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星を繋ぐ猫達 《第6章 それぞれの差異と再構成》

2017.03.17 03:21

もう既に春なのに、まだまだ、寒いですね。


画像は、猫沢さんです。2015年個展メイン作品。画材は、三菱ユニポスカとコピックです。


では、続きをお楽しみください。


《第6章③ それぞれの差異と再構成》


作者は、記憶が薄れないうちに、スケッチを描き上げました。しかし、細かい部分が不鮮明です。


「これを再現するの難しいよ。描いた事ないし…?」


すると、何か気配が…?振り向くと、猫沢さんが、ちまっと座っていました。さすが猫ですから気配を消すのは朝飯前です。


「わ!居たんですか?」


「どうでしたか?」


「え、えーとですね。最初に昔の日本の町並みが見えて、映画看板を描く男の人が現れ、倉庫らしき場所で、猫沢さん達の絵を描いていました」


「なるほど」


「合ってますか?」


「多少ずれてますが、合ってます。サンプル2号は、昔、仕事で描いていた頃の映画看板のイメージを送ったそうです」


「やったー!」


無邪気に喜ぶ作者…


「他には?浮かんだイメージは?」


「なかったです…まだ、あったんですか?」


「感知出来なかったのですね。分かりました。早速、受け取ったイメージを、出力と言う形で、描き上げて下さい」


「はい、だけど、完全コピーのように再現するのは難しいですよ…」


「イメージに近いものを探して参考にしなさい」


「わかりました。やってみます」


早速、作者は、資料を探す事に、タブレットを開き始めました。


[昭和 SF 映画看板]検索 


「あの、猫沢さん、この方の作品に書いてあったタイトルを、次の個展のタイトルにしても良いですか?」


「ご自由にどうぞ、と、サンプル2号からの伝言です」


「やったー!ありがとうございます。サンプル2号さん!アイディア使わせていただきます!」


と、作者は、会った事もない人物に深くお辞儀をしたのでした。 


かくして、2015年の高円寺、猫の額での展示内容が決まったのです。


「ところで、猫沢さん、さっき、受け取ったイメージなんですが、私が見てきたカンタスカラーナのイメージと、所々違うのですよ…」


「違う、どのように?」


「猫沢さん達の姿が、昔のSF映画のような宇宙服を着ていたり、Σちゃん達が、カクカクのロボット猫だったり、あと凄く綺麗な猫の宇宙飛行士の髪型がとてもレトロで、お洒落だったり、これは何故なんでしょうか?」


「それが、差異です」


「差異?」


「そうです。テラビトの脳内には、これまで生きてきた環境や記憶、経験、そして、概念が蓄積されます。その中から、似たイメージの映像等を引っ張り出して再構成し一つのイメージを創りあげるのです」


「再構成?どう言う意味ですか?」


「彼の頭の中にある「宇宙人」「宇宙船」「猫」と言うイメージはやキーワードは、彼が見てきた映像や日常等の記憶から、取り出したものでしょう。あなたは、どうでしたか?私達が現れた時に創り出した姿は、何かの記憶と重ね合わせて、再現されたものではありませんか?」


猫沢さんからの、思わぬ問いに、思わず言葉を失う作者は、今一度、何故、この姿の[猫沢さん]を描いたのか?と、自分自身に、問いかけてみたのです。


「うーん…確かに、私が描く、猫沢さん達の姿は、私が見てきたSF映画や漫画やアニメや音楽のイメージを重ねています…もしかして、猫沢さん達は、見る人によって違うのですか?」


「若干、異なりますよ。私は現在、この姿ですが、もしかしたら「猫」と言う生物を知らないテラビトが見たら、私の姿は、このような形をしていないかもしれません。あなたは「猫沢」と言う宇宙的な存在を、脳が受診し、解析して得た情報と既存のイメージを元に、脳内で、創り直して肉眼で見ているように感じているのです。その差異を体感して貰いたかったのですよ。実験は、ほぼ成功です。ありがとうございました」


猫沢さんは、一通り小難しい説明を終えると、作者は、ポカンとしていました。まだ、彼の言葉がうまく理解出来ずにいるようです。


「では、完成を楽しみにしてますよ」


猫沢さんは、ニッコリ笑って、宇宙船に戻っていきました。


一人残された作者は、追いつかない頭脳を1度クリアーにして、気を取り直し、次の展示に意識を向けるのでした。


「よし、来年は、レトロな雰囲気と近代的なイメージを合わせた展示にしよう!でも…あの絵のイメージは、元々、私のイメージではないから…送ってくれた人の作品をイメージして描いたと言う事にしておこう…60代の男性画家が描いた設定で…」


作者は、そんな事を呟きながら、猫の住む惑星カンタスカラーナの、地球との密接な関係や、様々な事、どうやって作品にしていって良いのか?模索しながら制作していくのでした。


その頃、2014年の暮れ、もう1枚の作者の作品が、関東の、とあるカフェで複数の作品に紛れて展示されようとしていました。


この作品が、2015年の作者の運命を変える1枚になるとは知るよしもありませんでした。 


(つづく)


 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。


物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。


そんな楽しい猫の星の世界観第3弾を、昨年も東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)


2017年の6月も、幻想の魚の秘密.第4弾を展示決定!既に準備は始まっています。お楽しみです。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)


※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)


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