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[2017.3.14]イタリアG7・ドイツG20サミットに向け、日本政府シェルパとの意見交換「シリア和平プロセスへの市民社会の関与」

2017.03.18 09:01

2017年3月13日、シリア和平ネットワークは2017年イタリアG7およびドイツG20サミットにおいて、シリアの持続可能な和平実現に向けてシリアの市民の声が尊重されるよう日本政府に対し提言をまとめ、外務省サミット準備室に届けました。


提言書の要旨は次の通り。


「シリア和平プロセスへの市民社会の関与」


 移民・難民問題は、エルマウサミット、伊勢志摩サミットから継続して、G7の重要なアジェンダとなっている。その中でも特に、世界最大の人道危機と呼ばれるシリア問題については、その根本原因の解決に向け、G7諸国のリーダーシップの発揮が期待される。

 シリア問題において欧米諸国の関心が難民問題に集中する一方、米ロは対IS軍事作戦、トルコはクルド人問題として、それぞれの国益中心にシリア危機を遇しており、ジュネーブやアスタナでの和平協議の場において、紛争の直接の当事者であり、受苦者でもあるシリアの市民の声が届けられることはまずない。しかし、シリアの持続可能な平和と開発の在り方を考える上で、シリアの社会を構成する市民の役割を無視することはできない。イラクやリビアのように、確かな見通しもないままに拙速な政治変換を外部から軍事的に促すことで生まれる混乱の深刻化と長期化も避けねばならない。

 現在、国連機関やシリア内外のシンクタンク、NGOを中心に将来のシリア像について研究が進められている。ESCWA(国連西アジア社会経済委員会)は、シリア危機発生以前から現在までシリア政府の運営に携わってきたテクノクラートを集結させて、Future of Syriaと銘打った将来のシリアの国造りについて、プログラムの作成を進めている。シリアのシンクタンクであるSCPR(Syrian Center for Policy Research)はシリアのNGOを集めて、シリアの開発における新たなパラダイムについて対話を始めようとしている。

 たとえ、大国間の交渉や外部アクターの介入により、シリア危機の政治的な妥結や軍事的に一定の解決が得られたとしても、今からシリアの市民による積極的な関わりを求めなければ、同国の持続可能な未来はない。ESCWAやSCPR等のイニシアチブを国際社会として支援することにより、シリアの市民の声が同国の和平プロセスに反映される一助としていくべきである。

以上


安倍総理大臣の個人代表シェルパ(外務審議官・経済担当)との意見交換についての詳細は以下。

[3/14]どうなるG7イタリア・サミット?外務省と意見交換=SDGsに関わる課題の推進をめぐって=