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にじいろの風船

登校刺激

2021.09.21 12:22

コロナ禍のため座談会が開催できない日が続いておりますが

2学期に入り、数名の方からの相談・カウンセリングの依頼があり

お受けしております。


私が関わる親御さんの不登校の子ども達は

元々どの子もいい子で

どのお母さんも真面目で一生懸命


学校と良好な関係を保とうと

先生の話やアドバイスも一生懸命実行しようとしていますが

なかなか登校へとつながらず

どうしてよいかわからなくなっているようでした。


どうしてよいかわからないのに

登校刺激はしてしまう…


お母さん方や学校の先生がしている「登校刺激」

無意識のうちに過剰になっているかもしれません。


登校刺激とは

「学校へ行きなさい!」と叱ったり

「少しでもいいからいってみない?」とか

「車で送ってあげるから学校へ行かない?」など

また、

学校の先生から「学校でまってるよ」とか

「あしたはイベントだよ」

「テストがあるみたいだよ」と学校行事に触れることも含まれます。

そして無意識にしていることでは

親の悲しい表情

ため息

ぶっきらぼうな対応など

子どもにとっては「登校刺激」となります。


カウンセラーによっては

「登校刺激はしてはいけない」と言う人もいますが

一概にはそう言い切れない部分もあります。

重要なのは「タイミング」「程度」「時と場合」を大切にすること。

登校刺激を与えるべきか与えないべきかの判断はとても難しですが

適切に使用すれば、症状が改善に向かいます。

ただ使い方を間違えれば症状が悪化する可能性もあるということを忘れてはいけません。

力ずくで強行突破…引きずってでも学校へ連れていく…なんてことはあってはいけませんね。

これは嫌がる子供を無理やり…ということ

思春期の子供にこのような対応した場合

良い方向へむかうはずはありません。

これは、私がしてしまった大失敗です…


不登校や引きこもりも自然となおる可能性ももちろんありますが、不登校が長期化すれば社会的な引きこもりになってしまう可能性もあります。

自然となおった場合でも、再発する可能性もあります。

ですから、「登校刺激」を適切に行う方法を学び、正しい方法で関わることは

子供を不登校や引こもりから救い出し

生き生きとした人生を歩ませるために必要です。


前にも言ったように

「登校刺激はしてはいけない」と言うカウンセラーもいるほどデリケートですから

一人で判断せず、経験者や専門家に相談したり、サポートを受けながら行うことがよいかと思います。

社会で生き抜く力をつけなきゃ…などの優しくも厳しい励ましや

強行突破でどうにかなった…という経験者の話を参考にすることはおすすめしません。


登校刺激のコツ

・本人の状態…元気になって笑顔で生活できるようになり、外出も抵抗なくできるようになり、自分の欲求や多少のわがままも言えるようになっている状態が良いと思います。

・最初は不登校と直接かかわりのない学校の話(校庭の草花や学校の友達の話など明るい話題)に慣れさせる。

・抵抗なく話ができるようになったら、次に学校の直接的な話(学校のイベントやテスト、先生の話題など)に変えていく。

・本人の反応が暗かったり、話題をそらされたり、その場から逃げてしまった場合は、まだ「登校刺激」の時期ではないと判断してください。

・本人の「こうしたい」と思う気持ちを表現する習慣を身に着ける関わりを心がけ、学校に対する思いを言葉にできるようになるとよいでしょう。

・特に否定的なこと(反抗的ではなく愚痴)を言えるようになったらチャンスですから、どんどん吐き出させてOKです。その時は必ず真剣に聞き役に徹してください。深刻ではなく真剣です。登校刺激を前向きにとらえ始めたために出てくる葛藤を口に出している可能性があるので、本人が逃げずに我慢しないで吐き出していることは前向きになっている証拠だと思います。

・登校刺激ができるようになっても、日々の子どもの様子も確認

いつもと変りなく過ごしているようであれば、少しずつ「登校刺激」を進めてOKです。

しかし本人の様子が反抗的になってきたり、現実逃避や部屋にひきこもることが増えてきたり、物や親への八つ当たりが増えてきたら、「登校刺激」は即やめて様子をみましょう。


*刺激が強すぎたか、多すぎたか、親自身のふりかえりも大切です。

*刺激から逃げる状態になった場合は、また時間をかけて笑顔が増える関わりを心がける必要があります。

*信頼関係は、一度崩れると立て直すのに時間がかかりますので、かけ引きは禁物。心から子どもの幸せを願い実行してください。

*子供を追いつめたりせず、慎重にすすめましょう。

*私個人的には登校刺激は「必ず必要なもの」ではないと思っています。子ども自身の心にプラスのエネルギーがたまってきた時、子どもが自ら行動をし始めると思っています。


「不登校の原因が分からない」「子供にどう声掛けをしたらいいか分からない」「スクールカウンセラーに相談しても良くならない」そんな方々にも出来ることはあります。

解決への近道は、「子供に寄り添い、話を聞いてあげる事」です。

そして、親御さん自身も話ができる環境や仲間を増やすことです。



※「情動調律」を大切にすると効果が期待できます。

 子どものタイプを知り、子どもの情動に母親が合わせていくことが大切です。

 参考講座「情況対応コミュニケーション講座」「母性と愛着」