックスできる休息時間を意識的につくりましょう。

腸内フローラを整える整腸剤とは?

『整腸剤』って?

『整腸剤』は、おなかの調子を整える薬です。『整腸薬』ともいいます。

善玉菌がしっかりと働き、乱れた『腸内フローラ』を整えることで、軟便にも、便秘にも効果を発揮します。

整腸剤はドラッグストアやスーパー・コンビニなど、市販で買えるものが多いですが、病院で処方されることもあります。便秘薬と勘違いされる方も多いのですが、便秘薬は腸を刺激し便通を促進するものが多いのに対し、整腸剤は『腸内フローラ』を正常な状態に改善し、自然に近いお通じに導きます。

薬に頼らなくても食生活を徹底すれば大丈夫!と、あまりに厳しく義務化食生活を送ってしまうと、それがストレスになり『腸内フローラ』に悪影響を与えてしまうことも。

さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が含まれている整腸剤が、無理なく『腸内フローラ』を整え、便秘や軟便を改善します。

どんな善玉菌を選ぶのがいいの?

代表的な善玉菌として挙げられるのは『乳酸菌』や『ビフィズス菌』ですが、それぞれ違った特徴があります。

善玉菌

乳酸菌とは

主に小腸にすみつき、炭水化物などの糖を消費して、主に乳酸をつくります。

乳酸菌の種類は多種多様で、腸内にすむ細菌のバランスを整えることにより、健康に役立っています。

善玉菌

ビフィズス菌とは

赤ちゃんの『腸内フローラ』はビフィズス菌などの善玉菌がいっぱい。成長するにつれて腸内は変化し、善玉菌と悪玉菌のバランスのとれた『腸内フローラ』になります。

しかし、老年期に入るとビフィズス菌が減り、ウェルシュ菌などの悪玉菌が急激に増加。中にはビフィズス菌が1%しかないというケースもあります。

このように腸内環境の変化は、老化や生活習慣病と関係していると考えられているのです。

作り出された乳酸や酢酸には、悪玉菌の増殖を抑制したり(防いだり)、腸の運動を正常にして軟便や便秘などを改善する整腸作用があります。

整腸剤を選ぶ時には、小腸と大腸の両方を整える成分のものを選ぶことで、幅広く『腸内フローラ』を整えることができます。

また、乳酸菌は由来によって、特徴が異なります。動物由来や植物由来などもさまざまな種類がありますが、特にヒト由来の乳酸菌は人の腸にすんでいるのと同じ種類なので、人との相性が良いのが特長です。

「乳酸菌の可能性」

自分に合った菌探し

腸内細菌の種類や数は、食事や生活習慣、人種、年齢などによって異なるため、『腸内フローラ』も人それぞれ。 『腸内フローラ』を整えるには短くて2週間、長くて1年程かかると言われています。本格的に「腸活」を始める前にまずは2週間ほど同じ菌を摂り続けて、自分に合った菌かどうか確かめてみてください。

自分に合った菌と出会えたとき、調子がいいと感じる毎日につながるかもしれません。

腸内フローラと腸管免疫の関係

私たちの体には、外から⼊ってきた病原菌などを排除するシステムが備わっています。そのシステムのひとつに「腸管免疫」というものがあり、腸内フローラと重要な関わりを持っていることが最近の研究でわかってきています。その⼀部をご紹介しましょう。

免疫機能の70%は腸に集まっている!

通常、感染源となるウイルスや病原菌などは⼝や⿐から体内へ侵⼊するため、腸までの消化管は常に外敵の脅威にさらされています。この外敵から体を守るために、腸には免疫細胞の約70%が集まっており「腸管免疫」と呼ばれています。

外敵の多くは胃酸によって死滅しますが、それでも死なない病原菌などは⼩腸に到達し、腸壁にある「パイエル板」に取り込まれます。

パイエル板の中には、樹状細胞、T 細胞、B 細胞など、主要な免疫細胞が集まっており、侵⼊してきたものがヒトの体にとって悪いものと判断した場合、抗体「免疫グロブリンA(IgA)」という免疫物質を出して退治します。

①腸壁から免疫グロブリンA(IgA)という免疫物質が出る。

②パイエル板が、体に入ってきたものを良いものか悪いものか判断し、悪いものの時は、他の免疫組織に排除を命じる。

つまり⼩腸が活発に働くと、必要な栄養を吸収し体⼒をつけるだけではなく、パイエル板などの腸管免疫が、病原菌から体を守ってくれるのです。

腸内フローラが腸管免疫をサポート

感染に負けない体を作るためには、⼩腸から⼤腸にかけて⽣息している腸内細菌の存在にも注⽬です。

ヒトの体は約40 兆個の細胞からできていますが、腸内細菌の数はそれよりも多い100 兆個ともいわれ、それらが腸内フローラを形成しています。

腸内細菌は善⽟菌、⽇和⾒菌、悪⽟菌に分けられますが、ただその数を競い合って縄張り争いをしているだけではありません。免疫細胞のトレーニング相⼿になる役割も担っています。

最近の研究によると、腸内細菌の存在があるからこそ、⼈体にとって有害で攻撃すべき敵の特徴を学習できるといわれています。

腸内フローラを整えて腸管バリア機能をUP!

⼤腸内で⽣活しているビフィズス菌などは、ヒトの消化酵素では消化・吸収されない⾷物繊維などをエサとして⾷べ、酢酸や乳酸といった「短鎖脂肪酸」を産⽣します。

短鎖脂肪酸の主な4つの働き

① 腸壁を刺激して排便を促す  ② 善⽟菌を増やしてバランスを保つ

③ 免疫細胞を活性化する ④ 悪⽟菌の増殖や働きを抑制する

腸壁から血管や細胞に侵入しようとする腸内細菌と戦うことで、病原菌が入ってきたときのトレーニングをしている。

健康的な⽣活を送るためには、腸管免疫の働きを低下させないよう腸内フローラのバランスを整え、腸管バリア機能をUP することが⼤切です。腸活や、バランスの良い⾷事、適度な運動を⼼がけて、善⽟菌いっぱいの腸内フローラを⽬指しましょう!

監修/⼭⼝トキコ先⽣

マリーゴールドクリニック院⻑。東京⼥⼦医科⼤学⼤学院修了後、社会保険中央総合病院、⼤腸肛⾨病センターを経て、2000 年に東京・⾚坂にクリニックを開業。⽇本⼤腸肛⾨病学会専⾨医、⽇本臨床肛⾨病学会技能認定医。⽇本初の⼥性肛⾨科専⾨医として厚い信頼を得ている。