2ヶ月の所感
ケニア⇒タンザニア⇒ルワンダ(いまココ)と旅してきて3カ国目。1月末にアフリカへ来てから約2ヶ月が経ちました。色々と思うことなど、このタイミングでまとめておこうと思います。取り敢えずこっちに慣れるのに必死で具体的な収穫は何もなく、何か言ってるようで何も言ってない一般論も多いのですが。。
例によって長文なので、なるべく過去記事などを引用して簡略化させてます。ご興味あればリンク先もご覧頂けると幸いです。
ちなみに、Facebookには意図的にあまり挙げないようにしていますが、ブログは定期的に投稿してます。んで、旅中のライトな写真なんかはInstagramに挙げています。(https://www.instagram.com/hikaruuu_1106/)
あと、Slideshareも使っています。
今までの旅の行程なんかはGoogleMAPでピン留しているので、これからアフリカに来る人なんかには参考になるかもしれません。僕が行ったポイントを色分けしているので、どんな感じだったかとかはメッセージ頂ければ答えられると思います。
僕の思想なんかも「自己紹介」という形でざっくり纏めています。
という事で所感です。
今のとこ、僕の頭の中では、当初日本で想定していた状態と大きく乖離はありません。
『理想論』⇒『総論』⇒『各論』
の順で進めます。
▼▼▼理想論▼▼▼
途上国・新興国(中国・インド・アフリカ…etc)と言われている国を中心に、今後グローバル化の波が大きく舵を切っていくのは否定できない時代の流れだと感じます。未だに偏ったイメージでナメてる人は、時代の流れに取り残される事でしょう。宝箱にハマったまま、ありもしない宝を守り続けてきたガイモンと同じ運命を辿ります。近い将来ルフィに現実を突き付けられて大変なショックを受ける事でしょう。宝は最初から無かったのだと。
少し前までの僕も、危うくガイモンになるところでした。
このグローバル化の流れに呼応するようにして、人工知能(AI)やIoT、Fintechなどの、バズワードとして持て囃されて来たテクノロジー領域が、現実味を帯びてやってきます。これからの時代はとんでもなく面白いはず。先進国のガイモン予備軍の皆さんは、どうか頑張ってキャッチアップして欲しいものです。既に恵まれている環境で、やろうと思えばいくらでも挑戦できる環境にいるので。
「捨てる」と言うのはちょっとニュアンスが違いますが、何かを変えることにはもちろんリスクが伴います。でもそれをしないと、壁の中でただ巨人に怯えて縮こまっているウォール・シーナの方々と一緒です。
ただそれでも一定数の、『経済圏から阻害』される「理不尽な世界」は存在し続けるとも思います。最も大きい要因はやはり『教育』です。これが一番大きい。でもこの領域はお金にならないので、全ての人に最低限のレベルを届けるのは不可能です。そうなるとやはりビジネスで解決するしか無いと思います。良く言われる話として、「途上国の人って幸せそうだよね。このままでもいんじゃない?」という議論があると思いますが、僕はそうは思いません。それは先進国側の人の満たされた側の意見です。もちろん、こちらの人たちのおおらかさとかは凄く感じますが、例えば、所得が十分でないために、急な病気があったり、家の大事な牛が死んじゃったりとか、そう言った緊急時の備えが不十分なために死んじゃう人もたくさんいるわけです。
そう言う意味では、ケニアで活躍されている薬師川さんのこちらの意見に100%僕は同意です。
ここで、勝手に簡略図を作ってみました。命題は、途上国などが抱える『負のスパイラル』を『正のスパイラル』に変えるにはどうすれば良いのか、です。「俺のモノは俺のモノ。お前のモノも俺のモノ」でお馴染みのジャイアニズムを例にとってイラストを拝借。
■負のスパイラル
このように、教育を要因として、負のスパイラルが作られていると思っています。少し外から横槍を入れるような形で、政府やODAなどの間違った形でのCorruption(汚職)などが、ジャイアンとスネ夫のようにこの流れを助長させます。ジャイアン・スネ夫にとっては、いつまでも「のび太はのび太のまま」でいじめていたいわけです。教育を得て正のスパイラルへ向かおうとすると、「のび太のくせに生意気だぞ」と、暴力的に一方的に搾取しにかかります。のび太は彼らのせいでいつまでもいじめられっ子のままです。
ここで、いきなり教育にズバッと切り込むのは前述の通りかなり難しいので、ドラえもんはどうやってのび太くんを助けるのか、という話です。
■正のスパイラル
以前ブログでも書いたように、やはり僕は『母数(先進国から途上国へ挑戦する人間の数)を増やす』ことだと思っています。
子供が教育を得るにはまずお金が必要です。そうすると、親がちゃんと収入を得なくてはいけません。でもその親も教育をあまり受けていないので、仕事のレベルが低いわけです。そうであれば、外の世界(スパイラルの外側)から、ちゃんと教育を受けてビジネスを考える人間が入ってきて、舵を取って行く必要があります。でも、慣れない土地で事業を軌道に乗せるのは並大抵のことでは出来ません。まず生活をするのが大変です。衣食住から始まり、衛生面とか治安とか。なので、とにかくまずは母数を増やすこと。
で、こと日本に関して言うと、母数を増やすためには、色々と変えなくてはいけない事があります。これをドラえもんのポケットに詰め込まないといけません。
・ロールモデルが少ない(カッコよく成功している人)
・ネガティブな情報に偏っている(途上国って危ない、とかの都市伝説)
・新しい気づき/情報が少ない(実はテクノロジーなどが独自の進化してて面白い)
広告で言うところのAttention(注目・認知)がそもそも圧倒的に足りてないわけです。僕はここを変えたいと漠然と思っています。
▼▼▼総論▼▼▼
①グローバル化の流れが変わる
②人工知能で変わっていくモノ・変わらないモノ
③情報セキュリティ産業という市場の台頭
④教育の質の変化
総論はこの4本立て。今回のアフリカの旅に限らず、もっと大枠を俯瞰して思うこと。
①グローバル化の流れ(潮目)が変わる
人口規模の大きな中国・インドがこれからの時代の中心になると思います。そこに米(トランプ政権)・英(Brexit)のブロック経済や自由貿易推奨の思惑がどのような影響を及ぼすのかは分かりませんが。中東らへんも面白そうです。アフリカの旅を終えたら更に行きたい国が増えちゃいました。
合わせて、貨幣に関しても思うことですが、ビットコイン・アルトコインなどの普及も今後とても重要になって来ると思います。特に途上国での有用性が高いと思いますが、少額決済・海外送金手数料の安さなどから浸透するのは時間の問題でしょう。今後は社会基盤が無数に増えて、各コミュニティごとで独自の通貨が発行される時代になっていくと思います。
②人工知能で変わっていく世界観
人間がより人間らしく活動する事を「強いられていく」世界。テクノロジーの波は止めようがありませんが、一時期のインターネットの普及、①のグローバル化の流れと同じく、ここをキャッチアップできないと同じくガイモンになっちゃいます。どんどん取り残されていきます。
③情報セキュリティ産業という市場の台頭
Global・Onlineで、世界が体感的により狭くなって行く一方で、情報量は膨大に増え続けていく一方です。仕事でも、海外にオフショア委託する機会も今後飛躍的に増えるんじゃないでしょうか。そんな時に、相手先と面と向かって会って話したりすることは難しく、事前情報の精度がより高く求められる時代になります。
今僕はAirB&B、UBER、Booking.com、TripAdvisor、CouchSurfingなどを多用しています。その時に参考になるのはやはり他人のレビューです。シェアリングエコノミーもバズワードとしてありますが、有形・無形に限らず、モノのシェアはもっと活発になると思います。そうした時に、『適正なアルゴリズムで評価をレーティングできる技術』はとても貴重です。
④教育の質の変化
これは先進国の教育レベルに関して思うことですが、AI・VR・ARなどのテクノロジーで、教育の質はどんどん変わっていくのではないかと。教師の役割はチューター・メンターのような意味合いに変わり、あくまでも補助的な立場になって行くと思います。代わりに増えてくるのが、やはり「人間らしい活動」を教えられる人による道徳の授業です。
▼▼▼各論▼▼▼
■プロダクトアウトとマーケットイン
■教育の欠如
■民主主義と独裁政権
■ローテクの重要性
■未開農地の多さ
■気候と偏食の影響
■ITインフラ
■Globalで通じるService
■通信会社の強さ
各論は9点。ここからは、アフリカに実際に来て感じたこと。
■プロダクトアウトとマーケットイン
教育レベルの影響の気もしますが、とにかく「マーケットを見る」と言う概念が彼らにはありません。全体最適ではなく部分最適。トップダウンではなくボトムアップ。逆算ではなく積み上げ思考。でも、現状のアフリカではこのアプローチが正解な気もします。そもそもマーケットが正しい形で存在していないので。。逆に、ここに先進国側のマーケットインで考えられる人間が組み合わさればとても強いと思います。そのためにも、やはり挑戦者の母数を増やすことが必須だと考えます。
■教育の欠如
理想論のとこで触れた前述の通り、負のスパイラルから抜け出すには教育ありきだと思います。そのための手段として、いきなり教育からアプローチするのではなく、成人以上の人たちへの職業訓練から入っていく。単純労働を習得して、まずは稼げるベースを作ること。これが1stステップとして大事なんじゃないかと思います。
テラフォーマーズの劉さんの地元がそうであったように、基本的な教育が足りないために命を失っている人はとても多いのではと思います。
■民主主義と独裁政権
ルワンダはやはり成功事例だと思います。シンガポールやフィリピンなどと同様です。今まで何となく字面から「独裁政権は悪」みたく思っていましたが、発展途上段階の国では『独裁政権こそ必須』だとすら感じます。もちろん、TOPに立つ人間性が優れている事が必要条件ですが。下手に民主主義だと、多数派政権がおいしい思いをし続けたり、先進国との汚職などにも繋がりかねません。
■ローテクの重要性
教育の欠如に結びつく話ですが、手っ取り早く途上国で雇用を大きく生み出そうと思った場合、「ローテクであること」が非常に重要になってきます。ともすると、農業みたいなローテク事業は、日本人的に考えると「ダサい」とか「飽きる」とかなっちゃいそうな気がしますが、まずはどんな人でもすぐにこなせる事業を作る事はとても効果的です。
■未開農地の多さ
ローテクに関連するところで、今は僕は農業にとても興味があります。雇用創出によって生活水準の向上にも繋がるし、スケーラビリティが物凄く期待できるからです。アフリカで長距離バスなどに乗って揺られていると、広大な土地をいくらでも見かけます。今後人口規模が大きくなると、食糧問題なども深刻になってくる可能性が高いですが、その課題も払拭できます。
■気候と偏食の影響
散々と教育について触れてきましたが、アフリカでは別に気候と食生活の影響もあると感じました。ローカルのマーケットとかに行くと、ゴザ敷いて果物(マンゴー)とか売ってる人が多いんですが、皆ダラ~っと寝っ転がってるんですよね。。日本では考えられない販売スタイルです(笑)。でも暑いからしょうがない。萎える。。「寒いと危機感から人は頻繁に動いて現状を打破しようとするが、暑い気候だと逆に思考停止する」という話を中学か高校で聞いた事があるような無いような気がします。
それと、食事もウガリやジャガイモなどの穀類、豆類、果物、そして肉(牛・鶏・羊)がほぼメインです。ビタミンとかなんて概念は無いのでしょう。これは脳の発達に影響与えるんじゃないでしょうか。農業と一緒で、栄養学も興味が出てきました。
■ITインフラ
多くの日本人にとってやはりイメージが変わると思いますが、ほとんどのホテルやカフェには無料Wi-Fiがあります(逆に日本はWi-Fi後進国)。携帯も当たり前のように普及していて、スマホユーザーも20~30%くらいいるんじゃないでしょうか。UBERやAirB&Bもめっちゃ浸透してますし、これには驚きました。
(※UBERに関してはここ最近ネガティブな記事が多く、アジア圏などではGrab Taxiなどの競合にシェアを奪われていくのではないかと言う見方もありますが、それはまた別で考えたいと思います。AirB&Bは逆にIPOが成功すれば時価総額が数兆円になる見通しなので今後更に面白くなりそうです。)
ただ、携帯料金とか、多くはプリペイド式です。これは、「分割して」「計画的に」「モノを買う」概念が無い、つまり、「計画的に貯蓄をしてやりくりする」概念が無いとも言えるかもしれません。ここらへんは教育で解決ですね。
■Globalで通じるService
こっちにPC持ってきて色々と作業してるわけですが、やっぱりGoogleすげーって思います。シンプルで直感的なUIで、どんな人でも使えるのに技術は一級品。現地人に道聞くときもGoogleMAPを重宝してます。あと、現地人が携帯で何してるかと言うと、日本で色んな人から聞いてたとおり、皆FacebookいじったりYoutubeで動画を見てます。世界規模で支持を受けるサービスには、やはりそれなりに理由がありますね。
■通信会社の強さ
所得の低さが理由で銀行口座が持てないために、携帯で決済や送金を完結させてしまうアフリカならではですが、Safaricom(Vodacom)やTigo、Airtel、Halotelなどの通信会社の店舗を街中の至るところで見かけます。アフリカの市場を大きく面で抑えに行こうと考えた場合、政府などとは別に、通信会社を抑える(うまく連携する)事も重要だと思います。