Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ウィルス

2018.09.20 14:37

https://minamiyoko3734.amebaownd.com/posts/13879869  【ウィルスと共に翌なき春を生く】

https://minamiyoko3734.amebaownd.com/posts/21238616?categoryIds=4691307 【『ウイルスは存在しない!』】


https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_607.html 【驚異のメッセージカプセル「エクソソーム」】より

更新日2021年6月15日 人体(NHKスペシャル)

臓器同士が"メッセージ物質"を使ったやりとりをしていることがわかってきましたが、近年注目されているのが「エクソソーム」と呼ばれる"メッセージ物質"です。従来のものと異なる「ある特徴」があり、それを活かした治療などへの応用研究が進んでいます。

エクソソームの解明

エクソソームとは細胞が出すカプセル状の物質です。電子顕微鏡で拡大してみると、突起がついた丸い玉の形をしています。大きさはわずか1万分の1ミリしかありません。このエクソソーム、体の中のあらゆる細胞が出しています。血液中に含まれるエクソソームの数から計算すると、私たちの体の中にはエクソソームが100兆個以上流れていると考えられています。

さらに、エクソソームにはある特徴があります。それはその中に様々な"メッセージ物質"が詰まっていることです。その一つが、マイクロRNAという遺伝物質。マイクロRNAはDNAの仲間で、遺伝子の働きを制御することが知られています。もともと細胞の中にだけ存在していると考えられてきましたが、今から11年前にスウェーデン人の科学者ヤン・ロトバルさんがエクソソームの中に含まれていることを発見しました。それ以来、エクソソームの働きを解明する研究が世界中で行われています。

エクソソームの病気との関連性

現在解明されてきているのが、エクソソームと病気の関連性です。体の中の細胞は常にエクソソームを分泌していますが、病気になるとその分泌量は増えるといわれています。

そのひとつががんです。がんはこれまでサイトカインなど様々な"メッセージ物質"を出していることが研究されてきましたが、がん細胞はエクソソームも出していることが確認されています。たとえば、がんが他の臓器へ広がる「転移」。この転移に、がん細胞が出すエクソソームが大きく関係していることが明らかになってきました。そのひとつが卵巣がんの腹膜への転移です。

女性の子宮の奥にある卵巣は親指くらいの大きさしかなく、がんができても痛みがなく気が付きにくいがんです。その結果、内臓表面を覆い保護している腹膜に転移するケースが知られています。がんは腹膜に一旦転移すれば、腹膜内のあちこちに広がる「播種(はしゅ)」と呼ばれる状態が起きます。がんが腹膜に広がってしまうと、治療する範囲が広がり治療は困難になってしまいます。

しかし、本来腹膜の表面には、突起物がびっしりと敷き詰められ、がん細胞など異物の侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。そのため、どうやって腹膜へと転移するのか謎に包まれていました。ところが、卵巣がんが放出したエクソソームが腹膜へと付着し、腹膜を作っている細胞の中へ侵入。すると、エクソソームの中に入った"メッセージ物質"が相手に届きます。そのメッセージはいわば「あなたの役割はもう終わり」という、死のメッセージ。すると、腹膜の表面の細胞が死滅しはじめるのです。こうしたやりとりが何度も繰り返されるうち腹膜の表面にクレーターのような大きな穴が生まれ、そこに卵巣がんの細胞が付着。がん細胞はその穴から腹膜に入り込み、難なく増殖を繰り返していくといいます。

エクソソームはがんのほかに、認知症や神経難病といった病気とも関連があることが明らかになっています。

CG 腹膜がもつ突起物に近づいていくエクソソーム。卵巣がんからの腹膜転移がどのようにおこるのかを国立がん研センター研究所の落谷孝広さんらのグループが報告している。

健康を支えているエクソソーム

一方、エクソソームは病気の原因となっているだけでなく、私たちの健康を支えるための重要な役割を果たしていることも知られています。たとえば、受精です。実は卵子は膜の表面にエクソソームを分泌しています。本来、このエクソソームは膜の老化を防ぐための役割があるのですが、これが精子が卵子の中へ入っていくときの鍵のような働きをしています。実験では卵子の表面にエクソソームがない卵子の場合、精子は中へ入ることができず受精できませんでした。将来、不妊治療などへの応用が期待されています。

さらに、肌の老化との関連性も指摘されています。フランスの大手化粧品会社では肌の細胞同士がエクソソームのやりとりをしていることを明らかにしました。肌を構成するケラチノサイトと呼ばれる細胞は、紫外線を浴びると、エクソソームを分泌します。すると、それをもうひとつの細胞メラノサイトが受け取り、今度はメラニンという物質を分泌します。このメラニン、肌を紫外線から守ることがわかっていますが、それがしみやそばかすの原因となってしまうのです。

そこで、メカニズムを解明した化粧品会社はこの仕組みと関係する、様々な成分を分析。それをもとにした化粧品も開発しています。

CG カプセル状のエクソソームの膜は、細胞がもつ細胞膜と同じような物質でできている。そのため、簡単に細胞内に入り、中に含まれるマイクロRNAなどの物質を使って遺伝子の働きを変更することができる。


https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/siyaku-blog/019837.html 【2019年07月 ライフサイエンス 連載【連載】エクソソームと生命現象「第 6 回 エクソソームとウイルス」】より

本記事は、和光純薬時報 Vol.87 No.3(2019年7月号)において、東海大学総合医学研究所造血腫瘍分野 東海大学医学部血液・腫瘍内科 柿崎 正敏様、幸谷 愛様に執筆いただいたものです。

はじめに

ウイルス感染症は有史以前から存在していたが、病原体としてウイルスが認識されるようになったのは、1898年に口蹄疫ウイルスが発見されてからである。ヒトの病気に関わるウイルスは数百種類とされており、日常でよく遭遇する呼吸器や消化器などの急性感染症から、AIDSやB型・C型肝炎、子宮頸がんなど慢性疾患としての経過をたどる感染症まで多種多様である。近年、ウイルスの生存戦略にウイルスと同様に細胞外小胞(Extracellular vesicles: EVs)に属するエクソソームが関与していることが報告され注目を集めている。

本稿では、ウイルス感染細胞から放出されるエクソソームがウイルス性疾患に関連する報告を紹介し、さらに、我々が研究対象とするB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus: HBV)感染細胞由来エクソソームの機能について概説する。

エクソソームの分泌

エクソソームは、後期エンドソームである多胞性エンドソーム(Multi vesicular body: MVB)中に出芽している腔内膜小胞(intraluminal vesicles: ILVs)と呼ばれる~100 µm程度の様々なサイズからなる小胞由来であると考えられている1)。ILVsの形成にはESCRT (endosomal sorting complex required for transport) と呼ばれるタンパク質複合体が関与している。MVBが細胞膜と融合し、エクソソームは細胞外に分泌される。

ウイルスの出芽

ウイルスの出芽には、細胞膜から直接出芽する経路やMVB経由で出芽する経路など、いくつかの経路が存在している。レトロウイルス、フラビウイルス、ラブドウイルスやパラミクソウイルスなどの多くのエンベロープを持つRNAウイルスは細胞膜からの出芽を円滑に進めるためにESCRT複合体およびESCRT関連タンパク質と相互作用することが報告されている2)。また、HBVやE型肝炎ウイルス (Hepatitis E virus: HEV) もESCRT複合体およびESCRT関連タンパク質と相互作用し、MVB経由で放出されることが報告されている2, 3)。

以上のことから、ウイルスはESCRT機構をハイジャックすることで出芽を円滑に進めていると考えられる。

ウイルス感染細胞由来エクソソームの機能

出芽以外にも、ウイルスはESCRT機構をハイジャックすることで、エクソソームにウイルスゲノムやウイルス関連タンパク質などを輸送させることが知られており、エクソソームをウイルスの生存に有利に利用していると考えられている。

実際に、HIV感染細胞由来のエクソソームには、HIVウイルスタンパク質の一つであるNefが内包されていることがわかっており、Nefを内包するエクソソームを取り込んだ細胞はHIVに対する感受性が亢進する4, 5)。また、EBV陽性のB細胞リンパ腫由来のエクソソームには、EBVがコードするmiRNAを内包することがわかっており、このエクソソームを取り込んだマクロファージは腫瘍随伴マクロファージ様の性質変化を引き起こし、腫瘍細胞の増殖を促す6)。

上記の様に現在までに様々なウイルス感染細胞由来のエクソソームの機能解析が進んできている。以下の項目では、我々が研究を進めているHBV感染細胞由来のエクソソームの機能について概説する。

HBV

HBVは全世界的な感染症であり、HBV持続感染者は全世界でも4億人存在すると推定され、その大部分はアジア、アフリカ地域に集中しており、本邦でもHBVキャリアは約100万人と推定される。本邦では、母子感染予防策により新規感染は減り、核酸アナログによってウイルス複製は制御可能になりつつあるが、未だウイルスの完全排除に至る治療法はない。

HBVを完全排除するための治療法開発には、まずB型肝炎が慢性化するプロセスの解明が必要であるが、慢性化に至るプロセスは不明な部分が多く残されている。近年、慢性B型肝炎患者の血中に存在する単球では、PD-L1の発現が上昇し7)、さらに、HBV特異的CD8陽性T細胞でPD-1の発現が上昇し細胞障害能が著しく低下していることがわかってきている8)。

このことから、B型肝炎の慢性化の原因の一つとしてPD-1/PD-L1-axisが関与している可能性が考えられている。そこで、我々は、B型肝炎慢性化に至るプロセスにHBV感染細胞から放出されるエクソソームを含むEVsが関与しているのではと仮定し、研究を行ってきた。

HBV感染細胞由来EVsの機能

HBV感染細胞からは、エクソソームのほかに、HBs抗原のみを持つ非感染性の中空粒子は、HBs抗体のデコイとして機能していると考えられているが、実際の機能は未知のままである。本稿では、エクソソーム、中空粒子、HBVビリオンを含めてEVsと表記する。

まず我々は、HBV感染細胞由来EVsがどのような細胞に取り込まれるかを検索するため、ヒトの末梢血単核細胞 (Peripheral blood mononuclear cells: PBMCs) の培養上清に蛍光ラベルしたHBV感染細胞由来EVsを投与し24時間後にFACSで解析した。その結果、単球に選択的にEVsが取り込まれることが明らかとなった(図1A)。さらに、EVsを取り込んだ単球では、PD-L1の発現が上昇し(図1A)、免疫細胞の活性化マーカーであえるCD69の発現が減少した。

次に、PD-L1とCD69の発現の増減に関与している粒子を特定するために、密度勾配遠心法を用いて、エクソソーム、中空粒子、HBVビリオンを分離し、それぞれの粒子をPBMCs培養上清に投与し24時間後にPD-L1の発現を確認した。その結果、すべての粒子でPD-L1の発現が上昇しCD69の発現が減少したが、特に、エクソソームと中空粒子がPD-L1の発現を上昇させ(図1B)CD69の発現を減少させた。

以上のことから、HBV感染細胞由来のエクソソームと中空粒子は、取り込んだ単球に対して免疫抑制能を有している可能性が示唆された9)。

図1.

図1.

次に、in vivoにおいてもHBV感染細胞由来EVsが免疫抑制を誘導するかを調べるために、HBV感染マウスモデルを用いて検討した。マウス生体内で肝炎実験系を得るために、HBs抗原で3回免疫したマウスに野生型HBVレプリコンプラスミドを、Hydrodynamic injection (HDI) 法を用いて肝臓にトランスフェクションする。これより、HBV肝炎モデルが得られる。

図2.

図2.

HDIをして2時間後にHBV感染細胞由来のEVsを尾静脈から投与し、3日後の肝臓における細胞浸潤とHBc抗原の発現を検索した。その結果、HBV感染細胞由来のEVsを投与しなかったマウスの肝臓では、多数の細胞浸潤が認められ、さらに、HBc抗原はほとんど確認できなかった(図2)。

一方、HBV感染細胞由来のEVsを投与したマウスの肝臓では、細胞浸潤がほとんど確認できず、さらに、HBc抗原が多数認められた(図2)。

以上の結果から、HBV感染細胞由来EVsがin vivoにおいて免疫抑制を誘導することが示唆された。

おわりに

発見された当初、エクソソームは不要なタンパク質や核酸を細胞外に放出するための仕組みと考えられていた。ところが、今や、細胞間コミュニケーターとして機能し、様々な疾患の診断・治療のターゲットとして注目を集めている。本稿では、ウイルス感染細胞由来エクソソームの機能に関わるいくつかの報告を紹介したが、エクソソームはあらゆる生命現象に関与することが報告されている。

多くの研究によりエクソソームの生物学的意義が明らかにされつつあるが、その作用機序や生成過程の詳細については、未解明の部分も多く残されている。我々の研究が今後のエクソソーム研究の一助となることを願う。

参考文献

Murk, J. L. et al. : Semin. Cell Dev. Biol., 13(4), 303 (2002).

Selzer, L. and Zlotnick, A. : Cold Spring Harb. Perspect. Med., 5 (12), 0021394 (2015).

Nagashima, S. et al. : J. Gen. Virol., 95, 2166 (2014).

Campbell, T. D. et al. : Ethn. Dis., 18 (2 Suppl 2), S2-14 (2008).

Arenaccio, C. et al. : J. Virol., 88, 11529 (2014).

Higuchi, H. et al . : Blood , 131 (23), 2552 (2018).

Huang, Z. Y. et al. : Viral Immunol., 30 (3), 224 (2017).

Boni, C. et al. : J. Virol., 81, 4215 (2007).

Kakizaki, M. et al . : PLoS One , 13 (12), e0205886 (2018).


https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/siyaku-blog/025095.html 【【連載】エクソソームと生命現象「第8回 エクソソームを利用した診断」】

https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/siyaku-blog/027787.html   【【連載】エクソソームと生命現象「第9回 エクソソームの生体内挙動」】


https://diamond.jp/articles/-/244438?page=5 【新型コロナは日本人にとって本当に「怖いウイルス」なのか】より

 重症化のリスクが0に近い30歳未満は、対面授業やスポーツを平常通りに戻す。子どもや学生からPCR陽性者が出ても騒がず、明らかな症状が何人にも出て集団発生が起きたら学級閉鎖すればよい。

 30~59歳も通常の経済活動を行ってよいはずだ。罹患した場合は症状に応じて自宅待機などで対応し、集団発生が起きたら職場を閉鎖すればよい。

 60~69歳は感染リスクが高まるので、流行期には在宅勤務などを推奨する。

 70歳以上の高齢者(や持病を持つ人)は、流行している間は隔離的な生活をしてもらう――といった内容だ。

「PCR検査の陽性者」は

必ずしも「感染者」ではない

 ここまでは「PCR検査の陽性者」=「感染者」ということで話を進めてきたが、この前提にも疑問が出されている。

 大橋眞・徳島大学名誉教授(免疫生物学)は、その診断(判定)基準に問題があるとしている(動画『コロナ騒動の原点は、PCR検査にあり』など)。

 PCR検査で新型コロナウイルスの存在を確認していると多くの人が思っているようだが、それは誤解だ。

 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)は、ウイルスの遺伝子を増幅する技術で、新型コロナの場合、検査は次のような手順で行われる。

 公表されているコロナウイルスの遺伝子RNA(リボ核酸)の配列を基に、特徴的な配列に対応するDNA(デオキシリボ核酸)の断片(プライマー)を合成し、これを検体(鼻の粘膜やのどの唾液)と反応させて、プライマーと結合する配列のDNAを増幅して分析する。

 このようなPCR検査について、大橋名誉教授は「体内に取り込んだが(曝露したが)感染(ウイルスが定着し、増殖すること)していない場合でも陽性になる」と指摘する。

 ウイルスが粘膜の細胞の表面に付着しているだけで、自然免疫の力で細胞内へ侵入できていないような場合でも陽性になるからだ。

 また、普通のインフルエンザウイルスや他のコロナウイルスでもPCR検査で陽性になる可能性があるという。

実際、米国で発売されている「新型コロナのPCR検査キット」には、「インフルエンザA型、同B型、マイコプラズマ肺炎などのウイルスにも陽性になる」と注意事項が記載されている。

 つまり、インフルエンザウイルスやほかの常在性コロナウイルスの保有者が、新型コロナウイルスの感染者に数えられている可能性があるわけだ。そうだとすれば「PCR陽性者=感染者」という診断基準を変えない限り、新型コロナの感染者はいつまでも存在し続けることになる。

「疫学的な検出方法ではない」と臨床医

現在の診断基準でよいのか?

 このような検査は新型コロナウイルス感染症の診断基準として適正なのだろうか。

 大橋名誉教授によれば、米国疾病予防センター(CDC)のウェブサイトの「新型コロナウイルスに対するPCR検査の概要」には、次のような注意事項が記されている。

「PCR検査で検出されたウイルスの遺伝子は、感染性のウイルスの存在を示しているとは限らないし、新型コロナウイルスが臨床症状(肺炎など)の原因とは限らない」

 また米国で発売されている「新型コロナウイルス測定用のPCR検査キット」の説明書には次のように書かれている。

「本剤の検出結果はあくまでも臨床上の参考値であり、臨床診断・治療の唯一のエビデンス(証拠)として使用すべきものではない。患者の症状・徴候、既往歴、他の臨床検査値、治療反応などと併せて臨床管理を考慮すること。また、検出結果は臨床診断のエビデンスとして直接使用すべきものではなく、あくまでも臨床医の参考とする」

 つまり、PCR検査で陽性という結果だけで、新型コロナウイルス感染症と診断してはならないと注意を喚起しているのだ。

 大橋名誉教授は、超訴訟社会の米国では、いつ訴えられるか分からないので、正直に記載せざるを得ないのだろうと推測するが、日本の検査キットも原理は同じだと指摘する。

 その上で、多くの人にとっては風邪程度の健康被害をもたらすにすぎない新型コロナ問題が世界的な「騒動」になった原点は、PCR検査にあると指摘し、PCR検査の陽性者をそのまま新型コロナの感染者としている診断(判定)基準を改めるべきだと主張している。

 PCR検査の問題点を指摘する研究者は、ほかにも少なくない。

 たとえば、臨床医である国立大学病院の内科系教授は、PCR検査では遺伝子配列の2カ所だけ同じなら陽性になるので、何年も前から日本に存在して風邪の原因になってきた別のコロナウイルス(土着コロナ)でも陽性になると指摘する(『土着コロナにも陽性反応か~現状はPCR検査がもたらした混乱…?~ある現場臨床医からの声』)。

 その結果、真の意味での感染者である「新型コロナウイルスによる重症の肺炎患者」だけでなく、(1)土着コロナによる風邪の患者、(2)土着コロナの保有者、(3)新型コロナ以外が原因の肺炎患者で、土着コロナの保有者まで「新型コロナの感染者」になってしまうというのだ。

 この教授は、PCR検査は「微量であっても存在するDNAを検出する方法」であって、「ウイルスを疫学的に検出する方法」ではないとし、世界がいま初めて経験しているのは、「新型コロナウイルスの脅威」ではなく「PCR検査を大規模に疫学調査(集団を対象に病気の頻度や特徴を調べること)に使う恐ろしさ」だと書いている。

 このような意見については「誤り」「不正確」とする研究者もいる。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)はきちんと説明すべきだろう。


http://www.rimath.saitama-u.ac.jp/lab.jp/Fukui/ki.html#PCR%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6  【PCR検査について】より

PCR検査はウイルスを検出する検査ではありません.PCR検査は遺伝子を増殖して検出する検査で,ウイルス由来の遺伝子も検出しますが,それ以外のもの由来の遺伝子断片も検出し得ます.PCR検査陽性は検体内のウイルス存在を証明するものではありませんし,ましてやウイルスの生体内での増殖を証明するものでもありません.PCR陽性者を感染者として報告するのは誤りです.RNAウイルス感染症の診断目的でPCR検査のみを用いてはいけません.

PCR検査ではプライマーと呼ばれる標的の遺伝子配列を2箇所検出し,挟まれた配列を増殖させ,指定した部分を光らせ,光の強度を計測して増殖を追跡します.(PCR検査は本来は定量的な検査ではありません.挟んだ部分の長さを泳動で検出するのが元々の方法)国立感染研究所のマニュアルでは,40サイクル(Ct値40)まわして増殖させるという話ですので、2の40乗、約1兆倍する計算で,極微量でも検出できる理屈です.

PCR検査は30サイクル(Ct値30)以下で遺伝子を検出するのが普通で,PCR反応の特異度は99%といわれていますから,条件の整った実験室で的確な検査をすれば素晴らしい成果が期待できます. しかしながら,感染症の診断に使うとなれば話は異なり,PCR検査のみで症状もないのに感染を診断しようというのは無謀な考えです.常識的な医師なら,患者に対し,症状を見て,抗原抗体検査,胸部CT検査,血中酸素濃度の検査等を行い,その結果から感染の診断をするでしょう.PCR検査を補助的に使うことは従来からありますが,あくまで参考です.現状は無症状者にいきなりPCR検査だけ行い感染を判定する状況となっています.

大橋眞先生(免疫生物学者 徳島大学名誉教授)は,YouTubeに学びラウンジを主催しビデオを多数投稿,主に「PCR検査は何を見ているのか」という疑問を考察しています.ウイルスがどの様に同定されたかにも言及し,病原性の証明にも疑問を呈しています.新型コロナウイルスの病原性を自明の事として仮定せず,きちんと検証する姿勢が望まれます.なお YouTube が医学的に誤りと判断して削除した大橋先生のビデオはここで見れます.

症状を見るのでなくPCR検査で感染を判定し続ければこの騒動は永遠に続くかも知れません.

上記の井上正康先生との対談にもありますが,WHOもPCR検査で35サイクル以上での検出は無意味と述べています.これを承けたのか,厚生労働省は2021年1月22日に事務連絡を出し,無症状者の検査は「5人分をプールして検体を作りCt値30-35で検査する」旨,指示しています.1月下旬以降の陽性者数の報告の減少が見込まれます.PCR検査の適正使用への第1歩と思います.

PCR検査についての補足記事

COVID19 PCR Tests are Scientifically Meaningless

東洋経済 online の記事も参考になります.PCR検査の問題点を指摘する記事が数多く見つかります.

アメリカの疾病管理予防センター(CDC)発行の診断パネルの38ページに次のように述べられています。Detection of viral RNA may not indicate the presence of infectious virus or that 2019-nCoV is the causative agent for clinical symptoms. (ウイルスRNAの検出は、感染性ウイルスの存在、または2019-nCoVが臨床症状の原因物質であることを示していない場合があります。)

また39ページには次のような文章があります.これを読んで新型コロナウイルスの分離株はあるように読めるでしょうか?

Since no quantified virus isolates of the 2019-nCoV are currently available, assays designed for detection of the 2019-nCoV RNA were tested with characterized stocks of in vitro transcribed full length RNA (N gene; GenBank accession: MN908947.2) of known titer (RNA copies/µL) spiked into a diluent consisting of a suspension of human A549 cells and viral transport medium (VTM) to mimic clinical specimen.

新型コロナウイルスに対するPCR検査を設計した論文に疑義を呈する論文もあります. External peer review of the RTPCR test to detect SARS-CoV-2 reveals 10 major scientific flaws at the molecular and methodological level: consequences for false positive results.