腸と森の「土」を育てる~微生物が健康にする人と環境
Facebook・布施 純郎さん投稿記事 【桐村里紗先生、新刊、腸と森の「土」を育てる】
私は、植物にとっての根は、人間にとっての腸である。そして、土壌の栄養素は、腸の中を流れる食物である。と以前より考えていました。
それを詳しく、地球環境規模で説明しているのが、友人の桐村医師(里紗ちゃん)の新刊「腸と森の「土」を育てる微生物が健康する人と環境」です。
「人は、食べ物を食べ、それを胃腸の消化液と腸内細菌の力で分解し、土に戻します。これがお通じですね。
根っこにあたるのは、腸の表面にある細胞です。ここからグングン栄養を吸収し、血管という葉脈を使って、葉っぱや花、実にあたる細胞に栄養を運びます。人は森に例えることができます。腸内の土である消化管は自然と繋がっています。
また、地球環境と腸内環境を考えて、地球環境に負荷のかからないタンパク質なら、牛肉より鶏肉や卵、動物性より大豆製品を食べれば、地球も人も健康になる」と里紗ちゃんは述べています。
腸内環境の話は、私もしますが、地球環境全体まで見ていません。しかし、地球環境と個人の身体は繋がっているのです。
腸内環境の悪化が、心身に病をもたらしますので、優れた環境に良い食物により腸の土壌改良をすれば良いのです。個人の腸内環境が良くなって、地球環境も良くなれば最高ですね。里紗ちゃんの力作です。良かったら、読んでください。
https://lukesashiya.com/blog/2021/08/post-368.html 【腸と森の「土」を育てる】より
スタッフ教育用に追加注文した桐村先生の本届きました。
腸と森の「土」を育てる
「人は森であり、腸に『土』を内包している――」
人にとって最も身近な自然環境は「腸内環境」であり、そこは人が根を下ろす「土」にあたる。
土壌に暮らす微生物が、食べ物と共に腸内に移住したものが腸内細菌の起源であり、人は今でも「食べる」ことを通して、外的な環境と接続しているのだ。
日々の食べ物が腸内の土作りの材料になり、消化や腸内細菌による発酵を通じ栄養豊かな土となる。
それはまるで、森の落ち葉や動物の死骸から腐植土が作られるシステムと同じである。
本書では近年明らかになっている腸内環境と心身の不調との関連について、最新情報を伝えつつ、人と地球の土を同時に改良する食べ物の選択の重要性と具体的方法を「プラネタリーヘルス」の観点から説く。
近代農法や畜産が環境に与える甚大な影響と、それを解決する農業や食の未来も伝える。
https://honsuki.jp/stand/48459.html 【腸と森の「土」を育てる微生物が健康にする人と環境
桐村里紗】より
「人は森であり、腸に『土』を内包している――」
人にとって最も身近な自然環境は「腸内環境」であり、そこは人が根を下ろす「土」にあたる。
土壌に暮らす微生物が、食べ物と共に腸内に移住したものが腸内細菌の起源であり、人は今でも「食べる」ことを通して、外的な環境と接続しているのだ。
日々の食べ物が腸内の土作りの材料になり、消化や腸内細菌による発酵を通じ栄養豊かな土となる。
それはまるで、森の落ち葉や動物の死骸から腐植土が作られるシステムと同じである。
本書では近年明らかになっている腸内環境と心身の不調との関連について、最新情報を伝えつつ、人と地球の土を同時に改良する食べ物の選択の重要性と具体的方法を「プラネタリーヘルス」の観点から説く。
近代農法や畜産が環境に与える甚大な影響と、それを解決する農業や食の未来も伝える。
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目次
はじめに
第1章 人は森であり、腸内に土を持つ
第2章 消化管で人は自然とつながっている
第3章 腸内の土の悪化が、心身にもたらす病
第4章 食と農業の選択で、土の未来を変える
第5章 微生物で接続する、腸と土、人と自然
おわりに
著者紹介
桐村里紗
(きりむらりさ) 1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。tenrai株式会社代表取締役医師。臨床現場において最新の分子整合栄養学やバイオロジカル医療・腸内フローラ研究などをもとにした予防医療、生活習慣病から終末期医療まで幅広く診療経験を積む。生命科学、常在細菌学、意識科学、人文科学、最新の数理学などをもとにヘルスケアの意味を再定義し、食や農業、環境問題への洞察をもとに人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルスケア」をはじめ、最新のヘルスケア・ウェルネス情報をさまざまなメディアを通じ発信している。主な著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか――体臭と口臭の科学』(光文社新書)など。
https://madamefigaro.jp/beauty/210818-intestinal-environment.html 【人の腸内環境を整えることが、地球の健康にも繋がる?】より
人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルスケア」を提唱する桐村里紗先生が、8月18日に新著『腸と森の「土」を育てる〜微生物が健康にする人と環境』を刊行。今回は、本の中でも紹介されている、人の腸内環境と地球環境の関係性を紐解きます。
腸内環境をよくして、自分を健康にすること。
壊れていく環境を回復して、地球を健康にすること。
一見、違う次元に思えるそれらを同時に実現する、地球に効く「腸活」があります。
腸活というと、「ヨーグルトを食べる」とか「〇〇菌で免疫を高める」というイメージがあるかもしれませんが、本当の腸活は、人と地球を繋ぐ「土壌改良」です。
人も植物も、根腐れすると枯れていく
自分と地球を同時に元気にする、その共通項は「土」。
人が腸の中に内包する「土」と地球の「土」、それを同時に改良できる食の選択を日々積み重ねることで、その両方が健康に、持続可能な状態になっていきます。
ワインがお好きな方は知っていると思いますが、おいしいワインのために、ワイナリーは「テロワール」を重視します。テロワールとは、ワインの原料となるブドウが育つ気候風土、つまり環境ですが、その中でも特に、土の状態がとても重要とされています。微生物が豊かな生きた土は、ブドウの木の根っこに十分な水と栄養を与えるので、ブドウが元気に育ちます。
観葉植物でも花でも、根腐れすると、枯れてしまいますよね。
腐敗菌が増えて根っこがダメになると、植物は生きられません。
少々、葉っぱや実が傷んでも、根っこさえ元気であれば、また復活します。
人間も、それと同じです。
人を育てる土は、腸内環境にあり
人は、食べ物を食べ、それを胃腸の消化液と腸内細菌の力で分解し、土に戻します。これがお通じですね。根っこにあたるのは、腸の表面にある細胞です。絨毯のような細かな根っこが敷き詰められた状態で、ここからグングン栄養を吸収し、血管という葉脈を使って、葉っぱや花、実にあたる細胞に栄養を運びます。
細胞を元気にしようと思ったら、根っこの状態が良く、栄養たっぷりの土があることが絶対条件です。
この土が、要するに「腸内環境」です。
腸内環境が整い、腸内で良い発酵が起これば、ビタミンやミネラルが増え、根っこである絨毛からの吸収率が高まります。
腸内環境が悪いということは、つまり、腸内に腐敗菌が増えて土壌が腐っているということ。そうなると腐敗菌に栄養を奪われたり、腸の根っこからの吸収が上手にできなくなったりします。
よく経験することですが、鉄不足だからと鉄分のサプリメントを飲んでも、ちっとも改善しない人がいます。
そういう場合はサプリメントのお金が無駄なので、まず、腸内環境を改善した方がいいというアドバイスをします。
さらに、良い腸内環境というのは、決して1種類のヒーローのような腸内細菌だけが活躍しているわけではありません。人の社会と同じで、ダイバーシティ、つまり多様性が大事になります。
個性ある腸内細菌がそれぞれに活躍しながら協力し合っているのが、理想的な腸内環境です。
人の食糧のために地球の土が破壊される
いま、地球の土が破壊され、これが気候変動や生物多様性の減少、砂漠化、水の汚染の原因にもなっています。
そこら中を開発し、コンクリートで埋めてしまったことはもちろんですが、大きな要因となっているのが、農薬や化学肥料を使った現代型の農業です。
過剰に増えすぎた人類の胃袋を満たすために、大量生産される作物。
効率よく作物を育てる農業は、土の微生物を弱らせ、その周囲の環境や水を汚染し、温室効果ガスを排出する原因になっています。また、人よりもさらに大量に食べる家畜の餌を作るための農業も、大きな負担になっています。
いずれにしても、人のための餌を作るために、土が破壊されています。
また、世界中の多くの人が口にする食べ物の種類が偏ってしまっていることが、生物多様性を減少させています。
日本人の食生活も欧米化し、小麦と牛乳、肉食中心に変わりましたが、世界で同じ状況が起きています。
当たり前にこれらを食べていると、農業や畜産を通して、地球の土を破壊してしまいます。
同時に、こうした現代型の食生活は、人の腸内の土を腐敗させてしまいます。
地球に効く「腸活」とは?
地球に効く「腸活」になるひとつの有力な方法は、生産過程がサステイナブル、さらには環境がより回復するような農法で作られたバラエティ豊かなプラントベースの食品を食べることです。
腸内細菌のダイバーシティは、いろいろな種類のプラントベースの食品を積極的に食べることで回復していき、腸内の土壌も改良されます。
野菜、豆類やナッツ類、海藻類、雑穀類など、食物繊維が豊富な食品を食べると、さまざまな腸内細菌が喜んで元気になります。
さらに、食材がオーガニックであれば、ホールフードとして皮やヘタも余すことなく活用すれば栄養価も高まりますし、フードロスの削減にもなります。
環境負荷の大きい、肉や卵、乳製品のような動物性の食品の選び方は、以前ご紹介しました。
あまり過剰に摂取すると、腸内の土も腐敗してしまうリスクがありますから、持続可能な育ち方のものを適度に食べ、あとは代替プロテインやプラントベースの豆類などへのスイッチがベターです。
私たちは、食べることで、地球の土にも自分の土にも大きな影響を与えているのです。